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カネコアヤノの2本のツアー/2023年上半期ベストライブ

カネコアヤノの2本のツアー


先に結果から述べておくと、上半期のベストライブ1、2位はカネコアヤノのツアーだった。2位はZepp Nagoyaでのライブハウス編、1位は福岡市民会館でのホール編。年始にリリースされた『タオルケットは穏やかな』のツアーだ。まとまった感想をnoteに書けずにいたがここに記しておきたい。


まずライブハウス編。長年サポートドラマーを続けてきたBob(HAPPY)が去って初めてのツアー。それを逆手に取り、バンドの在り方を大きく転換させていた。このツアーは圧倒的な没入感。最後の方は何も考えらずに食い入るように観ていた。”音楽と私だけ“というような、純粋すぎる精神領域に飛ばされたの初めてだった。

アルバム『タオルケットは穏やかな』はノイズを用いたアレンジが新鮮であり、ライブではそれを更に発展させていた。新ドラマーHikari Sakashita(San hb)の骨太な剛腕と繊細な出力によって多くの曲が生まれ変わったのだ。そこまでの流れと無関係なドラムソロも絶品で、根源的な興奮をライブにもたらしていた。

ハイライトは終盤、「月明かり」以降のサイケデリックで陶酔感溢れる時間。「もしも」は最後のフレーズを8分ほど繰り返し、曲ごとの隔たりもなくなって、ひとつづきの音にひたすら身を委ねるような時間が生まれる。今までにないカネコアヤノの表現が芽生えつつある瞬間を目撃している、という強烈なインパクト。


「退屈な日々にさようならを」を初めてライブで聴けたことも忘れがたい。この曲はベーシスト本村琢磨がカネコアヤノのサポートを決めたきっかけの曲であり、今に続く歴史の一歩目を示しているよう。さぁここからどうグルーヴが育つ?と思っていた矢先に本村がサポートを離れてしまった。ホール編への不安が募った。

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福岡に引っ越してからホール編。正直言うと、なかなかライブハウス編以上のものは期待できないだろうと思っていた。ベーシストも変わったばかり、ツアーの準備すら突貫工事になってはしないかと、今考えると失礼すぎる想像をしていた。結果として杞憂に終わるどころか今のところ文句なしの今年ベストアクトであった。

新たにサポートベースとなった飯塚拓野はHikaru Sakashitaとバンドを組んでいたこともあり、リズム隊は鉄壁。ある種の緩やかさや和気藹々としたムードも魅力のステージングはカネコアヤノが凛とした態度でバンドを指揮するようなスタイルになった。そしてノイズへの傾倒を更に深め、孤高の表現を磨き上げていた。

終盤に向かうにつれ、没入感を高めるのはライブハウス編と同様だが「こんな日に限って」が化け物のように変わっていた。アルバムでは軽快さを担う曲だったが、たっぷりとした間合いと爆裂な演奏を背負い、最後には暴力的とも言える激情を迸らせていた。その変貌っぷりにポカンとした顔で見つめるしかなくなった。

そしてラストは「わたしたちへ」。まばゆい光と、強烈なフィードバックノイズ、そして光そのもののようなメロディと歌。最後はドラムスティックがぶっ飛ぶほどに、いつの間にやら終わっていた。音に合わせてノることすら余分に思え、ただその光景を眺めた。究極のライブに対して鑑賞者ができる動作など、ない。

ユースカルチャーの中心人物、近年の日常系エモのアイコンなどなど、雑に括られ消費されかねない現状に対し、この圧倒的な歌と音で抵抗する姿はあまりにも逞しい。常に、周囲を置き去りにし続ける孤高さは、今ひとつのピークへと向かいつつあると思う。今のカネコアヤノを、全員に観てもらいたい。絶対にだ!


2023年上半期ベストライブ 10

10位 5/20 Cornelius@CIRCLE’23

月の人 on Instagram: "【🏖️5.21CIRCLE’23 Day2🙆‍♂️】 2日目は日差しが痛いほどの快晴。体感では最多動員な大盛況。しかしもうほとんど夏フェスだったので、Spotifyのラウンジを利用しまくってしまった。 11:00- #君島大空 去年のラブシャスプリングで小雨に降られて観たのも神秘的で良かったけど、この気候で見ると白昼夢そのもののような魔力があった。全てがひとつづきのようなセトリも美しかった。最新アルバムの曲はどれも驚きと幻惑性があったし、「向こう髪」にはいつも泣いてしまう。 1.air vent 2.扉の夏 3.装置 4.向こう髪 5.世界はここで回るよ 6.19℃ 7.都合 8.遠視のコントラルト 11:45- #羊文学 とにかく強い曲たちを丁寧に並べるだけで完璧なセトリになってしまうというブレイクの真っ只中にいることを証明する50分だった。「永遠のブルー」や「あいまいでいいよ」が正しくアンセムになりつつあって、歴史の一瞬を目撃できている喜び。シメ方が骨太なのも最高! リハ:パーティーはすぐそこ リハ:mother 1.光るとき 2.永遠のブルー 3.FOOL 4.OOPARTS 5.マヨイガ 6.1999 7.あいまいでいいよ 8.夜を越えて 9.ワンダー 13:40- #落日飛車 このフェスに必要不可欠な細野晴臣エッセンスを存分に堪能できた。でもシンセとかサックスの使い方は90年代J-POPぽさとか、ニューミュージック感もあるし、テン年代東京インディーとの共鳴感もある。あらゆるノスタルジックが詰まっていて愛おしい。良いバンド知れた。 15:35- #ハナレグミ やっとピーカンの空の下で聴けた!完璧なシチュエーションのセトリ。「光と影」のレゲエバージョン、ものすごい包容力があって素晴らしかった。ドラムが伊藤大地の編成は初めて観たけど流石のグルーヴだった。そして野外フェスで眺める「家族の風景」は絶品。”幸“すぎる 1.光と影 2.My California 3.独自のLIFE 4.オハナレゲエ 5.オリビアを聴きながら 6.Spark 7.家族の風景 8.Quiet Light 17:30- EGO-WRAPPIN’ 福岡の音楽好きは5月にCIRCLEにエゴラッピンを観るのはもう恒例行事なわけですが、それにしたって凄まじい盛り上がり。これがいとCIRCLEではない、という大爆発セトリ。夕暮れ時「サニーサイドメロディー」は泣いてしまう。それ以降の容赦なさも含め、最高だった 1. NERVOUS BREAKDOWN 2.love scene 3.A Love Song 4.human beat 5.満ち汐のロマンス 6.サニーサイドメロディー 7.GO ACTION 8.くちばしにチェリー 9.サイコアナルシス 18:30- #原田郁子 こちらもCIRCLEのマスコット的存在。圧倒的安心のホームっぷり。祭りが終わる寂しさと「タイムライン」の情感にいきなり胸掴まれ、声のみのゲストとともに素晴らしいメドレーを奏でる。最後はRei harakami の音と谷川俊太郎の詩を交えた新曲を。境界を溶かす柔和さだ 1.タイムライン 2.やわらかくて きもちいい風 3.青い闇をまっさかさまにおちてゆく流れ星を知っている〜マホロボシヤ〜ハンキー パンキー〜甘い運命/お茶〜青い闇をまっさかさまにおちてゆく流れ星を知っている(with 青葉市子、永積タカシ vocal only) 4.いま、ここ(新曲) 19:25- #Cornelius ライブ、凄すぎるね?!生粋の小沢派もたまげる作品性の高さ!!映像に奉仕するような精緻な演奏なのに、なぜか溢れるエモーショナルさがあってゾクゾク。音楽は波形であり理論であるという前提を踏まえた上で徹底的に暴れさせてくれる。圧巻の大トリ。ひれ伏した。 1.MIC CHECK 3.POINT OF VIEW 3.火花 4.Audio Architecture 5.Another View Point 6.COUNT FIVE OR SIX 7.I Hate Hate 8.いつか / どこか 9.Cue 10.環境と心理 11.STAR FRUITS SURF RIDER 12.あなたがいるなら 初めての2日間参加、ハンパない疲労感とそれを上回る充実感。今年は2日行かなきゃ気が済まないラインナップだったと思うし、持ち時間も多いしもはやホームみたいなアーティストも多いので意外な曲も聴けてだいぶ嬉しかった。ケチらずに行き帰りをシャトルバスにしたのも正解。快適だった! #egowrappin #エゴラッピン #コーネリアス #CIRCLE10th #circle23 #海の中道海浜公園 #春フェス #フェス #野外フェス #福岡" May 21, 2023 - 27 likes, 0 comments - 月の人 (@moonshapemoon) on instagram.com


9位 2/12 ROTH BART BARON 『HOWL』Tour 2022-2023@名古屋BOTTOM LINE


8位 2/24 サニーデイ・サービス TOUR 2023@名古屋DIAMOND HALL

月の人 on Instagram: "【2月に観たライブ】(最後2動画音量注意!) 2.24 サニーデイ・サービス TOUR 2023@名古屋DIAMOND HALL 最新アルバム『DOKI DOKI』を中心にバッツバツに詰め込んだ2時間半。満腹。こんなに多幸感たっぷりでニコニコ聴ける音楽なのに、怖い、おぞましいとも感じさせてくるあのヒリヒリとした演奏、何なのだろう。シンプルな3ピースサウンドだけで生活の光景から宇宙の果てまで飛ばしてくれる無二のグルーヴ。 『DOKI DOKI』はライブで活きる曲ばかりだと実感した。「こわれそう」と「海辺のレストラン」は定番化して欲しい。テンポあげめな「ロンリー・プラネット・フォーエバー」にも昂った。セトリも鉄板をやや変えて、「セツナ」がとんでもない役割を担う事態になっていた。あの曲はもう、異次元の恐ろしさを帯び始めてると思う。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2.26 For Tracy Hyde “Hotel Insomnia” Release Party Last Live in Nagoya 2度目にして最後のフォトハイになってしまった。名古屋に引っ越さなかったら観る機会すらなかったかもしれないのか、と改めて。本当に目撃できて良かった。 1組目のBlurred City Lights、まずバンド名が良すぎますね、、、3ピースにして圧巻の爆裂轟音、だけど歌が真ん中にずっとあって心地いい。時にベースが鍵盤になったり、あくまでシューゲイザー的なアプローチは歌を際立たせるためにある、といった趣。「Girl’s Searchlight」の一節カバーも素敵だった。 2組目softsurf、こちらはトリプルギターのリッチなノイズの大洪水。淡々としたツインボーカルもあいまって、アッパーな曲でも蕩けそうになる。最後の曲、とんでもなかったな、トびそうになる。しかし名古屋はほんとシューゲイザー、ドリームポップが隆盛だ。去る前に知れて良かったバンドばかり。 そしてトリのFor Tracy Hydeは洗礼のような美しい轟音をくれた。これをもう聴けなくなる惜しさで胸いっぱいになりかけたけど、そんな感傷も飲み込んでいく暴力的なノイズ。とはいえ「繋ぐ日の青」はやっぱ泣けてしまった。この真っ直ぐで誠実で青臭いロマンチックさが際立つ夜。 アンコール以外は『Hotel Insomnia』のほぼ再現にあて、解散間際だけど最新作を最も格好良く響かせるライブをかましてたのがとても良かった。重たくて冷たくて、しかし麗しい音。ネットを介して生み出され、ネット上にファンが多いバンドとは思えない程の卓越した身体性があった。 1組目に出たBlurred City Lightsもリスペクトを捧げてたし、2組目のsoftsurfも対バンを喜んでたし、フォトハイの開拓してきた道を思ってグッときた。トドメの「Can’t Little Birds Remember?」のラスト、爆音に溺れそうになる超越体験だった。フォトハイが生み出してきたシューゲイザーの神秘性はきっとこれからも受け継がれ続けるのでしょう。 #ライブ #サニーデイサービス #DOKIDOKI #diamondhall #曽我部恵一 #DREAMWAVES #ForTracyHyde #HIFTH #フォトハイ #softsurf #BlurredCityLights #シューゲイザー #ドリームポップ" March 1, 2023 - 14 likes, 0 comments - 月の人 (@moonshapemoon) o instagram.com


7位 3/21 スカート ライヴツアー2023”SONGS” @名古屋CLUB QUATTRO

月の人 on Instagram: "※全部動画です 【3.21 スカート ライヴツアー2023”SONGS” @名古屋CLUB QUATTRO】 個人的には2018年の「遠い春」ツアー以来4年ぶりのスカートワンマン。昨年の名盤『SONGS』のレコ発でもあり、2020年の過去曲再録盤『アナザーストーリー』の弔い合戦でもあった。 全25曲のボリュームながら全く重たさはなし。コンパクトで格別な名曲が次々と現れ消えていく、名残惜しいくらいのペースがとても心地よかった。次々シーンが変わる、美しい映画を観てるよう。 『SONGS』の中だと「十月(いちおう捨てるけどとっておく)」のギターソロが爆映えしてたし、アコギに持ち変えての「窓辺にて」も鼻の奥にクる感傷をくれた。「海岸線再訪」も、最高に爽快! やるのかやらないのか、という思いを抱えていた「ODDTAXI」はPUNPEE氏なしでやってのけていた!なんと澤部さんがラップを披露。凄く良かったし、アンセムとしての華が桁違いだった。 過去曲も抜群。「セブンスター」と「おばけのピアノ」を序盤に出すという贅沢の極み。「静かな夜がいい」以降のファンク/ファストチューンメドレーが「ストーリー」に行き着く流れも熱すぎた。 アンコールラストの「ガール」まで終始良い曲しか存在しないライブだった。しなやかで分厚いグルーヴとグッドメロディがあれば良いライブが生まれる。その美学を真摯に突き詰める100分だった。 #ライブ #ライブ感想 #スカート #澤部渡 #佐藤優介 #岩崎なおみ #佐久間裕太 #シマダボーイ #名古屋 #名古屋clubquattro #名古屋クラブクアトロ #愛知 #スカートsongs #SONGS #アナザーストーリー #ODDTAXI #オッドタクシー #窓辺にて #さよならさよなら #十月 #いちおう捨てるけど取っておく #おばけのピアノ #セブンスター #静かな夜がいい #ストーリー #海岸線再訪 #ガール" March 21, 2023 - 13 likes, 0 comments - 月の人 (@moonshapemoon) instagram.com


6位 6.21 Galileo Galilei“Bee and The Whales” Tour 2023"@Zepp Fukuoka

月の人 on Instagram: "【🐝ネタバレあり感想🐳】 6.21 Galileo Galilei "Bee and The Whales" Tour 2023@ Zepp Fukuoka 7年ぶりの全国ツアー。最後にガリレオを観たのは2015年のbroken tower tour。実に8年ぶりの再会である。個人的には、閃光ライオットへで出会い、デビューの時期を目撃し、解散に至るまでの活動、そして再結成までをリアルタイムで知った最初のバンド。ドラムの尾崎和貴は同い年ゆえ、ずっと同時代を並走しているような存在だった。 ライブは素晴らしきカムバックアルバム『Bee and The Whales』のオープニングをなぞって始まった。昨年、ほぼ同じメンバーのBBHFのライブは見ているがそれでもやはり“Galileo Galilei”の看板を冠したことで生まれる思い入れは桁違い。小気味良いインスト「Swimming」を経て、いよいよ「リジー」からあの頃の”Galileo Galilei“との再会が始まっていく。 BBHFとの呼応性もある「恋の寿命」や「ウェンズデー」といった解散間際の楽曲は現役感たっぷりだったが、「僕から君へ」(!!)はまだ純然たる邦楽ギターロックを志向していた時期の曲ゆえ披露は驚きだった。しかし、気恥ずかしさはそれほどなく、むしろ詰め込まれた若き言葉とメロディは今のガリレオがフラットに演奏することで等身大の輝きを纏っているような気がした。 また、サックスのアレンジによって大きな変化を遂げた曲もあった。爆発力とアンセム感を強化した「バナナフィッシュの浜辺と黒い虹」は、この日1番の盛り上がりだったと思う。拳を突き上げるような曲にいつの間にか化けていた。心の中のガリレオガリレイが育ちすぎてるという懸念はあったが、彼ら自身が絶え間なく育ち続けていて、ノスタルジーを超越する新鮮味と興奮があった。 そして何せ新譜からの曲が素晴らしい。しなやかなエレクトロポップ「ピーターより愛を込めて」、清らかに澄んだ「色彩」。映像演出の工夫も相まって、単なる再結成お祝いツアーには決してしない高い志を感じた。ガリレオ史の中でも重要な「Birthday」と「星を落とす」が終盤を飾り、最後は解散を象徴する「Sea and The Darkness II (Totally Black) 」。闇を目撃してバンドを終えた曲がまさかこれから続く予感の曲になるとは。 アンコールでは大名曲「青い栞」が柔らかな空気を広げ、トドメに「夏空」が気分を2010年にまで飛ばしてくれた。青く瑞々しい曲だが、ここで歌われていることはそのまま今ガリレオが再始動する意味とも繋がっているような気がして無性に泣けてしまった。どんな過去もいつかきっと今を肯定してくれる。人生ってどこまでも楽しめるかも、ってガリレオが教えてくれるとは思わなかった。 1.ヘイヘイ 2.死んでくれ 3.Swimming 4.リジー 5. 恋の寿命 6.車輪の軸 7.僕から君へ 8.くそったれども 9.ウェンズデイ 10.ピーターより愛を込めて 11.バナナフィッシュの浜辺と黒い虹 12.あそぼ 13.燃える森と氷河 14.サークルゲーム 15.色彩 16.Birthday 17.星を落とす 18.Sea and The Darkness II (Totally Black) -encore- 19.青い栞 20.夏空 #音楽 #ロック #邦楽 #ライブ #ライブ日記 #イベントレポ #音楽コラム #バンド #GalileoGalilei #ガリレオガリレイ #BATW2023 #Beeandthewhales #ZeppFukuoka" 10 likes, 0 comments - moonshapemoon on June 22, 2023: "【🐝ネタバ instagram.com


5位 4/23 Base Ball Bear『Guitar! Guitar! Drum! Drum! Bass! Bass! 』@福岡DRUM Be-1

月の人 on Instagram: "【👹鬼ネタバレ感想🧌】 4.23 Base Ball Bear『Guitar! Guitar! Drum! Drum! Bass! Bass! 』 TOUR@福岡DRUM Be-1 久々の福岡DRUM Be-1にて武道館以来にBase Ball Bearを観る。福岡に帰って初めてのライブハウスがベボベなのは幸先が良い。ベボベを天神で観るのはお隣の1000人キャパのLOGOSだったんで、300人キャパのBe-1で観るというのはだいぶ新鮮。とても近い。 福岡で観るベボベはじっくり観る印象だなーとこれまで思っていたけど、声出し解禁もあいまってか今まで観た中で一番盛り上がっていたと思う。しかも史上最も渋い選曲なのに!ファン濃度の高い観客しかいないであろうという信頼を感じる21年目の裏ベストツアーだった。 序盤から柔らかく爽やかな「Shine On You Cypress Girl」や、どろどろした「透明26時」など奇抜な選曲が続く。日替わりで演奏されたのは2004年、インディーズ期らしいシンプルでたっぷりとしたロックナンバー「TRAGIC HEROINE」で、いよいよ訳が分からなかった。 「何才」(2014)みたいな、アルバムの文脈を取り外してまで演ることはないだろうと思しき曲もやってくれて、その結果として曲単体での良さを再発見もした。「BOYS MAY CRY」みたく隠れた人気曲もその機動力を遺憾なく発揮。曲の役割を再定義していくようなライブだ。 リズムの揺れに凝るメロウな「どうしよう」はかなりハイライト。過去作から掘り起こした曲は3ピースになってからのベボベには無い方向性を持ってる曲が多くて、まだ何も着手していないという次のアルバムに繋げるアイデア出し的な意味合いもあるのかな?と想像したり。 終盤は定番めの曲を積み、鉄壁の高揚感を作っていく。今日はレア曲も際立つと同時に、「今は君の目を見て」や「Girl Friend」の安心感も強く感じとれたゆえ、終盤に「DIARY KEY」や「yoakemae」が盤石の爆発力にとてもグッときた。今、何やっても最高のモードだと思う。 そしてアンコールにたまげた。大好きだけどライブで聴くことはないだろうと思っていた「Project blue」だよ、、天を仰いでしまった。小出氏の1本のギターで圧巻のシューゲイザーノイズを奏で、どっぷりとその厭世的な世界に身を浸せた。音源では逆再生のラストの歌詞、初めて聴けたよ、、胸に抱きしめておこう。 「short hair」でさっぱりとした余韻を残すラストも素晴らしかった。終盤の「short hair」、本当にグッとくる。自由な選曲で構成されたライブだからこそ、定番曲を意外な役割でシメるという捻ったアプローチに感嘆してしまった。アニバーサリーが過ぎても、飽くなきバンドの探究を続ける姿勢。やはり追うしかない存在だ。 #BaseBallBear #ベボベ #ギドべツアー #福岡drumbe1 #BBB #ライブ #ライブレポート #ライブ感想 #福岡" 16 likes, 0 comments - moonshapemoon on April 23, 2023: "【👹鬼ネ instagram.com


4位 5/14 UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2023 "Ninth Peel"@福岡サンパレス

月の人 on Instagram: "【🦝剥き出しネタバレ感想🍎】 5.14 UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2023『Ninth Peel』@福岡市民会館 9thアルバム『Ninth Peel』のレコ発ツアー。いつになく肩の力が抜けた印象だったアルバムだったが、ライブはやはり桁違いの熱量。ここぞ!でアルバム曲が飛び出すその構成はあまりに巧みで、過去曲との噛み合わせによって最高値を更新しまくっていた。 「シュガーソングとビターステップ」を2曲目で小品のように出す軽やかなオープニング。「City Peel」に連れ添う「静謐甘美秋暮抒情」のファンクネス。まだ「WINDOW開ける」で一気にハードでラウドな方向に持っていき、中盤の爆発的な流れに繋ぐのも素晴らしかった。 「シューゲイザー・スピーカー」や「MIDNIGHT JUNGLE」はリリース時に観た時もかなり盛り上がっていたが、いつの間にやらとんでもない必殺曲に育ち上がっていたのも興味深い。ユニゾンの曲は勝手に根付き、育ち、ライブの場でスパークすることを実感する。 中盤には「お人好しカメレオン」という驚きの選曲も。15周年記念ライブで1度だけ披露された曲だが、このツアーでは毎回入ってるようだ。このストレートな独白のような1曲は、素直な表現が増えた『Ninth Peel』のツアーだからこそ馴染めたのかも、と思った。逞しい響き方をしていた。 そして圧巻なのは本編ラスト2曲。攻撃的な電子音が渦巻く「カオスが極まる」でひたすらダークに危険な激しさを叩きつけ、温めきったフロアに「恋する惑星」がキラッキラの多幸感を巻き起こしたこの曲順。あの2曲を当たり前のように並べて、当たり前のように最高のエンディングを迎えるの、当たり前じゃなさすぎるから!ユニゾンがここまで積み上げてきたロックバンドのヤバさと面白さが全方位に解き放たれてて大興奮だった。 <セットリスト> 1.夢が覚めたら(at that river) 2.シュガーソングとビターステップ 3.ミレニアムハッピー・チェーンソーエッヂ 4.Nihil Pip Viper 5.City Peel 6.WINDOW開ける 7.静謐甘美秋暮抒情 8.シューゲイザースピーカー 9.アンチ・トレンディ・クラブ 10.MIDNIGHT JUNGLE 11.Phantom Joke 12.Numbness like a ginger 13.お人好しカメレオン (Drum Solo) 14.スペースシャトル・ララバイ 15.放課後マリアージュ 16.徹頭徹尾夜な夜なドライブ 17.カオスが極まる 18.恋する惑星 (アンコール) 19.ガリレオのショーケース 20.kaleido proud fiesta #unisonsquaregarden #ユニゾンスクエアガーデン #NinthPeel #USG2023 #ライブレポート #ライブ感想 #福岡 #福岡市民会館" 2 likes, 0 comments - moonshapemoon on May 14, 2023: "【🦝剥き出しネ instagram.com


3位 3/11 ハンブレッダーズ 「ヤバすぎるワンマンツアー」@名古屋市公会堂


2位 2/20 カネコアヤノ Zepp Tour 2023”タオルケットは穏やかな”@ Zepp Nagoya

月の人 on Instagram: "【カネコアヤノ Zepp Tour 2023”タオルケットは穏やかな”@ Zepp Nagoya 】 昨年、長年メンバーだったドラムが変わってからは初めて観た。カネコアヤノのライブと言えばひたすら粛々と曲を連ねるスタイルで、それがだんだん熱を帯びていくのが良さだったけど、今回はその没入感を可能な限り引き上げるような時間の作り方だった。 最新アルバム『タオルケットは穏やかな』はノイズをふんだんに用いたアレンジが新鮮だったが、ライブではそれをさらに発展させていたし、「愛のままを」のような過去曲もそのモードに再編曲されていたり、常に新鮮さに満ちていた。 これはやはり新ドラマーHikari Sakashita(San hb)の存在ゆえだろう。骨太なパワフルさとともに繊細な出力も合わせもったかなりの巧者で、カネコアヤノのライブには貴重なドラムソロの時間もあった。『燦々』からの選曲が多かったのだけど、あのアルバムの溌溂としたムードにもばっちり合っていた。 ハイライトは終盤、「月明かり」以降のサイケデリックで陶酔感溢れる時間。「もしも」は最後のフレーズを誇張抜きに8分くらい繰り返し、トロトロになってしまった。ゆらゆら帝国に今最も接近しているグルーヴではないだろうか。曲ごとの隔たりもなくなって、ひとつづきの音にひたすら身を委ねるみたいな時間。幸福だった。 最終盤、大好きだけど今までライブで聴いたことのなかった「退屈な日々にさようならを」が突如披露されて大泣きしてしまった。まだアーティストとしての方向性が定まる前の曲だと思うが、それゆえの荒さやスケール感に今こそグッときてしまった。 ドラマー変更という事態から1年足らずで、バンドをまったく別の化け物に仕上げてしまったこの4人。あまりにも素晴らしい演奏で、最後の方は何も考えらずに食い入るように観ていた。”音楽と私“みたいな、純粋すぎる精神領域に飛ばされたの初めてだったな。またそこに行きたいな、カネコアヤノのライブでなら、行けてしまう。 #音楽 #ロック #邦楽 #ライブ #ライブ日記 #イベントレポ #音楽コラム #バンド #歌手 #シンガー #フォーク #カネコアヤノ #タオルケットは穏やかな #ZeppNagoya #名古屋" 29 likes, 1 comments - moonshapemoon on February 20, 2023: "【 instagram.com


1位 5/26 カネコアヤノHall Tour 2023 ”タオルケットは穏やかな”@福岡市⺠会館 ⼤ホール

月の人 on Instagram: "【🐈ネタバレ感想🛌】 「カネコアヤノ Hall Tour 2023 “タオルケットは穏やかな”」@福岡市民会館 1月にZepp Nagoyaで観て以来のカネコアヤノ 。滅多に同じツアー内でリピートしない月の人が、観終わってから速攻で福岡のホール編のチケットを取ることを決意した、開演前からとんでもねえツアーなので、ワクワクが止まらなかった。 結果まぁ本当に、、凄すぎる。もう凄いとしか言いようがないのだけど、本当に凄い。これですか、いわゆる語彙を失うというのは。ベーシストが飯塚拓野に変わってから1ヶ月、突貫工事の演奏だったらどうしようと思っていたけど杞憂だった。 アルバム『タオルケットは穏やかな』、そしてZeppツアーを経て、シューゲイザー的なサウンドメイクへの傾倒を続けていたカネコアヤノ。今回、特にセットリスト後半はその方向性に完全に振り切って圧倒的な轟音を浴びせてくれた。 ライブで初めて聴けた「ゆくえ」のどろりとした質感を引き継ぎ、「もしも」がサイケなループを繰り返し、長い後奏を経て「車窓より」で真っ赤なライティングがステージを染め上げるシーン。中盤にこうした統一感のある流れがあるのは新鮮だった。 そこからHikari Sakashitaの派手さはないのに爆発力だけが持続するドラムソロにパスする流れ。BPMも前後の曲とはかなり異なり、その配置の理由は全く分からないのだが、意味を超えてとてつもないものを目撃しているという気分になった。 そして「月明かり」から「抱擁」へ繋がるあの間合いは息を呑むしかない美しさがあった。「抱擁」はもっと鳴るべき曲だと思っていたからこそ、完璧な連なりにゾクゾクきた。ここまでアンビエントさの中に轟音を交えてきたが局面が変わる。 白眉は「こんな日に限って」だろう。アルバムでは軽快さを担う曲だったが、このツアーでは表情を変え、たっぷりとした間合いと爆裂な演奏を背負った化け物のような楽曲に仕上がっていた。もうこのあたりから、ポカンとした顔で見つめていた。 そしてラスト、「わたしたちへ」。まばゆい光と、強烈なフィードバックノイズ、そして気高いメロディと歌。最後はドラムスティックがぶっ飛ぶほどに、途方もない爆音を奏でてエンド。ノることすら余分に思え、ひたすら見つめ続けてしまった。 ユースカルチャーの中心人物、近年の日常系エモのアイコンなどなど、雑に括られ消費されかねない現状に対し、この圧倒的な歌と音で抵抗する姿はあまりにも逞しい。常に、周囲を置き去りにし続ける孤高さ。フジロックの中継でバレる前に、みなさん観ておくべきだと思う。 #音楽 #ロック #邦楽 #ライブ #ライブ日記 #イベントレポ #音楽コラム #バンド #歌手 #シンガー #フォーク #カネコアヤノ #タオルケットは穏やかな #シューゲイザー #ノイズ #アンビエント #福岡 #福岡市民会館" 18 likes, 2 comments - moonshapemoon on May 26, 2023: "【🐈ネタバレ instagram.com


#コンテンツ会議 #コラム #エッセイ #備忘録 #ライブ #ロック #ライブレポート #ライブレポ #イベントレポ #カネコアヤノ #ハンブレッダーズ #unisonsquaregarden #baseballbear #スカート #サニーデイサービス #rothbartbaron #Cornelius #CIRCLE

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