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#123 シンプルな論理思考! 「考える」と「学ぶ」の違いとは?

あの人はなぜ東大卒に勝てるのか〜論理思考のシンプルな本質〜

今日はこちらの本をアウトプットしていきます。

従来重視されてきたのは知識を身に着ける「学ぶ」力。
現在重視されてきているのは知識を加工し発想する「考える」力。

知識の下克上を巻き起こすための「考える」力について述べた本です。

~目次~
この本を選んだ背景
忙しい人のためのサマリ
前提:「考える」とは?
ビジネスの競合に勝つために「考える」
「考える」ときに陥りがちな「バカの壁」
情報量を高めるには?
加工率を高めるには?
発想率を高めるには?
「考える」=「書く」
発想の質を高める具体的手法
結論思考の情報収集術
ToDo

この本を選んだ背景

論理的思考について一度しっかりとした本で学びたいと感じたから。わかりにくい、伝わりにくいと言われる機会が多いため。

忙しい人のためのサマリ

・「考える」と「学ぶ」は違う。多くの人が「学ぶ」はできて「考える」が足りない
・ビジネスの競合に勝つために、「自分も発想し得たが、競合の方が発想が早かった(しまった)」を減らす
・「考える」ときに「限られた範囲の内を考えている」「その範囲の外がある」と気づいていない人が多い
・発想の質≒発想の広さ=①情報量✕②加工率✕③発想率
・①情報量:総量だけなく多様性も大事
・②加工率:知識を学ぶときは成り立ちまで含めて学び、知恵に落とし込む
・③発想率:チェックリストで発想の漏れを防ぎ、網羅的に広く考える
・「とりあえず情報収集」はNG。情報収集は「答えを検証する・補強するための材料」。仮説を具体的に考えてから行う。

前提:「考える」とは?

公式に当てはめても考えたとは言えない。公式やフレームワークなどに当てはめることとその公式そのものを見出すことは全く別物。

学ぶ:既存のフレーム枠に当てはめて答えを導く
考える:自分で作ったフレームワークから答えを導く

「考える」をすすめる理由
①学ぶの競合が増えている(人材のグローバル化)
②学ぶの価値が下がっている(知識の大衆化)
例)ネットでかんたんに情報が手に入る

ビジネスの競合に勝つために「考える」

フレームワークに当てはめるだけでは競合には勝てない。学ぶことで獲得した優位はもろく、すぐに埋められる。

競合に思考力で打ち勝つには?
思考の成果、つまり発想(アイデア)において相手よりも優位に立つ。

競合に負けるときの3パターン
①自分も発想していたが、競合の方が実行が早かった(実行面の敗北)
②自分も発想し得たが、競合の方が発想が早かった(惜敗 しまった
③自分にはまず発想し得ないくらい、競合の発想が優れていた(完敗 まいった)

②は回避できたはずのもの。9割以上の敗北がこれ。なぜなら、人は「自分と同じ潜在レベルを持った人たちがいる戦場」に集まるから。まずは「しまった」を減らすことこそがあなたの勝率を高める上で最も効率がいい。

アイデアの広さがないと、アイデアの質が高まらない。同じ期間でアイデアを考える場合、スピードは速ければ速いほどよい。

「考える」ときに陥りがちな「バカの壁」

バカの壁とは?
壁というのは思考の対象になっている範囲となっていない範囲とを隔てるもの。馬鹿というのはその壁が「見えていない・意識されていない」ということを意味している。「自分が考えてる範囲が全てだ」と思い込んでいる状態。

すなわち、
①限られた範囲の内を考えていることに気づいていない
②その範囲の外があるということに気づいていない

アイデアの数を増やし発想の質を高めるためには、このバカの壁を意識化することが欠かせない。

そのためにフレームワークがある。フレームワーク思考の本質は、意識的に狭く考えること。天才でない凡人の発想には「バカの壁」が入るのは前提である。境界線を意識することで発想の漏れを減らし、自分たちの発想を天才に近づけることはできる。

「発想のしまった=うっかり忘れ」ともいえる。

完全に頭の中に情報がない、つまり何を忘れているのか自体も分からない状況はさておき、情報やアイデアは頭の中にあるけれど、それを引き出せない状態が問題である。

「発想のしまった」を減らすために、発想の質を高める必要がある。発想の質は以下のような公式から成る。

発想の質≒発想の広さ=①情報量✕②加工率✕③発想率
①情報量「アイデアの素材がどれくらい頭の中にあるか」
②加工率「素材はどれくらい潜在的アイデアに加工できているか」
③発想率「潜在的なアイデアをどれくらい顕在化できているか」

情報量を高めるには?

・総量を増やすよりも多様性を広げる
本を読むこと、セミナーに行くことなどには必ず前提がある。ここにも「バカの壁」が入り込んでいるはずだ。無意識に情報が入ってくる受動的な状態こそ知識の幅が広がる(情報流入)。

例えば、友人や記事がおすすめする本を片っ端から読んでみる(選り好みせず)。

情報流入の目的は「知識の食わず嫌いをなくす」こと。短期的な効果を期待してはいけない。長期的なメリットを期待しながら、日常習慣に取り入れるのが合理的。

加工率を高めるには?

知識で終わらせず、知恵へと深める
知恵のある人は初めて学ぶときに、その知識の成り立ちまで含めて学ぶ。知識は一旦学ばれると、固定化され、他の知識と結びつきづらくなる。成り立ち、理由まで含めて理解された知識のことを知恵と呼べる。

新しい事象や知識に直面した時には Why?が欠かせない。ビジネスのフレームワークなどを学ぶときには、Why?と考えてみよう。より実践的に扱えるようになる。

一度学んでしまった知識について、もう一度Why?を差し込むチャンスを得たければ、それを他人に教えるという方法も検討するとよい。

発想率を高めるには?

チェックリストこそが最も確実なツール。発想の漏れを防ぎ、網羅的に広く考えることができる。

優れたチェックリストとは
・項目に漏れがない
・項目ができるだけ具体的である

漏れを防ぐには?
段階的に項目を分ける。分解を繰り返していくと、一つの大きな項目がツリー上にどんどん枝分かれしていく。

※これだけではただのチェックリスト。

具体的なアイデアにはどうたどり着くのか?
ロジックを超えることが必要になってくる。チェックリストで思考の範囲を絞り込んだあとには、直感が欠かせない。

ツリーとは論理思考によってチェックリストを作り、直感の適用対象を極限まで広げた結果にほかならない。

よく言われるMECEとは違う点

MECEとは
Mutually / Exclusive / Collectively / Exhaustive
の頭文字をとったもの。日本語に訳すと、「互いに / モレがなく / 全体に / ダブりがない」という意味。MECEを活用することによって、正しく全体像を捉えているかどうかを認識することができる。

・ダブリを許容
競合に勝つことに特化した場合、漏れを防ぐことに注力すべきで、ダブリはそこまで心配する必要ない。
・発想を広げることを目的としている
問題をツリー状に整然と分類することが目的ではない。ツリーの分解は不完全でも構わない。ある程度にまで分解したところで、自分の発想の見落としに気づけたのであれば、そのツリーには十分な意味があったことになる。
ビジネスはスピード勝負なので、ツリーを枝分かれさせる過程で「バカの壁」を発見できればそれで良い。

速さを追求する、という意味では他人が作ってくれたフレームワークを利用しない手はない。世の中に出回るフレームワークは「マーケティングに必要な要素をMECEに分けてくれる境界線」として一定の信頼を得ている。これらの本質はチェックリスト。原因や解決策を見落とす可能性を減らせる。ただし、これらのフレームワークは事象を「最上流」で分解するもので、まったく具体的ではない。そこからさらにMECEで分解を進める必要がある。

「考える」=「書く」

「バカの壁」が入らないように境界線を入れるというのは、言葉をはっきりさせて考えるということである。自分が考えている範囲の内と外を言葉という境界線によってはっきりさせる。

論理思考の本質とは、言葉が本来持っている境界線としての機能を最大限に発揮させて発想を広げ、競合が見落としているアイデアを先に引き出すこと。

論理思考には2つの側面がある。
・筋道を明確にして考えること
・言葉を明確にして考えること

言葉を明確にするとは?
・対象を言葉にする(イメージでとらえず言語化する)
・言葉の輪郭をはっきりさせる(言葉の意味を曖昧なまま放置しない)

筋道の点でも非常にロジカルである必要があるが、何よりもそれを構成する部品(言葉)がしっかりと定義されている必要がある
論理思考とは言葉を部品としながら筋道をつけていく発想。

発想の質を高める具体的手法

<ロジックツリー>
1.Why型ツリー:問題は分解し、原因を探る
横方向に因果関係を展開していく
2.How型ツリー:課題を分解し、解決策をさぐる
横方向に「どうやって?」という手段を展開していく
3.What型ツリー:集合を分解し、要素を洗い出す
1.2.以外のツリー。例えば「どんな自動車がある?」など。

MECEに考えるときの具体的なステップ
①ひとまず直感だけでアイデアを出す
ひとまずの思いつきを紙にどんどんアウトプットしていく。
②大きな塊からMECEに分解
上流で分解する軸を探す。分けるときには境界線をはっきりとさせる。軸や境界線もまずは直感で良い。
③下流からも考えてみる
①で出た直感のアイデアは、より具体的なものであること(下流)が多い。この小さな塊からMECEに分けられる可能性があり、それをきっかけとしてより上流の軸を探していく。

<計算アプローチ>
MECE分解をする時に使える。何と何の和・差・積・商なのか?を考える

和の例
・対立概念(例、国内と海外)
・定量化(例、金額、時間)
差の例
・利益=売上−コスト
積の例
・売上=販売数量✕販売単価
商の例
・市場シェア=その会社の売上÷市場全体の売上

<言葉の力を高める>
・力を高めたいなら意識を変える(能力✕意識)
・正しい文章をインプットする(文章が論理的かどうかを判断するため) 刑法は極度の論理性が求められるため、おすすめ。
箇条書きメモは必ずノート化する(バカの壁が入らないように、愚直に手を動かして相手の話をメモする。箇条書き、矢印を使っても構わない。相手が考えていないことまで気がつける。正しいメモは箇条書きのままに放置せず、後で接続詞を使った文章としてまとめなおす習慣をつけよう。矢印、箇条書き=イメージでとらえている。)
・パワポの前にワードを起動
パワポは文字情報よりもイメージによる伝達に最適。イメージによる思考では「バカの壁」が入りこみやすい。まずは、ワードで自分が伝えようとすることを接続詞を使った文章の形に組み立てる。

結論思考の情報収集術

具体的な情報収集に先立って持っている答えを「結論仮説」と呼ぶことにする。何らかの「結論仮説」がない限り情報収集は成立しない。「ひとまず情報収集」をやるとプロジェクトは失敗する。

なぜか?

結論仮説が潜在的
・仮説が見えていないのでチーム内で共有されていない
・仮説が見えていないので仮説の価値が検討されていない
結論仮説が不明確
・情報収集すべき範囲が曖昧なので漏れが生じる
・情報収集すべき範囲が曖昧なので余分が混入する

すなわち、情報収集をしようと思ったら、まずは結論仮説をはっきりとした形で顕在化させるべきなのである。リーダーが潜在的に持っていた結論仮説を裏付けるための情報だけでは質の高いアイデアになることはない。自分の「結論仮説」を徹底的に考えることが必要。

情報収集はあなたの答えを作るための素材というよりは、あなたの答えを検証する・補強するための材料だということ。時間が許す限り、「結論仮説」と情報とが整合性を持つまで、この仮説と検証を繰り返す。

この情報収集のメリット
集めるべき情報が明確なので、情報収集の無駄を一気に減らせる

ToDo

・サービス運営に最低限必要な情報は先輩方から「学ぶ」

・情報収集では仮説を具体的に立てながら、効率よく行う

SezakiN


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