宮村 【セツコの豪遊】

セツコの豪遊という劇団で主宰をしています、宮村です。 演劇ができないフラストレーション…

宮村 【セツコの豪遊】

セツコの豪遊という劇団で主宰をしています、宮村です。 演劇ができないフラストレーションからか、放埒に短編小説などを書いていた時代もありましたが、やっと正気に戻りました。演劇楽しい。

最近の記事

  • 固定された記事

身の程を知りつつ

※これから心機一転頑張るぞ!などと鼻息荒めの方におかれましては、息の根にご注意の上お読みください。もしくは読まないことを推奨します。 物騒な書き出しになっちゃいましたが、 内容は、「本公演の台本を書き下ろさなかった理由」です。(過去4回の本公演は全て、自分で書き下ろしてました。) 私事ですが、今年30歳になりました。 演劇は、中高の部活も含めると、14年くらいやってます。もうすぐ演劇生活が人生の半分を占めます。うへぇ。 といっても、 私にとって演劇は生業ではなく。 収益

    • ひとり芝居舐めんな

      オラオラオラオラ。パラリラパラリラ。 いよいよ今月から、APOCひとり芝居フェスティバルが始まります。なんと今年で10周年!パフパフ! なにそれ?という方を誘うべく、筆を取りました!ひとり芝居舐めててもいいです、一旦、寄っといで! ひとり芝居って何? 簡単に言えば文字通り1人でやるお芝居なのですが、、、どういう出し物かと問われると難しい! 1人舞台?目立ちたがり屋ばかり集まってるのか?というと、そうでもない。むしろ逆ではないか。 ひとりで舞台に立つことの恐れ多さをよくわ

      • 恥と潔さの板挟み

        ※この文章には、ちくちく言葉どころか、ざくざくグサグサずぶずぶ言葉が多量に含まれております。真剣白刃取りに挑む覚悟でお読みください。 売れてない劇団の、大して人気もない役者が、壮大なテーマの芝居に挑む、そういうのを物凄く恥ずかしいと思う感覚がある。 私なんぞにつとまるはずもありませんが、精一杯やらせていただきます? 知らんがな、で、面白いのんかいな、と思ってしまう。 上のように思ってしまう私が、来年、右翼だの左翼だの男だの女だの人間だのという演劇をやる。 演目は、三好十

        • スジ

          ※来年3月に上演予定の舞台「殺意 ストリップショウ」に関する文です。けっこう、知らんがな、な内容ですが、ちょっとスジ通しておきたいことがあり。。 この作品に挑戦するのは、実は今回で2回目です。 1回目は、一昨年3月の、 Ito・M・Studio演技研究クラスの公演でした。 が、そのときは…客演という形で、ありとあらゆることをお膳立てされた状態で、オイシイところだけ演らせてもらったのです。2時間にわたる長編ひとり芝居を3人の女優で分担して、クライマックスを私が。。 自分

          第五回本公演 開場中の上演台本

          この記事は、先日(23/07/15-17)終演した セツコの豪遊第五回本公演『授業』の、開場〜開演までの記録です。 なぜそんなものを残すのか。 開場中の居心地が良かったと褒められたからです。 自分用備忘録 兼 他の劇団さんのホスピタリティ向上に役立てれば幸いです。 ご来場が叶わなかった方でも楽しめるよう、脚本風(?)に書きます。 +-×+-×+-×+-×+-×+-× 急坂の上にあるスタジオ。 殺人的な炎天下。 予定している開場時刻の5分前。 すでにスタジオの入り口

          第五回本公演 開場中の上演台本

          第五回本公演を終えて

          終わった芝居についてゴチャゴチャ述べるのが好きではないので、演出意図とか作品に関する系は一切書きません。すごく低レベルな話です。 劇団 セツコの豪遊 主宰たる私は、 本公演の動員を増やすためにひとり芝居を始めた…つもりが、ここ最近、ひとり芝居の方が人気になりつつあり。。贅沢な話ですが、不本意でした、すこし。 でも、もしやと、思い当たるフシがあり。。 おそらく私は、他人に対してすぐ諦めがちなのです。「いいよいいよ」が口癖で。 そもそも、あまり期待もしない。万が一期待して裏

          第五回本公演を終えて

          フリーカンパの理由

          私の劇団では、毎回フリーカンパで公演を打っています。 フリーカンパとは、入場無料の投げ銭制のこと。つまり、払いたくならなければ1円も払わずに観られます。 と、言うと聞こえが良いかもしれませんが、、、 このシステム、実は観客からニガテだと言われることが多くて。正直、入場料を固定するよりも、集客が難しいのです。。 敬遠される方は、フリーカンパと聞いて、次のように感じるのではないでしょうか。  「安かろう悪かろう」  「いくら払うか試される気がして怖い」  「帰り際にカンパ箱

          フリーカンパの理由

          辛口観劇人が書くつまらない芝居の楽しみ方

          みたいな、あからさまなタイトルの漫画、増えましたよね、最近。電車のドアの小さい広告でよく見かけるんですけど。。 『なんちゃらが転生してうんぬんかんぬん』とか 『最強のうんたらかんたらがどーのこーの』とか… 長い。タイトルが。もはや要約じゃんか。助詞を使うんじゃないよ。と、 タイトル観ただけで内容わかる創作物全般を、私は毛嫌いしてるのですが、 イマドキはこのくらいわかりやすくしないと売れないらしい。自分好みの作品だけ手に取れるように。。 これがホントだとしたら、演劇はめち

          辛口観劇人が書くつまらない芝居の楽しみ方

          【所感】ラーメンにG

          セツコの豪遊という劇団でお芝居をしている宮村です。 コロナ禍に入ってから、「感染対策」という名目で、ひとり芝居ばかりやってきました。 いや、最初は本当にそうだったんですけど、途中から、「楽だから」という理由にすり替わっていた気がします。 例えば、 脚本を開演間際まで推敲してたって、誰も迷惑しないし 下手したら怪我をするかもな、という演出をつけたって、誰も迷惑しないし 本番で客席の空気をみながら多少演技を変えたって誰も迷惑しないし… みたいなことが積み重なって、ギリ

          【所感】ラーメンにG

          まじわる

          排水口に目をやると、長い髪の毛が数本絡まっていた。 間違いなくさっきの女だ。やはり僕の目に狂いはなかった。 ついさっき出て行ったその女を、僕は3万プラスいくらかで買った。僕は基本的に、値段は一番大きい桁しか見ない。金額を前に目玉が右往左往するのは、みっともなくて嫌だ。後ろめたい買い物なら、なおさら。まあそんなことはどうでもいい。 派遣されてきたのは、3万円だろうが3万9千円だろうが、どうでもよくなるような女だった。 例えるなら、フローラルな香りのおしゃれ着用洗剤で洗っ

          欲望の余り

          今、今の今まで見ていた夢。ものすごかった。 強烈な快感の余韻が残っている。 なのに、内容が一切思い出せない。 なんとなく、美女が出てきたような気がする。 そうでなければ、この身体に籠った熱とか、肌着をぴたぴたさせる汗は不釣り合いだ。 どんな女だったか。走って追いかけたくなるような女だったのかもしれない。なんだか全身、走り出したくなるほど漲っている。 ポニーテールの、タンクトップの、スポーツドリンクみたいな女のイメージが駆け抜けた。 でも、ちょっと安直な気もするな

          つめかえ

          「つめかえてもいいなら…」と彼女は言った。 「どういうこと?」と聞くと彼女は、「つめかえてもいいなら、いいよ。」と、「いいよ。」に力を込めて答えた。 「いや、つめかえるっていうのは?」と聞き直すと彼女は、黙って部屋を出て、5分くらいで戻ってきた。マネキンを抱えて。 「これにつめかえるの、あなたを。」 意味がわからなかった。 でも彼女の顔は真剣だ。これ以上聞いても無駄なんだろうと悟った僕は、黙って、「つめかえられてもいいか」どうか検討することにした。 たしかに僕は、

          業務用冷蔵庫みたいなコート

          流行の、業務用冷蔵庫みたいなコート。 肩幅から足元までズドンと伸びたデザインの。 それを今、私の前を歩く女の子が着ている。小柄な女の子だ。 ずんぐりしたコートの下で、黒いタイツの細い足首がちょこちょこ動いていて、すずめっぽい。 なぜ彼女を観察しているかというと、私の行手を遮ってるからだ。 いま私は、人ひとり通るのがギリギリな、狭い道を歩いている。そして、私の2メートルくらい先を、すずめ(みたいな女の子)が歩いているというシチュエーション。実はこの2メートルを保つため

          業務用冷蔵庫みたいなコート

          演劇を好きって言うのを怠けたツケ

          演劇に興味のない人に対して、「演劇が好きだ」と言うのを避けてきました。 趣味を訊かれたら、ほぼ百パーセント、「映画」って答えます。 なぜか。 「演劇」の話題で盛り上げられる自信がないから、です。 個人的経験則に基づく推論ですが、演劇を見ない人って、「ロミジュリ」、「劇団四季」、くらいしか思い浮かばないのではないでしょうか。 平田オリザって、ロシア系の美少女かと思っちゃいますよね。(?) それだけならまだしも…、「演劇やってる」って言っただけで、まるで恥部を晒したみ

          演劇を好きって言うのを怠けたツケ

          あっぱれ ラブリーチャーミーな敵役

          ※ものすごい真面目に書きます。覚悟して読んでください。 ※といっても、ファン歴1ヶ月未満のミーハーなので、勉強不足な部分もあるかもしれません。 ラブリーチャーミーな敵役とは。 アニメ ポケットモンスターに登場する悪役『ロケット団』が自称するキャッチコピーであります。 このロケット団が、いかに素晴らしいキャラクターであるか、 以下に滔々と書きなぐります。 1. 愛が正義か 正義が悪か まず、悪役なのにあんまり悪いやつじゃない。 たまたま悪の組織に行き着いた、不器

          あっぱれ ラブリーチャーミーな敵役

          『ウロウロ』

          薄暗い、青い空間。 正面を向いて、遠くを見つめて、若者が立っている。 若者「ハア。」 間。 若者、一歩前進して、手を前に伸ばす。が、その腕は完全に伸び切らず、見えない壁に触れて止まる。若者はその壁を撫でる。 若者「ハア。」 老婆「うるさいよ。」 舞台奥から老婆が出てくる。 若者「ハア、すみません。」 老婆、再び奥に戻っていく。 間。 若者「ハア。」 老婆「うるさい。」 再び老婆登場。 若者「ハア、すみません。」 老婆「眠れないのか。」 若者「は