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あっぱれ ラブリーチャーミーな敵役
※ものすごい真面目に書きます。覚悟して読んでください。
※といっても、ファン歴1ヶ月未満のミーハーなので、勉強不足な部分もあるかもしれません。
ラブリーチャーミーな敵役とは。
アニメ ポケットモンスターに登場する悪役『ロケット団』が自称するキャッチコピーであります。
このロケット団が、いかに素晴らしいキャラクターであるか、
以下に滔々と書きなぐります。
1. 愛が正義か 正義が悪か
まず、悪役なのにあんまり悪いやつじゃない。
たまたま悪の組織に行き着いた、不器用な生き方の人たちとして描かれている(と感じます)。
コジロウは、大富豪の御曹司として生まれ→堅苦しい上流社会と意地悪な許嫁から逃げ→エリート学校に落ち→チャリンコ暴走族に入り→ロケット団に行き着く。
ムサシは、貧乏な家に生まれ(雪に醤油をかけて食べるくらい貧乏)→看護学校で挫折し→チャリンコ暴走族に入り→ロケット団に行き着く。
ニャースは、みなしごポケモン→食い扶持を求めて上京→金持ちのペットに一目惚れ→彼女の気を引こうとして間違った努力(二足歩行と人間語の習得)→失恋→人間を凌ぐ悪を目指す→ロケット団に行き着く。
…すごい厚みで描かれていると思いませんか。
人間って、人生って、小さな拗れがどうあがいても解消できなくて、もがけばもがくほどこんがらがってしまうこと、ありますよね…。テネシー・ウィリアムズの戯曲みたいだ。う、涙出てきた。
でもここで泣いたら、彼らに失礼なのです。
性根が腐った悪党もいるなか、彼らは常に腐らず、主役の座を狙っているから。
『どんでん返しのカラクリ芝居 見てろ我らが主役のドラマ』
↑キャラソンの歌詞
悲劇のヒロインには魅力がないと常々思っていて。だから、お涙頂戴しない彼らのスタンス、めちゃめちゃリスペクトしてしまう。
2. サラリーマンの哀愁
子供向けアニメとは思えないほど、ロケット団という組織は、現代社会の大企業に似ている(※ロケット団は、上記3人以外にも大勢いる、巨大な悪の組織)。
給料や昇進という概念があり、メカを作るにもいちいち予算を組んでいる(ガバガバだけど)。
何よりも、なかなか成果を挙げられずに経費ばかり使う上の3人組が、だんだんと組織で虐げられ、ついには忘れ去られていく様子が生々しい。机は窓際、という風情。
上記3人以外のロケット団員は、成果を挙げる(=ポケモン強奪)ために手段を選ばず、容赦無く冷酷に事を運ぶ。
ところがこの3人は、やり方がやたら正々堂々としている。せっかく変装しても、すぐ名乗りを上げてしまうし。というか、そもそも元のビジュアルが目立ちたがり屋すぎる。信号機みたいな色づかい。。
でも!手っ取り早い方法を採択せず、自分の美学とセオリーを大切にしながら結果を出そうと奮闘する様子は、どこか応援したくなります。
次々と企業の不正が明るみに出て、同調圧力の恐ろしさにみんなが気づき始めた昨今。それを、20年も前に作られたアニメが示唆していたとしたら…。というのは流石に考えすぎか。
3. みんなちがって みんな仲良し
イラストの通り、この3人組は男と女とポケモンで構成されている、生物学的に異なる生き物の寄せ集めです。
さらに、極端な坊ちゃん育ちと極端な貧乏育ちという違いも。
でも、それを感じさせないくらい仲良しで、お互いに遠慮がない。
遠慮なく喧嘩するし、抱きつくし、言いたいことを言い合う。
たまに、コジロウとムサシが一緒に着替えていたりするとハッとするけど、でも、本当に忙しいときって、ンなこと構ってられないもんだよなと納得する。実際、演劇やってて、狭い楽屋で早着替えするときなんか、男も女も関係ない。(と、私は思っているけど個人差あるのは重々承知)
ニャースも、自分がポケモンであることを忘れてしまうくらい、2人から仲間として対等に扱われている。ごはんも3人で分ける。胸熱。
私がこういうことに敏感になってしまうのは、女子校を経て、男社会に殴り込んでオラオラ金稼ぎしていたせいなのかなあ。
努力しても難しい理想形だと思うから、涙出るほど羨ましい。
わお、おセンチ。やなかんじー!てやんでバーロー、お涙頂戴すんなってからに。
口直しに、いちばん好きなセリフを書いておこう。
「人に言えないことが誰にも一つや二つ確かにあるさ。」
「だけど進むは悪の道。通う心は似た者同士。」
「様子を見れば何かがわかる。」
「土壇場修羅場は見て取れる。」
「なんにも聞かず、助っ人するのが人の道。」
「友達じゃないの、ネッ。」
(エピソード72『ニャースのあいうえお』より抜粋)
泣く。
以上。いや、まだ語れるけど、そろそろ引かれるからやめとこうっと。
おしまい
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