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【Iパス充実の15問】ITサービスマネジメント(サポートデスク/ヘルプセンタ)の出題は「2分野」に増えた

サービデスク・コールセンターは、令和以前からITサービスマネジメントの事例として、安定して2問は出ていました。

そして、近年はAI事例も追加され、合計2~4問も出るように。

このNoteでは、2つに整理にした対策をします。

  • サービスマネジメント(ITIL)

  • AIの活用事例(チャットボット)

サービデスク・コールセンターなどのサポート職の問題は、IT未経験者でも利用者・担当者の想像がしやすく、解きやすいです。

基本情報技術者より高度な資格でも得点源になるため、ぜひITパスポートのうちに土台を作っておきましょう。

なお、このNoteは私が専門学校で教えてきた指導経験と970点合格をした実績に基づいていますので、ちょっとでも信用してくれたら嬉しいです。

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サービスマネジメント1:ITIL

ITILは、ITサービスマネジメントのベストプラクティス(実践集)です。

WebサービスやネットワークサービスなどのITサービスにおいて「お客さんに安定に提供し、お客さんからの不具合の問い合わせにどう対応していくか」というイメージでOKです。

ITILのキーワードは2つだけ。

  • ITサービスマネジメントのベストプラクティスをまとめた

  • イギリス発祥である。(FEで出ます)

ITサービスマネジメントのフレームワークはどれか
ア:IEEE イ:IETF ウ:ISMS エ:ITIL

「ITパスポート試験 令和元年度問50」より改変

正答はエ。

ウのISMSは超出るので、「組織にセキュリティを導入する体制とか技術とかのこと」ってイメージを持っておきましょう。

今後「ISMSによると~」という枕詞が良く出てきます。「え!?ISMSなんて知らないんだけど!」と慌てず、「はいはい、セキュリティの話ね」と流しましょう。

IEEEやIETFも標準仕様を決める組織です。ITパスポートではとりあえず忘れて大丈夫です。(FEでは、ITU-Tなども加えて覚えていきます。)


ITILに関する記述はどれか。
ア:ITサービスの提供とサポートにおけるベストプラクティスを提供している
イ:ITシステム開発の適正化のために、作業項目を一つ一つ定義し標準化している
ウ:ソフトウェア開発組織としての成熟度を定義している
エ:プロジェクトマネジメントの知識を体系化している

「ITパスポート試験 令和3年度問45」より改変

正答はア

エのPMBOKは、大変重要です。「タイムマネジメント」「コストマネジメント」などの「10の知識エリア」は、なるべく多く覚えておきたいです。>>Over4用語のNote<<

ウはCMMIです。組織の開発能力の測り方の1つで「熟練度」がキーワード。イは共通フレームと云います(昔はよく出ていました)。


ITサービスマネジメントにおいて、サービスデスクが受け付けたインシデントが高い難易度であった時、サービスデスク担当者が専門技術をもつ二次サポートに解説を委ねることを何というか
ア:FAQ
イ:SLA
ウ:エスカレーション
エ:ワークアラウンド

「ITパスポート試験 令和3年度問44」より改変

正答ウ。エスカレーションは、サービスデスク担当者では対応しきれないレベルの時に、上司や専門部署に対応を引き継ぐことです。

アのFAQは、よくある質問と回答です。

イのSLAは、「サービス提供者」と「利用者」の間でサービス品質についての「合意文書」です。

エのワークアラウンドはとりあえず置いてOKです。


利用者からの問い合わせ窓口となるサービスデスクでは、電話やメールに加えて、自動音声技術を用いたリアルタイム会話形式のコミュニケーションを行うツールが活用されている。このツールを何というか。
ア:FAQ
イ:RPA
ウ:エスカレーション
エ:チャットボット

「ITパスポート試験 令和元年度問54」より改変

正答はエ。チャットボットは、AIによる自動応答>>チャットボットのNote<<

FAQは「よくある質問と回答」エスカレーションは「窓口担当が手に負えない時に上司や専門部署に対応を引き継ぐ」。

RPAは、「定型的」業務の「ソフトウェア」のロボットによる自動化・効率化。>>RPAのNote<<


以上のように、「解けた良かったぁ」で終わらず、AIやRPAに関連して問題対策を広げていきましょう。


サービスマネジメント2:ITILの管理

ITILにおいて、サービスマネジメントは幾つかの「管理」で整理されています

まず2つを確実に区別してください。

  • インシデント管理:お客さんに回答する。暫定対策を伝える(窓口)

  • 問題管理:「根本的」な原因究明と改善をする(専門部署)

混乱してしまうので、しっかり区別しましょう。

あと1~3つ頑張って覚えましょう。ただ、日本語から想像できるので、力抜いてください。

  • 変更管理:体制・手順・機器の変更を管理します

  • リリース管理:システムの改修を全体に適用します。

  • 構成管理:機器・ソフト・手順書など全てのアイテムを管理します。

他にも、キャパシティ管理(容量)やイベント管理などもありますが、サービスデスクではなくサービスデリバリ分野なので、ほとんど出ません。もし出題されても、言葉から推測したり、消去法を使えば大丈夫です。

インシデント管理と問題管理をおさえれば、対策は完了です。


ITサービスの利用者からの問い合わせに自動応答するために、チャットボットを導入する。チャットボットによる自動化が有効な管理プロセスはどれか。
ア:インシデント管理
イ:構成管理
ウ:変更管理
エ:問題管理

「ITパスポート試験 令和4年度問49」より改変

正答はア。利用者への回答なので、インシデント管理です。


ITサービスマネジメントにおけるインシデント管理の目的はどれか。
ア:インシデントの原因を分析し、根本的な原因を解決し、インシデントの再発を防止する
イ:サービスにおける全ての変更を一元管理し、変更に伴く障害発生のリスクを低減する
ウ:サービスを構成する全ての機器・ソフトウェアに関する情報を正確に維持管理する
エ:インシデントによって中断しているサービスを可能な限り迅速に回復する

「ITパスポート試験 令和4年度問44」より改変

正答はエ。「迅速に回復」より根本的(問題管理)ではないので、インシデント管理と判断します。

アは、「根本的な原因を解決」より問題管理。

イは「変更」、ウには「構成」とあるので分かりやすいですね。

ITパスポートならシンプルにキーワードが入っているので解けます。


サービスマネジメント3:SLA/SLM

SLAは、ITサービスマネジメントで最も出題される用語です。

SLAは、「サービス提供者」と「利用者」の間でのサービスレベルの「合意書」です。

サービスの品質レベルの具体的数値(稼働率など)が掲載され、達成できなかった時のペナルティも記載されます。


ITサービスマネジメントにおけるSLAは、誰と誰との間で交わされる合意文書か。
ア:経営者とシステム監査人
イ:顧客とサービス供給者
ウ:システム開発の発注者と受注者
エ:データの分析者と提供者

「ITパスポート試験 令和4年度問51」より改変

正答はイ。


SLAにPDCAサイクルを導入して維持管理(マネジメント)することを、SLMと云います。PDCAサイクルは、P(計画)D(運用)C(監査)A(改善)ですね。

ITサービスにおけるSLMの説明はどれか。
ア:SLMでは、SLAで合意したサービスレベルの維持が最重要であり、サービス品質の改善はしない
イ:SLMでは、SLAで合意した定量的な目標の達成状況を確認するために、サービスの提供状況のモニタリングやレビューを行う
ウ:SLMの目的は、顧客とサービス内容や要求水準など共通認識を得ることであり、SLA作成が最終目的である
エ:SLMを効果的な活動にするためには、SLAで合意するサービルレベルを簡単に達成できるような低いレベルにするのが重要である

「ITパスポート試験 令和3年度問53」より改変

正答はイ。

アは、「改善は補助的な活動」にぴくっと反応してください。SLMにはPDCAサイクルが導入されているので、改善(A)はしっかりやりますよ。

イの「モニタリングやレビュー」がC(チェック, 監査)を表してます。

エは、なんか正しそうな気もしますかね。しかし、需要あるレベルで設定しないと、利用しようって思いませんよね。


SLA+PDCA→SLMにような用語の変化は、BPR+PDCA→BPMでも見られます。語尾にMがあったら「マネジメントかな?」と、ちらりと考えると良いですね。

また基本情報技術者では、SLAに記載する稼働率の計算も出題されます。ITパスポートのうちに用語問題は得点源にしておきましょう。


AI事例1:FAQ

コールセンター、ヘルプセンター、サービスデスクが良く事例として出題されます。

AIの導入が最も進んでいますし、IT資格としても開発職だけでなくサポート職も扱いたいからですね。

解く側としても、サポート職は開発職よりも利用者・担当者を想像しやすいです。


FAQとは「よくある質問」です。メーカーのWebにお客様向けに設置しているのをよく見ますね。

ITサービスマネジメントにおいて、過去のインシデントの内容をFAQとしてデータベース化した。これによって改善できる点を全て挙げたものはどれか。
a:ITサービスに関連する構成要素の情報をいつでも確認できる
b:要員候補の業務経歴から、適切な要員配置計画を立案できる
c:利用者からの問い合わせへの一次回答率が高まる
ア:a イ:a, b ウ:a, c エ:c

「ITパスポート試験 令和年5度問51」より改変

正答はエ。cだけが正しい。利用者への回答に生かしていますからね。

a:「構成要素」とは、主に機器の構成のこと。障害と対策のFAQとは無関係です。

b:FAQは人事とは無関係です。障害と社員に関係はありません。


過去の障害内容をFAQとしてまとめると、社外へも社内へも効果があります。

  • お客さん向けに公開して、自己解決できるようになる

  • サポートデスク業務のマニュアルに掲載して、スムーズな回答ができるようになる

コールセンターでの電話応対業務にて、AIによる有効なFAQシステムの事例はどれか。
ア:オペレーター研修として、既存のFAQを用いた質疑応答例をWeb画面で学習する
イ:利用者がガイダンスに従って入力したダイヤル番号で、FAQの該当分野を担当するオペレータに振り分け接続する
ウ:センターに問い合わせた利用者の電話番号から、顧客情報や過去の問い合わせ内容をデータベースから呼び出し、オペレータの画面に表示する
エ:電話応対時に、質問の音声から内容や感情を読み取って解析し、FAQから最適な回答候補を選び、オペレータの画面に表示する

「ITパスポート試験 令和5年度問16」より改変

正答はエ。AIによって音声認識とFAQへ自然言語処理をしています。


利用者からの電話問い合わせを受けるサービスデスクに、オペレータ支援システムを導入する。当該システムは、顧客とオペレータの会話を認識し、データベースと照合し、オペレータの画面に確認すべき事項や最適な回答候補を表示する。導入によって期待できる効果を全て挙げたものはどれか。

a:最適な回答候補が表示されるため、経験の浅いオペレータでも適切な回答ができ、オペレータによる対応のばらつきを小さくできる
b:顧客に自動的に回答するので、電話問い合わせを24時間対応にできる
c:対応に必要な情報をオペレータが探す必要がないため、顧客対応時間を短縮できる。
ア:a, b イ:a, b, c ウ:a, c エ:b, c

「ITパスポート試験 令和4年度問51」より改変

正答はウ。

a:正しい。社内のノウハウを共有するので、経験が浅くても、「今まで上手くいった」回答ができますね。

b:誤り。対応するのはオペレータなので、24時間対応とは無関係です。チャットボットでならば可能です。

c:正しい。システムがデータベース検索してくれるので、オペレータの探す手間を肩代わりしてくれます。


AI事例2:チャットボット

AIのうち自然言語処理の導入例「チャットボット」としてよく出題されます。>>AIによる自然言語Note<<


サービスデスクのサービス向上のためにチャットボットを導入する。チャットの記述で正しいのはどれか。
ア:PCでの定型的な入力作業を、ソフトウェアのロボットによって代替できる仕組みである
イ:会話を聞き取り、リアルタイムに文字に変換する仕組みである
ウ:よくある質問と回答をまとめ、利用者が自分で検索する仕組みである
エ:文字や音声による問い合わせに対して、会話形式でリアルタイムに自動応答する仕組みである

「ITパスポート試験 令和2年度問49」より改変

正答はエ。

アはRPA「定型的」な業務を「ソフトウェアのロボット」で行っています。>>RPAのNote<<

イは、音声認識から書き起こしだけで、応答はしておらずチャットボットではないです。

ウは、FAQです。自動応答してないため、チャットボットではないです。


ECサイトでは、利用者からのチャットでの問い合わせにオペレータが答えていた。今後はソフトウェアによる自動応答に変更したいが、実現する技術はどれか。
ア:AI イ:AR ウ:CRM エ:ERP

「ITパスポート試験 令和2年度問32」より改変

正答はア。AIによる自然言語処理、ツールは「チャットボット」です。

イのARは、VRとペアで覚えましょう。

AR(拡張現実)は、ゴーグルやスマートフォン越しに現実空間にCGや文字を重ねる技術です。ポケモンGoが代表例。

反対にVR(仮想現実)は、コンピュータ内にCGで現実に似た空間を作ります。広い意味ではオンラインRPGなど。

ERPとCRMは「一元管理」シリーズで4つまとめて覚えましょう。

  • ERPは、「経営資源(ひと・もの・かね)」

  • CRMは、「顧客」

  • MRPは、「資材」

  • SCMは、「調達から販売」

以上4用語は、ITパスポートの「イロハのイ」です。


A社は、ヘルプデスクの対応時間を24時間に拡大するべく、B社に委託した。B社は、深夜時間帯はチャットボットによる自動応答する旨を提案し、A社は合意した。この合意に用いる文書を何というか。
ア:BCP イ:NDA ウ:SLA エ:SLM

「ITパスポート試験 令和5年度問44 令和2年度問39」より改変

正答はウ。「合意文書」からSLAと判断します。

もしサービスレベルを管理維持する旨があれば、SLMと判断してください。

また、選択肢は全てキーワード連結用語です。

  • SLA, SLM:サービスレベル

  • BCP:災害時の事業継続計画

  • NDA:秘密保持契約

また英語も少し覚えておきましょう。

  • サービス:Service

  • レベル:Level

  • ビジネス(業務):Buisiness

  • コンティニュー(継続):Continue

  • プラン(計画):Plan

※ContinueではなくContinuityですが、気にしないでください。

以上の問題にはSLA/SLM以上に、ITパスポートの勉強法が身に付く問題でしたね。


ブーム語:サービスマネジメントとは関係ない

PoCは仮説を実証するために小さな実験をすることです。

特に、データ分析やAIを開発する時に行います。どちらも大量のデータを用意して行うので、本当にその労力に見合う成果が出そうかを、PoCによって確認しておきます。


コールセンタにAIを導入したい。しかし、想定している効果が得られるか不明点が多いため、試行して実現性の検証を行うことにした。この検証を何というか。
ア:IoT イ:PoC ウ:SoE エ:SoR

「ITパスポート試験 令和4年度問35」より改変

正答はイ。PoCは主にAI開発で使われる用語です。>>AIの技術用語Note<<

アのIoTは、平均5問も出ますから、AIと一緒に得点源にしてくださいね。 >>IoTの対策Note<<


まとめ

以上のように、ITサービスマネジメントは、ITILだけでなくAI活用事例としても出題されるようになりました。

とはいえ、以下2分野を1つずつ対策すれば問題ありません。

  • ITIL。インシデント管理と問題管理に注意

  • チャットボットによる窓口業務の改善を想像

対策がすんだら、チャットボットつながりで >>AIの対策Note<< に進んでくださいね。毎回5問は出題されているので、ぜひ得点源にしましょう。

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p.s. 普段は >> 専門学校とIT就職のブログ << をやってます。

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