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剪画作品紹介

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剪画作品をご紹介します。
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#作品

桜回想

桜回想

小野寺 マヤノ 作 305×432mm
“Sakura Reminiscence” by Mayano Onodera

 先週で終わった「桜 –我が心のふるさと–」展に出展していた作品で、今日あたり鳥取の若桜に到着した頃だと思います。
 桜には「春の訪れ」という明るい印象と「散りゆく花」という寂しげな印象があります。今回の作品展でも、桜の作品はそれぞれどちらかの印象で描かれていました。私が描い

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メジロの夢

メジロの夢

トドロワ プロレチナ作 282×205mm
“Dream of a White-Eyed Warbler” by Proletina Todorova

 この作品もブルガリアから送られてきた作品です。桜とメジロは昔から多く描かれている画題です。桜のピンクとメジロの黄緑色が美しいということもあるのですが、密を好むメジロが、春になって咲き始める桜に集まる…ということが多いこともあるのでしょう。
 

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桜の風景

桜の風景

ヴラホワ イヴァイラ 作 295×205mm
“A Sakura view” by Ivayla Vlahova

 今回の作品展では様々な桜の絵が並び、それぞれ個性的に描かれていますが、中でも一風変わった絵柄なのが、ブルガリアの作家によるこの作品です。
 真ん中にあるのは目でしょうか?周囲にはまつげや視神経のようなものも見られます。その目を囲むようにして咲き誇っているのが美しい桜です。絵の中に

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100年桜の思いを乗せて 1

100年桜の思いを乗せて 1

六郷 もと 作 405×275mm
“Riding with the Memories of 100 Years Old Sakura Trees 1” by Moto Rokugo

 六郷さんは3年前に開催された「線路は続くよ」展でも若桜鉄道のピンクのSLを描いています。今回の桜展で、もう一度この桜色の機関車を描いてくれました。六郷さんがこの作品のために書いてくださったコメントがありますの

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もう一人はクリスマスゲスト

もう一人はクリスマスゲスト

トドロワ プロレチナ 作 285×195mm
“And the other one is Christmas guests” by Proletina Todorova

 もう1点クリスマスの作品をご紹介。ブルガリアから送られてきた作品です。雪だるまさんたちがクリスマスのプレゼントを運んでいます。クリスマスゲストのためでしょうか?
 日本の雪だるまは頭と胴体、2つの雪の玉からなっていますが、西洋

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プレゼント I

プレゼント I

神田 いずみ 作 242×272mm
“‘The Gift I” by Izumi Kanda

 今年の干支の龍は描き甲斐があるためか、多くの作家さんたちが描いてくれました。その分クリスマスの作品は少なめでしたが、個性的なものが集まりました。中でも神田さんが描いたスノードームは可愛らしく、とても人気があります。
 雪の夜、サンタクロースの帽子をかぶってペンギンたちにプレゼントを差し出すクマさん

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吾亦紅と秋の空

吾亦紅と秋の空

宮本 真理 作 210×297mm
“Burnets and Autumn Sky” by Mari Miyamoto

 夏から秋にかけて草原に咲く吾亦紅。長い茎に暗赤色の小さな花を付け、それほど目立たない花ですが、独特の風情があります。吾亦紅が花のアレンジメントに入っていると、ことさら秋を感じる方も多いのではないでしょうか?
 この絵では吾亦紅だけを花瓶に差して飾ってあります。背景は柔らかい

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森の贈り物

森の贈り物

千葉 孝子 作 242×272mm
“The Gifts from the Forest” by Takako Chiba

 秋の茶色と聞いてまず思い浮かぶのは秋の味覚という方も多いのではないでしょうか。中でも森や畑から収穫するものは、茶色のものが多いです。木の実、キノコ、芋類…。千葉さんはその中から森の贈り物として栗やドングリを描きました。
 栗のイガや松ぼっくり、松の葉など細かい部分を丁寧

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協力

協力

梅崎 ゆう 作 242×272mm
“Cooperation” by Yuu Umezaki

 和紙の風合いが美しく、ちょっと抽象的な感じのする作品。人体の部分である感じは受けるものの、不思議な雰囲気で、暖かい感じもします。作品展のタイトル「人体」は、梅崎さんの提案だったこともあって、この作品をDMはがきやポスターに採用しました。それでもこの作品には何が描かれているか確信が持てなかったのですが

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よそ者

よそ者

まるぽ 作 105×155mm
“The Outsider” by Marupo

 人の体に無駄なものはないはず…ですが、その機能とは関係なく抜かれてしまう体毛。いまや女子だけでなく、若い男性も脱毛する時代となりました。もともと体を守るために生えている毛にとっては迷惑な時代なのかも知れません。
 そんな状況を、作者のまるぽさんはモノトーンで漫画的に、コミカルに表現しています。しっかりと根を下

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BEYOND

BEYOND

神田 いずみ 作 416×294mm
“BEYOND” by Izumi Kanda

 同じように筋肉を使っても、それとは思わせない優雅な動きが必要なフィギュア・スケート。実際には極限まで人体を使うスポーツです。
 神田さんはフィギア・スケートが好きで、よく選手権やアイス・ショーを見にでかけているとのこと。そのため、各選手のシルエットは、リアリティがあって、とても素敵。激しい動きの中の一瞬をよ

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稲の波

稲の波

菅谷 順啓 作 242×272mm
“A Wave of Rice Plants” by Jyunkei Sugaya

 もう 1点、水ではない波の作品をご紹介します。
 昨年逝去された菅谷さんの色紙作品を何点かお預かりしています。作品展の度に、その中から出展できるものがないかどうかチェックするのですが、この色紙にこの歌が添えられていなかったら、今回のこの「波」展にふさわしい作品だということに

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月のうさぎ

月のうさぎ

戸張 禮子 作 297×210mm
“Rabbits on the Moon” by Reiko Tobari

 日本では、古来から月にはウサギがいて、お餅をついていると言われています。この作品では、その月からはるか向こうの地球を眺めているウサギさんを描いています。
 ここにいるウサギさんたちの様子が何となくユーモラス。鳥獣戯画を思わせる絵柄で、シンプルながら動きを感じさせてくれるのです。それ

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行く先には… I

行く先には… I

日野 晴美 作 420×297mm
“There at the End of the Road… I” by Harumi Hino

 今回のこの「行く先には…」は、色違いで2つのバージョンがあります。1つは紺色の和紙を切り抜き、虹色の背景の上に置いたものです。力強く、明るい未来を示しているような作品。もう1つは焦げ茶色に赤がムラに入った和紙を切り抜き、金がちらしてある淡い黄緑色の和紙の上に貼り

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