見出し画像

まちおこしは、ヒトづくり

こんにちは。
クラウド会計ソフトのfreee株式会社で働く、関根です。

2020年4月より、
武蔵野美術大学 大学院 造形構想研究科 造形構想専攻クリエイティブリーダーシップコース に通っています。

当大学院では、「クリエイティブリーダーシップ特論」という授業があり、毎週、各業界のデザイナーや起業家、ソーシャルイノベーションの担い手の担い手...など、さまざまな方々をゲストとしてお招きしています。

クリエイティブリーダシップ特論 第3回目(2020/6/1)は、
地域ブランディングを行う雨上株式會社 代表取締役平井俊旭さんのお話をお伺いしました。

平井さんは元々はSoup Stock Tokyoを展開する株式会社スマイルズで、店舗デザイン、グラフィックデザイン、プロダクトディレクションを手掛けられた後、2014年に独立され、当社を設立されたそうです。

今回はお伺いしたお話を中心に、”地域のブランディング”についてお伝えします。

ブランディングとは何か

ブランディングは馴染みのある言葉ですが、
正直、曖昧に使っていて、理解が怪しいので、
お恥ずかしながら、最初に調べておきました。。

いろいろ検索したサマリとして

・「自社は誰のため、何のために存在し、その誰かは何を期待し、どのようにして期待に答えることができるか」という問いをたて、答えを紡ぎ、発信・拡大していくプロセス
・ブランディングは一度作って終わりではない。自己申告型の自己像だけではダメで、他人が頂く印象とのGAPを理解し、そのGAPを埋めるために、自己の変容・修正を行うことが必要

ってな感じかなと。

社会に対して、誰の何を解決したいか
どんな社会にしたいか

といったビジョンやミッションを規定して、

どのように解決するか
そのためのサービス・プロダクトは何か

それを色々な人々を巻き込んで思考して、
アウトプットしていくというプロセスと理解しました。

そして、
「自分自身はこうなりたい!私はこんな人間です!」
って思っていても、
受け手はそう捉えていないこともあるということで、

その発信者と受取る側の頂く印象の齟齬を調整していく

それは時によっては、自己の行動・生成物の見直し、修正を真摯に行っていくという、痛みを伴う覚悟も必要

と理解しました。
(以下、参考にさせて頂きましたmm)

市民を巻き込む、「属ブランディング」

それで、
今回のお話で、平井さんが地域のブランディングを行う上で、お手本にされているものとして、

博報堂さんの「属ブランディング」

を紹介頂きました。

「志」
 ブランドを通じて実現したいこと、社会的意義、ビジョン
「形」
ビジョンをもとにした商品・サービス・名称・特徴
「属」
ブランドのもとに集まる仲間、サポーターやコミュニティ
(博報堂コンサルティング資料より抜粋)

平井さん曰く、

"ブランドはそれをつくりたいと思う人の「志」が先にあり、そこにデザインや仕組みができて、ファンがついてくる。”
”ブランドは一朝一夕では出来るものではない。自分みたいに外から来た人間がロゴや仕組みだけをつくったところで、市民が本当に良いと思ってブランド化しない限り、うまく機能しない
”窮地に陥った時、自分たちは良いものを作っているんだという信念がないと、途端にうまく行かなくなる

地方創生・活性化というと、
「どうしたら、人が来てくれるか、住んでくれるか」
といったことを目的化するので、そのためのイベントや施設作りの話に収束しちゃいそうですが

やっぱり、

「そもそも何を実現したいか、なぜか、そしてそれをどう実現したいのかを、しっかりと市民の方々が主体となって考えて、腹落ちをすること」が必要そうです。

受け売りのビジョンではなく、自分達が作った志が必要。
もちろん市民の方々も百人十色であるわけなので、そこの意見の収束も必要そうですが、しっかりと発散の場を設けて、ファシリテーションしていくことが必要そう。

持続的なブランディングには、地域のリーダーが必要

結局ブランディングは、作って終わりではなく、
「常に内省し、自分自身を変えていく、持続的なプロセス」
だとするのであれば、

属」として、「志」に共感した人々・コミュニティが、
そのプロセスを自律的に回せていけない
と思いました。

だから、「志」は共感を有むものであり、人々の行動の元である必要があるし、それを時にはアップデートすることもありそう。

そして、より多くの人々を巻き込み、共感を広げ、コミュニティを強くする、そういった取り組みを率先するようなリーダーの発掘とメンタリング、サポーターが必要とされる気がしました。

さいごに

地方創生はバズワード化している印象はありますが、単なる賑やかしだけではいけなくて、その地域が自律的に持続的に、社会に対する存在や位置付けを規定し、プロセスを回していくことの必要性を痛感しました。

そういう意味では、
イベントや特産品を活かしたお土産のデザインとか、そういうことは手段の一つだけではなく、その根底にある地域の価値や特性に対する深い理解(As isとしての価値観理解)と、将来どうありたいかのビジョン(To Beとしての価値観創造)をデザイン出来る、地域のリーダー育成が必要なのかもしれないと感じました。

まちづくりは、ヒトづくり

地域ブランディングは、短期的に達成できることではなく、長期的な視点で、腰を据えて取り組む必要がある、大変意義のある取り組みであると思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?