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”国際系” note まとめ

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This magazine curates notes relating to stuffs between globalness and localness.
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2020年8月の記事一覧

マンガ大賞受賞作『乙嫁語り』の舞台|中央アジア・キルギスの大草原で駿馬を駆る

書店員を中心にした各界のマンガ好きが選ぶ、その年いちばんの推しのマンガを選ぶのが、この「マンガ大賞」だ。過去歴代の受賞作や上位ランキング作品には、ずらりと注目作が並び、なにかオススメ漫画を探しているのなら、ぜひこうしたリストから選んでみてもよいだろう。 そんなマンガ大賞の2014年大賞受賞作が、森薫の『乙嫁語り』だ。ときは19世紀後半、場所は雄大な中央アジアの大平原。遊牧して暮らす人たちの日常を描いた、じつにユニークなこの一作が、大ヒットした『僕だけがいない街』などの他作品

生活をサボるな。とインド人に叱られた私が、世界一周を経て出した答え

「2019年を飾るnote20選」の1つに選んでいただいた、こちらの記事を書いてからもう少しで一年が経つ。 ワーカホリック。 炊事・洗濯・家事、面倒なことは全て外注したらいいと思っていた。 そんな私が、インド人のおじさんに「生活をサボるな」と叱られて「人生は仕事だけじゃない。生活にも目を向けて、ちゃんと自分の時間を生きたい」と思った。という話。 あのnoteを書いたのはちょうど去年の八月だったのだが、それからずっと考えていた。 生活をサボらないために、具体的に何をす

自分のルーツとタール砂漠の眠れぬ夜

【海外写真放浪記】 INDIA 12  ジャイサルメール ツアーのジープは宿の前で僕だけを載せ走り始める。どうやらこのツアーには僕しか申し込まなかった様だ。 街の郊外はすぐに砂漠になっているが、想像している砂漠とは違い岩交じりの荒野が広がっている。 この一帯には野良ラクダが居て道路に堂々と横たわったりしているのでスピードを出しすぎるとかなり危険だ。 車を1時間程走らせ、見渡す限り何も無くなった荒野にあばら家が一軒ポツンと姿を見せたのだが、どうやらそこが僕の目的地ロマの

誰でもわかるコルビュジエ「後編 : ブルータリズムの爆発(1934-2006)」

今回は65歳以降のコルビュジエの功績を辿ります。 この3部作もついにクライマックスです。今回はこれまでの記事の中で抜群に写真数+作品数が多いです。この記事だけで写真70枚くらいあるので長いですが(名作が多いので端折れませんでした)、、、説明は軽いのでガンガンスワイプしていけば良いと思います。 その前にここまでのおさらい 「前編 : 建築への目覚め (1887-1917)」では、 ①コルビュジエはスイスで生まれ、18歳という若さのとき、地元で設計を始める ②パリの事務所、

#BlackLivesMatter と人種差別問題の理解を深めるために: 「ビジネス・テクノ」の問題(翻訳)

ニューヨークでブッキング・エージェンシー〈Discwoman〉を共同設立し、女性やトランスジェンダー、ノン・バイナリーの、それまで十分な注目と評価を得られてこなかったアーティストたちに機会を与え、世界各地のイベントにブッキングしてきたエージェントであり、黒人のエレクトロニック・ミュージック・アーティストのためのプラットフォーム兼音楽フェスティバルである〈dweller〉を共同主催するフランキー・ハッチンソンが、昨日そのdwellerのブログに緊急寄稿した。 パンデミック時代

ビリーアイリッシュと政治について

かなり反響をいただけたこのツイートを、改めてnoteでまとめます。追記もここで順次書き足して行こうと思ってます。 2001年生まれの18歳、アーティストのビリーアイリッシュが民主党大会の3日目にゲストパフォーマーとして選ばれ、スピーチと新曲"my future"をライブで初披露しました。bad guyの大ヒットやグラミー賞5冠受賞で彼女を知る人が多いかもしれないが、音楽の実績以外でもアメリカのユースカルチャーやポップカルチャーを理解するのに重要なアクターであり、度々ツイッタ

レバノンとオーストラリア

オーストラリア、シドニーのオペラハウスに、レバノンの国章であるレバノン杉が投影されている ( 米 abc News)。 それを見て、レバノンとオーストラリアは、我々日本人からは計り知れない、深い関係があるのだなぁと思いました。 レバノンの国旗中央にあるレバノン杉は、キリスト教のシンボル。この木でソロモンは神殿を作り、フェニキア人は船を作り、カルタゴに海洋植民地を築いたという。 ちなみに、これはレバノンの国旗。 白は「レバノン山脈=白い山脈」で、清浄さや平和を、赤は植民

自己紹介:スマトラ島の僻地に移住してしまいました

なんとなく数年前にnoteを開設してそのまま放置して何もしていなかったのに、ここ1ヶ月ぐらいで急にnoteの筆が進み始めました。 過去約8年ぐらいアメブロにお世話になり、その後ワードプレスに移行し3年ぐらい運営しました。(現在もワードプレスは運営中) どのメディアにも良さがあって好きなのですが、同じメディアにずっといる弊害みたいなのも感じています。 アメブロはアメブロコミュニティー内での出会いがほとんどとなりますし、ワードプレスは検索エンジンを意識して記事を書かなければ

フランスで研究者ビザ、滞在許可証を取得、更新するまでの流れ。

こんにちは。島袋です。日付変わって8月になりました。 海外で研究者を始める場合、日本と異なり年度の始まりが9月ということで海外で研究者を始める準備に追われている方もいるかと思います。残念ながら今年はコロナウィルスの影響で、手続きが難しくなっているみたいですが・・・ 海外移動の際の手続きで面倒くさいのが、ビザを取得して現地にて滞在許可証を取得すること! そこで今回は、私の最初のポスドク先であるフランス・パリで研究者ビザ、滞在許可証を取得、更新について簡単にまとめてみようと

ことば屋さんのまいにち  第1回

高橋美佐(英語・仏語・伊語フリーランス通訳、コーディネーター) ーーー通訳や翻訳という商売は、なにを売る商売かというと、「ことばを使ってできるサービス」を売っているのです。ベレ出版さんは本を作って売っていらっしゃるので本屋さんですね。だから、私は、ことば屋さん。わたしのお店に並んでいる品物は、英語と、フランス語と、そしてイタリア語です。 毎日、いろんな注文が飛び込んできます。「無理な注文」もときどきあります。でもだいたいのところは、なんとか、売ることができています。いったい

海外に長く暮らすということ

一体どれほどの人が、海外に長く暮らしたことがあるだろうか? 旅行や短期の滞在はあっても、家を借りて、近所のスーパーで買い物して、近くのカフェで店員と顔なじみになる人は、そんなにいないと思う。 でも実は、海外に長く暮らさないとわからない感覚がある。 21歳の半分を過ごしたベルリンの小噺。 冴えない留学と小さな豊かさ僕は、2019年の9月ドイツのベルリンに飛んだ。大学生活の中でも一大イベントだった。大学入学早々英語の試験を受けまくり、志望動機書を何度も書き直して、やっと手

【インドネシアでも大人気】丸亀製麺人気の秘訣

丸亀製麺はインドネシアで大人気となっており、どこの店もお昼時は満員となっています。日本から進出した外食で最も成功しているレストランの一つです。 2013年、西ジャカルタのショッピングモール「タマン・アングレック」にインドネシア1号店をオープンしました。海外進出6カ国目のインドネシアでセルフうどんを紹介し、高級モールを中心に展開しています。 丸亀の強さの秘訣 インドネシア人でも、MARUGAMEやUDONの言葉が日常的にでる程人気となり、「丸亀製麺」をフランチャイズ展開し

モーリシャスのサンゴ礁生物多様性の危機

日本の貨物船がモーリシャスで座礁し、油流出が周辺のサンゴ礁生態系に悪影響を与えることが懸念されています。 私たちの研究チームが今年の春に発表した論文では、マダガスカル周辺のモーリシャスなどのサンゴ礁の重要性を明らかにしました。その内容は以下の記事で解説しています。 熱帯・亜熱帯の浅海域のサンゴ礁の基盤を構成するイシサンゴ類の種数は、現在把握できているだけでも約800種くらいです。 そして、モーリシャス周辺のサンゴ礁では、349種のイシサンゴが確認されています。つまりモー

シチリア料理はそのままこの島の歴史を語る・フェニキア人と塩田

シチリア島の州都、パレルモからの発信。 ボンジョルノ。 このnoteを始めた時、もっともっとシチリアのこと全般について書いていこうと思っていました。 もちろん食に関することが多くなるのは分かっていましたが、観光や見どころ等も取り入れる予定だったのです。 色々な人から「シチリアに関する情報って、少ない」と聞いていたので。  ところがロックダウンもあって出掛けられなかった日々、撮り溜めた写真はあったのですが、毎日お料理ばかりしていたの為についその話題ばかりとなりました。 今一