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2024/04/23(火)留学二日目、バーミンガムの喫茶店にて。

憧れのイギリスに無事到着した。

目に映る全ての建物や光景が洗練されていて、まるで映画の中の世界に溶け込んだようだ。

渡航二日目の今日は大学のプレセッションが早めに終了し、午後からは時間があったのでバーミンガムの街を散策してみることにした。

ショッピングモールはイカした若者やスカーフを被ったイスラム教徒で溢れている。サングラスを装着して只者では無い雰囲気を醸し出しているつもりだが、本心はかなり恐れている。

これ以上一人で歩くには不安だ。僕は気を紛らわせようと近くの本屋さんに入ることにした。

入店と同時に富士山が描かれた表紙の本が目に飛び込んでくる。その隣には僕が愛読している川口俊和さんの『コーヒーが冷めないうちに』の英語訳版も並んであった。

さらに奥へと進んでみると、ナルトやデスノートといった日本発祥の漫画コーナーが設けられていた。

心細く異国の地を彷徨っているが、日本の文化が世界に認められていることを実感すると誇らしい気持ちになる。

直感に従い富士山が表紙の本を持ってレジへ赴くと、店員さんに「二階にある喫茶店の飲み物が一杯無料になるよ」と伝えられた。

階段を上り拙い英語でラテを注文してみたのだが、緊張からか上手く呂律が回らない。

やっとのことでオーダーを取り、購入したばかりの本を開いて読書を楽しんでいた。

すると突然、右隣に座ったアジア人が声をあげた。
‘’oh shit!! ‘’(まじかよ!!)

何のことだろうと僕は焦り、
“Is there an insect?”(虫がいるの?)
と訊いてみた。

すかさずアジア人の彼は
“No, it’s mouse!”(ネズミだよ!!)と叫び、近くにいた英国人全員が椅子の下を確認した。

奥の席に座る二人組の女性たちは長らくネズミを恐れている。

すると左隣にいたアラブ系男性がニヤニヤしながら、
“Was it cute?” (ネズミは可愛かったかい?)
とジョークを飛ばした。

なんやこれ。
めちゃくちゃおもしろいやん。

まるで映画の一コマのようなシーン。
僕は最高に興奮した。

グループで行動するのもいいが、ひとり身で未知の世界に飛び込んでいくのもたまらない。

まだまだ留学は始まったばかり。
明日はどんな体験ができるだろうか。

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