50歳イチローさんは「野球小僧」。高校女子選抜と親善試合。投げては９奪三振完封。打っては通算３試合目にして初安打。三球三振の場面も！

50歳イチローさんが投打に躍動。年齢を感じさせないはつらつとしたプレーは、まるで「野球小僧」だ。日米球界で活躍したイチローさんの率いるチームが、高校女子選抜チームと対戦。女子チーム強化の一環で行われた試合だ。球界のレジェンドは投げては最速138キロをマークし、打っては3試合目にして初めてヒットを放った。元気みなぎる50歳に脱帽だ。

イチローさんが率いる草野球チーム「KOBE CHIBEN」。高校野球の強豪智弁和歌山高から拝借したチーム名。そこでプレーするイチローさんは高校球児のように元気はつらつだ。

21日に東京ドームで行われたエキシビションマッチ。一昨年から始まった試合は今年で3回目を迎える。

50歳イチローさんは本気で臨む。「遊びじゃない。真剣勝負する」という意気込み。9番投手で出場した。

投げては高校女子選抜から9個の三振を奪って116球の完封。3年目で最速の138キロをマークした。年齢の衰えを感じさせず、まだまだ進化しそうな投球だ。試合はKOBEが4－0で勝った。

そして打撃では五回に右中間への二塁打を放った。実は一昨年の試合から、イチロー選手はノーヒットだった。3試合目通算9打席目にして初安打をマーク。八回にも内野安打を放った。

試合後のインタビューに喜びがあふれていた。「ヒットが出てめちゃくちゃうれしかった。プロではそこそこ打ってきたんだけどね」と日米通算4367安打のヒットメーカーは冗談交じりで受け答えした。

一方で、七回には、堂前凌那投手（岡山学芸館3年）から三球三振を喫する場面も。現役時代に三振の少ない選手だったイチローさん。これも３試合目にして初めてのストライクアウトとなった。

マウンドの堂前投手は満面の笑み。スタンドは大歓声。イチローさんは悔しそうな表情を浮かべてベンチに戻った。堂前投手は「一生の思い出になった。これを自信にしたい」と喜んだ。あっぱれのピッチングだ。

試合後にイチローさんはメジャー通算354勝のレジェンド投手を引き合いに出し「年齢的に知らないと思うけれど、（ロジャー）クレメンスよりも打ちづらかったです」と堂前投手をたたえた。

ただメジャーではレジェンドの存在のクレメンスさんもメジャー最後のピッチングは2007年。当時幼児だった堂前投手には、クレメンスと言われてもピンと来なかったかもしれない。イチローさんも50歳なんだと思わせた。

それでも投打に躍動したイチローさん。女子野球の発展のためにも、次回も「野球小僧」のように元気で試合してほしい。

がんばれ女子野球！がんばれ「野球小僧」イチローさん！