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若手が活躍すればチームは引き締まる。阪神の20歳前川選手が2ラン。「2日連続」のアーチでレギュラー争いに名乗り。日本一のチームは「鬼に金棒」!

若手が活躍すればチームは引き締まる。そう実感させる一発だった。阪神の20歳前川右京選手が先制ツーランを放ち、チームの練習試合3連勝に導いた。昨季38年ぶりに日本一に輝いた阪神のレギュラー争いに名乗りを挙げた形だ。前川選手が好調をキープすれば、昨季王者にとって、「鬼に金棒」だろう。プロ3年目のニュースターが誕生しそうな予感がする。

20日に行われた韓国のサムスンとの練習試合。前川選手は8番レフトで先発出場。0-0で迎えた二回2死三塁で、前川選手が左打席に立った。

ファウルなどで粘りフルカウントの8球目。相手右腕の甘く入った変化球を、前川選手が一閃。打球はライトの芝生席まで力強いライナーで達した。先制のツーランだ。このリードを阪神が守り切って、練習試合3連勝を収めた。

前川選手は前日、フリー打撃で新加入のゲラ投手から157キロのストレートを右翼席に放っており、「2日連続」のホームランとなった。

智弁学園高(奈良)時代は通算37本塁打を放った。甲子園には交流試合を含めて4度経験。特に2021年の夏の甲子園が出色だ。高校生活最後の全国選手権で、2回戦の横浜戦、3回戦の日本航空戦と2戦連続でホームラン。チームを準優勝に導く原動力となった。

この年のドラフト会議で阪神から4位指名を受けて入団。1年目こそ1軍でのプレーはなかったが、2年目の昨季に33試合に出場し、打率2割5分5厘の成績を残した。ただ昨季は公式戦でアーチなし。今季は1軍の舞台で本塁打を放つことが求められる。

前川選手の快音に、岡田彰布監督は「本当に順調にアピールしていると思いますね」とホクホク顔だ。

昨季セリーグ2位タイの打率(2割4分7厘)だった阪神。一方で、ホームラン数は84本。リーグワースト2位だ。最多164本を放った巨人には倍近く離されている。前川選手の存在は猛虎打線の厚みを増すために不可欠だろう。

高校時代に甲子園を沸かせたスラッガーは、プロ入りしてもホームの甲子園で大暴れすることが求められる。

前川選手がレギュラー争いに加わることで、競争が激しくなり、チームもさらに締まっていくだろう。

阪神の2年連続日本一に向け、前川選手のバットに期待がかかる。左の大砲の一打席一打席に注目していきたい。

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