明治神宮野球大会で大阪桐蔭Ⅴ。選抜の「明治神宮枠」は近畿に。「7枠目」選出が悩ましい。候補校は「一長一短」
今年の明治神宮野球大会高校の部は、大阪桐蔭が2年連続で優勝。これによって、来春の選抜大会の「明治神宮枠」は近畿に与えられることになった。近畿の出場枠は一つ増えて「7」となったが、7枠目の選考は難航しそうだ。候補に挙がっているチームは「一長一短」。選考にあたり、激しい議論が展開されそうだ。
明治神宮大会では、大阪桐蔭の底力を見せつけられた形となった。決勝の広陵(広島)戦は史上初となる2年連続の同一カード。四回までに0-5と大量リードを許していた大阪桐蔭だが、五回に反撃し一気に5-5に追いついた。
そして六回に1点をもぎ取って勝ち越すと、エースの前田悠伍投手がマウンドに上がり、広陵打線を無失点に封じ、劇的な逆転劇で2年連続の頂点に立った。
大阪桐蔭の優勝によって、選抜の「明治神宮枠」が近畿に与えられた。近畿の出場枠は当初は6枠。6チームの選考だけならスムーズに行われるだろう。
近畿大会を制した大阪桐蔭、準優勝の報徳学園(兵庫)、4強の龍谷大平安(京都)、智弁和歌山は、おそらく選出濃厚だ。近畿大会8強のうち、準々決勝で敗れたものの試合内容が良かったことから、彦根総合(滋賀1位)、履正社(大阪2位)も選出が有力だ。
これに加えて、「明治神宮枠」で、もう1校が選ばれる。この選出がもめそうなのだ。
準々決勝で負けた高田商(奈良2位)。龍谷大平安に0-5と完封負けした。1点も取れなかったのは痛い。ただし、奈良県勢で準々決勝に進んだのは、高田商のみ。初戦は京都1位の乙訓に勝っている。選出が有力な6校がすべて私立だが、高田商は公立校。その点も加味されるかもしれない。
同じく準々決勝で敗退した社(兵庫3位)も候補になるだろう。初戦は奈良1位で選抜優勝経験校の天理に13-7と打ち勝ったのは魅力だ。選出を競う高田商は奈良予選の決勝で天理に負けており、社は天理に勝った。ただし準々決勝では、智弁和歌山に0-7と7回コールド負けしたのが痛い。社も公立校だが、兵庫県予選3位。どう評価されるだろうか。
そして一部メディアでは、近畿大会初戦敗退の神戸国際大付(兵庫2位)も候補に上がるとの声も出ている。
神戸国際大付は初戦では近畿大会を制した大阪桐蔭に3-6と競り負けた。兵庫大会では準決勝で社を下している。ただ、優勝した大阪桐蔭は、近畿大会でコールド勝ちはなかった。大阪桐蔭との接戦がどこまで評価されるかは分からない。私立であるため、公立2校との比較で厳しい評価となるだろう。
7枠目の「候補」は、どの学校も「一長一短」。選抜選考会は来年1月27日に行われる。7校目選出を巡って、激しい議論が展開されるのは、間違いなさそうだ。
選抜は過去10年で近畿勢がのべ5回優勝している(うち1回は大会が中止)。強豪がそろう近畿で、出場するのも簡単ではない。
「7枠目」として甲子園の舞台に立つチームは、どこか。来年の選考会が楽しみだ。
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