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「大学の後輩には負けられない」。ロッテ・小島投手が、楽天・早川投手との早大卒対決を制して、今季3勝目

「大学の後輩には負けられない」。ロッテの小島和哉投手(26)は強い決意を抱いて試合に臨んだのではないか。楽天の早川隆久投手(24)と早稲田大卒対決となったゲーム。先輩の意地を見せる必要があったはずだ。7回1失点の好投で、2学年下の後輩に投げ勝ち、今季3勝目をマークした。

2人は共通点が多い。サウスポーであるほかにも、学生時代の経歴も似ている。共に甲子園で活躍して鳴り物入りで早大に進学した。東京六大学野球リーグで優勝に貢献したほか、4年時には主将としてチームを引っ張ってもいる。

しかし優勝時の学年が違った。小島投手はルーキーイヤーの春秋に六大学を連覇したものの、その後は優勝と縁がなかった。当然、主将として優勝に導くことができなかった。

一方、早川投手は主将として迎えた4年秋のラストシーズンで、10シーズンぶりの優勝に導いた。小島投手が最後に優勝した2015年秋以来だ。それがドラフト会議での順位に直結した。小島投手はロッテに3位指名。一方の早川投手はドラフト1位で4球団が競合。楽天に指名された。

それだけに、小島投手にとって、後輩との対決に期するものがあったとしても不思議ではない。

しかも今季の小島投手は好投していても勝利につながらないケースが多かった。防御率は27日段階で2.80だ。規定投球回数に達していないので単純比較は難しいが、同日段階でのパリーグの防御率ランキングで3位に入れる数字なのだ。それなのに、今季わずか2勝。一方で9敗もしているのだ。いかに打線の援護に恵まれなかったかが分かる。

28日にホームの千葉で行われた楽天戦。小島投手は初回三者凡退で好スタートを切る。一方、打線は直後に、井上晴哉選手の先制ツーランなどで、この回3点を先制した。いきなりの援護射撃となった。

三回に1死一、三塁で、犠牲フライにより1点を返されたが、最少失点で踏ん張った。味方打線は、どんどん得点を積み重ねて、小島投手の好投を後押しした。楽天の先発、早川投手は5回8失点でマウンドを下りることに。

小島投手は、好投を続けていく。この日はチェンジアップと縦のスライダーは効果的だった。六回に先頭にヒットを許したが、主軸の浅村栄斗選手相手にチェンジアップを多投して空振り三振に斬って取った。

この試合、7回1失点。126球を投げ許したヒットは6本。与えた四球は1つだけと安定感の光るピッチングだった。

「ドラ1」の後輩には負けられない。小島投手の意地が優った試合だった。8月6日以来の白星で今季3勝目をマークした。この勝利を糧に、今季の残り登板でも好投を期待したい。

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