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勝っても負けても地震で被災した方々に希望を届けた。石川県勢の2校。星稜が8強進出、日本航空石川は大接戦の末の惜敗。甲子園での全力プレーが熱いエールに

勝っても負けても地震で被災した方々に希望を届けた。石川県勢の2校が甲子園で全力プレーを貫いた。星稜は勝って選抜8強に進出。日本航空石川は大接戦の末の惜敗。両校の戦いぶりが、能登半島地震の起きた地元へのエールとなった。選手たちの熱い思いは、きっと伝わったはず。両校の選手たちに拍手を送りたい。

選抜高校野球大会6日目の25日。第1試合では1回戦最後の試合が行われた。石川県輪島市にある日本航空石川高が登場した。相手は優勝経験のある常総学院(茨城)。

今大会初戦までの道のりは長かった。元日に起きた能登半島地震の大被害により、チームの全体練習が1月19日までずれ込んだ。さらに地元で活動ができず、系列校のある山梨県へ移ることに。

甲子園の出場が決まり、組み合わせ抽選では1回戦最後の試合となった。さらに雨による2日連続の順延。大会自体は18日に開幕したが、1週間後に日本航空石川はようやく初戦を迎えた。

地元から離れざるをえない状況。大会が開幕してもなかなか初戦を戦えない。チームには過度のストレスがかかっていただろう。それでも緊張の糸が切れることはなかった。

常総学院との初戦は息詰まる投手戦に。五回を終えて0-0のタイスコア。日本航空石川は六回に1点を先制されても崩れない。これぐらいで崩れてたまるかという粘りがあった。

そして九回裏。絶好機を作った。この回先頭の室田一慧選手が四球を選び出塁。そして二盗を決めた。1死後に5番段日向樹選手がレフト前ヒット。一、三塁とチャンスを拡大した。一打同点の好機だったが、次打者が併殺に倒れてゲームセット。

しかし困難に見舞われながらも最後まで接戦を繰り広げた。日本航空石川の大健闘だった。

そして第2試合からは2回戦。開幕日に初戦を突破した星稜が登場した。昨秋の北信越大会、明治神宮大会も制した優勝候補の一角だ。

2回戦では青森の八戸学院光星と対戦。初回に芦硲晃太選手の右中間へのタイムリーヒット、能美誠也選手の中前適時打で2点を先制した。

三回に同点に追いつかれても、星稜は揺るがない。六回に2死二塁から中島幹大選手がレフトへタイムリーヒットを放ち、再び勝ち越した。投げては佐宗翼投手が9回141球を投げて完投。星稜が2年ぶり5度目の8強進出を果たした。

選抜16回の出場を誇る星稜。過去の最高成績の8強に肩を並べた。その先の世界をめざし、準々決勝に臨むことになる。

勝った星稜。敗れた日本航空石川。ともに全力プレーを貫いた。地震で困難な生活を余儀なくされている地元の人たちへ希望を届けた。若者たちの真剣に白球を追う姿は、熱いエールとなったはずだ。そして星稜の戦いはまだ続く。さらなる希望を届けてほしい。

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