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きらめいた青春 吹き抜けた緑の風 満開の桜色 高校サッカー

昼下がりの埼玉スタジアム。そこには青春がきらめき、緑の風が吹き抜け、新春の桜が満開となった。

全国高校サッカー選手権の準決勝。新潟代表の帝京長岡は2年連続で勇躍した。

相手は選手権、インターハイ優勝経験校の山梨学院。その相手に前半いきなりの失点。後半もロングスローからゴールを決められて0-2のビハインド。私はもうダメだろうと思った。あとは試合終了のホイッスルが鳴るのを待つだけなのかと。

しかし帝京イレブンは、ここであきらめない。ショートパスを次々と決めて、反撃の好機をうかがう。

そこに青春のきらめきを見た。まぶしすぎるほどに。緑色のユニフォームをまとった帝京長岡は全力疾走をやめない。だから、こぼれ球を面白いように拾う。

会場の埼玉スタジアムに緑の風が吹き続けた。選手たちの速さに、そう思えた。

ショートパスを前線につなぐと、川上航立主将がダイレクトで右足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。1-2。

緑の風はさらに吹き続ける。むしろ、緑の芝がうごめいているようにも見えた。地殻変動が起こり、それは山梨ゴールへと、怒涛のように迫り続けた。それぐらい帝京が流れをつかみ、動きが良かった。

そして後半31分。パスをつないで、ペナルティーエリア内にボールを送ると、受け手の広井選手が倒されてPKを獲得。川上主将が冷静にゴール中央にふわりと蹴り込んで同点に追いついた。劣勢からの同点劇。あきらめずに追い続けた結果だ。

同点のまま、試合終了。残念ながら、PK戦では1-3と敗れた。しかし、90分で同点。決勝進出校を決めるためのPK戦であり、きみたちは負けてはないのだ。

そのPK戦。1年生のGK佐藤選手は、右へ左へと飛んで、相手2人のシュートをセーブした。ピンクのGKのユニフォーム姿。新春の桜が満開しているようだった。


昨年は準決勝で青森山田に1-2と敗れた。しかし、今年は同じ準決勝で2失点を喫しながら、粘りに粘って追いついた。

この試合の先発メンバーのうち、1、2年生が7人いる。この経験を来年に生かせれば、県勢初となる決勝進出も夢ではない。

また、緑の風が吹き、桜が満開とあるシーンを見られると、期待したい。

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