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「大谷選手にすべきか、ジャッジ選手にすべきか、それが問題だ!」。歴史に重きを置けば「オオタニサン」有利か

「生きるべきか死ぬかそれが問題だ」とは、かのシェークスピアが「ハムレット」の中で書いた有名なセリフ。同様に悩ましいのが。メジャーリーグのア・リーグMVP争いだろう。エンゼルスの大谷翔平選手(28)にすべきか、ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手(30)にすべきか、それが問題だ。シェークスピアも天国で悩んでいるだろうか。

5日(日本時間6日)に行われたメジャー最終戦に、大谷投手が先発登板。アスレチックス打線を相手に5回1失点に抑えた。これで今季の投球イニングを166回として、投球の規定回数に到達したのだ。

すでに今季、「二桁勝利、二桁本塁打」を達成している大谷選手にとって、打席でも投球回数でも規定回数を超えて、「投打二刀流」を本格的に達成した新たな勲章となった。

大谷選手の奪三振219個はリーグ3位、防御率2.33は4位、勝利数15も4位タイ。いずれもトップクラスの成績を収めた。打撃の本塁打34本は4位、打点95も7位と、投打で際だっている。

一方のジャッジ選手は本塁打でア・リーグ記録を更新する62本をマーク。打点でも
131点として2冠王に輝いた。打率は3割1分1厘でリーグ2位だったが、最後まで三冠王を射程圏内に捉えていた。

特に4日(日本時間5日)に放った62号は見ものだった。レフトスタンドへ放った一発。打球がスタンドへ向かう瞬間に、一人の男性が最前列から飛び降りたのだ。なんと、打球がスタンドから跳ね返って落ちてくると予測して、そのボールを確保しようとしたらしい。そんな「珍事」が起こるほどに、「62本目」のホームランは期待されていたのだ。

2人のハイレベルすぎるMVP争い。どちらかを選ぶというのは酷な話だ。どちらも十分に受賞に値する活躍を見せてくれた。どちらかを選ぶことは、どちらかを切ることになる。そんなことができるだろうか。

私はジャッジ選手が、三冠王+リーグ新記録の本塁打を達成すれば、ジャッジ選手が選ばれるだろうと、予測していた。しかし、わずかに打率でツインズのアラエス選手の3割1分6厘に、5厘差届かなかった。そうなると、104年ぶりの「二桁勝利、二桁本塁打」に加え。て、投打で初となる規定越えを果たした大谷選手に分があるようにも思える。

米国人は歴史にこだわる人々だ。1776年にイギリスからの独立宣言を公布した。ヨーロッパ諸国と比べると、歴史は浅いため、それがコンプレックスにもなって、歴史に対する敬意にもつながっている。

その視点だと、ジャッジ選手の62年ぶりとなるリーグ本塁打数の更新よりも、大谷選手の104年ぶりとなる「二桁勝利、二桁本塁打」の偉業に、重きを置くような気がするのだ。

「大谷選手にすべきか、ジャッジ選手にすべきか、それが問題だ!」

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