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大相撲の「千秋楽男」。霧馬山が逆転で初Ⅴ。結びの一番、優勝決定戦で大栄翔に連勝しての賜杯。終わり良ければすべて良し

大相撲の「千秋楽男」と言っていいだろう。関脇の霧馬山が千秋楽で本割、優勝決定戦で小結の大栄翔に連勝し、初優勝を成し遂げた。これまで千秋楽にめっぽう強い力士。今場所でも、その実績通りに勝って、初の賜杯を手にした。

千秋楽の霧馬山は過去、幕内18場所で15勝3敗。勝率8割3分3厘と圧倒的な力を誇っていた。

まさに「千秋楽男」。その強さが今場所でも披露された。14日目を終えて11勝3敗。12勝2敗で優勝に王手をかけていた大栄翔を追いかけての千秋楽だった。

その千秋楽は結びの一番で霧馬山と大栄翔がぶつかる好取組。立ち合いで両者が激しくぶつかった後、霧馬山は大栄翔の突きとのどわで土俵際に追い込まれた。ここで右にかわした霧馬山。大栄翔を突き落としで下す。これで12勝3敗と2人が並んだ。優勝決定戦へ。

その決定戦は、まるで本割のリプレーを見ているようだった。大栄翔の突きとのどわで、またも霧馬山が土俵際へ。ここでも、右にかわした霧馬山が大栄翔を突き落とした。

軍配は「霧馬山」。ただ、ここで物言いが出た。ばったり倒れ込んだ大栄翔の手と、霧馬山の左足が同時に土俵の外を割ったように見られたためだ。

協議の末のアナウンスは「大栄翔の手が(着くのが)早く霧馬山の勝ちといたします」。霧馬山の逆転優勝が決まった。

霧馬山は天を見上げた。念願の初優勝。水色のタオルで目頭をぬぐいながら花道を引き揚げた。

モンゴル出身の霧馬山。遊牧民の家で育ち、乗馬やモンゴル相撲で足腰を鍛えた。その強みが本割、優勝決定戦で粘りを生んで、逆転優勝につながったといえるだろう。

千秋楽での強さが初優勝を生んだ。今場所は7日目までに4勝3敗と、優勝どころか勝ち越しも危ない状況だった。しかし、8日目から7連勝。そして千秋楽でも勝ち、優勝決定戦も白星を挙げて初の賜杯を手にした。

先場所は小結で11勝。今場所は12勝。大関昇進の目安は「3場所連続で三役(関脇・小結)の地位にあり、通算勝ち星が33勝」とされる。来場所で10勝以上挙げれば、大関の座が見えてくる。

逆転でつかんだ初の賜杯。大きな自信となっただろう。この勢いで、大関昇進をつかむことができるか。

「千秋楽男」の来場所が楽しみだ。

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