沖縄から夏の白球前線。高校野球選手権の地方大会開幕。宮古工・宮古総合実の連合チームが一番星。球児たちの熱いドラマにエールを送りたい
沖縄から夏の白球前線。高校野球選手権大会の地方大会が開幕した。17日に沖縄でプレーボール。宮古工と宮古総合実の連合チームが夏の一番星となった。甲子園に向けて、高校生たちの熱いドラマが今年も始まった。
各地で春季大会が終わり、全国のチームが夏に向けて態勢を立て直す時期だ。そんな中、沖縄では夏の大会がスタートを切った。試合を通じて、選手たちは成長し、たくましくなっていく。沖縄の選手たちはほかの地域に先駆けて、夏のドラマの主人公になる。
17日の開幕日。沖縄の開会式は雨の影響で、予定されていた沖縄セルラースタジアム那覇でなく、隣接する屋内施設で行われた。
それでも沖縄で全チームがそろって開会式が行われるのは4年ぶり。全60チームが顔をそろえた。2020年は大会が中止。昨年、一昨年は開幕試合に臨む2チームだけだったことを思えば、全チームが一堂に会するのは「祝祭ムード」が漂ってきて晴れやかだ。
沖縄セルラーで行われた開幕試合。宮古工・宮古総合実の連合チームが、昨秋、今春の県8強の沖縄工に挑んだ。
連合チームは2校合わせて選手は13人。宮古島にある2校は車で10分の距離にある。部員減少で、数年前から毎日のように合同練習をしている仲だ。日頃の練習がチームワークを強くしていった。
開幕試合では、2年生右腕の宮里大耶投手が躍動した。自己最速となる144キロをマークし強豪相手に9奪三振3失点の好投。連合チームは8-3で勝ち、夏の一番星となった。
昨秋、今春と初戦敗退が続いていただけに、一番星となった喜びもひとしおだ。試合後の校歌は、最後の夏となる3年生部員のいる宮古総合実が場内に流れた。
連合チームを率いる宮古工の新川将太監督は「1、2年生には『3年生を勝たせよう』と話してきたので、本当にうれしいです」と振り返った。
次戦で勝てば、宮古工の校歌を流す予定という。相手は今春優勝の日本ウェルネス沖縄だ。強豪との対戦が続く。しかし宮里投手は「名前負けせず、自分たちの力を出したい」と前向きだ。
チームの絆が強くなった宮古工と宮古総合実の連合チーム。初戦を突破して、勢いは増しているはずだ。試合を通じた選手たちの成長が、高校野球の魅力なのだ。
白球前線は今後、日本全国へ北上していく。高校球児が生み出すドラマに熱いエールを送りたい。
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