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ピンチに陥っても前進していける。ロッテ佐々木朗希投手の粘り強い投球。4安打3四死球を許しながら3回無失点。被災した人たちへの力強いエールに思えた

どんなにピンチに陥っても、人は前進していける。東日本大震災から13年。ロッテの佐々木朗希投手(22)が見せた粘り強い投球は、大震災や今年元日の能登半島地震に見舞われた人たちへのエールとなったはずだ。10日の試合では4安打3四死球を許しながら3回無失点に抑えた。自らも大震災の被災者だった佐々木投手。粘り強く一歩一歩前進している。

10日にホームのZOZOマリンスタジアムで行われたソフトバンクとのオープン戦。佐々木投手は先発マウンドに立った。

初回から制球に苦しんだ。先頭打者にいきなり二塁打を浴びる。2死を取るなどしたが、4番打者に四球を与えて、2死一、三塁のピンチは続く。しかし5番のウォーカー選手を空振り三振に抑えて無失点で切り抜けた。

二回も先頭打者にヒットを打たれた。1死後にサードへの内野安打を許し、自らの暴投も重なって1死二、三塁のピンチに。しかし9番甲斐拓也選手にはこの日最速となる157キロの直球で見逃し三振を奪った。

その後、四球で満塁としながらも、2番今宮健太選手にはフォークで落として空振り三振を奪い、この回もピンチを切り抜けた。

三回にも死球と内野安打を許し1死一、二塁と得点圏に走者を抱えた。それでも続く牧原大成選手を空振り三振、川村友斗選手をセカンドゴロに打ち取り、危機を逃れた。

4安打3四死球と毎回得点圏に走者を置くピンチだった。それでも佐々木投手は5三振を奪うなどして3回無失点で乗り切った。粘り強いピッチングが光った。

13年前の3月11日。岩手県陸前高田市で小学3年生だった佐々木投手。この日の大震災で被災し、父の功太さんと祖父母を失った。

小学3年生で高田野球スポーツ少年団に入った佐々木投手。同じ学年の時に被災。野球人生を本格的に始め、そして大事な人を失った。大船渡市に移ってからも野球を続けた。困難に直面しながらも、野球人生を歩み続けた。

オープン戦の試合後に佐々木投手が語ったのは「僕にできることは野球を頑張ることだと思う。そこに集中して頑張りたい」。ピンチに陥りながらも無失点の投球。自分にできることを通じて、大震災や能登半島地震などで被災した人たちにエールを送ったように感じた。

ピンチに陥っても、人は前進していける。この日の佐々木投手の粘り強いピッチングと重なり合った。佐々木投手の一球一球には、力強いエールが込められているはずだ。

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