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高松一高へ73年ぶりに春の便りは届くか。部員13人で奮闘。選抜21世紀枠の候補校9校決定

来年3月に行われる第94回選抜高校野球大会。その21世紀枠の候補校9校が発表された。このうち3校が選抜切符を手にする。候補9校の中には、部員たった13人の高松一(香川)も含まれている。選抜に行くとなると、73年ぶりの春の便りだ。

高い進学実績を誇る県内トップクラスの進学校だ。学校創立は1928年。香川で唯一の市立高校でもある。

野球部員は1年生4人、2年生9人。この人数で、今秋の県大会初戦で、丸亀城西に3-1と競り勝った。相手は春夏14度甲子園に出場しており、直近でも2018年の第100回夏に甲子園の舞台を踏んでいる。

そんな相手に七回まで0-1とリードを許しながら、八回に追いつく。そして九回に2点を勝ち越して、勝負強さを見せて勝ち名乗りを上げた。

次戦も選抜に出場経験のある小豆島中央に、これまた3-1で勝利。8強入りを決めた。この試合では初回に2点を先制すると、三回に1点差に追い詰められるが、八回に待望の追加点を挙げて、突き放した。

準々決勝ではコールド負けを喫したが、「部員13人の奮闘」は高く評価されて良いと思う。毎日の練習時間は2時間を切り、日ごろからの奉仕活動にも力を入れているようだ。

高松一が甲子園に出場したのは、過去に4度。春は1度。1949年の第21回選抜で8強入りしている。夏は3度で、最後に出たのは1972年の第54回選手権だ。

春は70年以上前の話だ。夏を含めてももう半世紀近く甲子園から遠ざかっている。これだけの年数があれば、21世紀枠の基準も満たす。

かつて「怪童」と言われた中西太さん(88)の母校でもある。西鉄ライオンズで活躍し野球殿堂入りしていたレジェンドだ。中西さんは3度の甲子園に出場している。

今回の候補選出に、中西さんは「もし甲子園に出場することが現実のものとなれば、高松の皆さんは喜ぶでしょうね」と語った。私もかつて高松の居酒屋に寄った時に、男女2人の店員さんと高松の高校野球ネタで盛り上がったのを覚えている。高松は「野球の街」なのだ。

他の候補8校は、札幌国際情報(北海道)、只見(福島)、県太田(群馬)、丹生(にゅう、福井)、相可(おうか、三重)、伊吹(滋賀)、倉吉総合産(鳥取)、大分舞鶴(大分)。

選抜の出場選考委が開かれるのは来年1月28日。大会は3月18日に開幕する。春の便りが届くのは、どこだろうか。指折り数えて待つことにする。

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