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有り余る余白 《詩》

「有り余る余白」

不自然な程の有り余る余白

形容詞の選び方や句読点の打ち方が

何処か微妙に
ずれた文体の中に僕は居る


世間とは外れた場所で

僕の中の何かが進行している

少数者の為にある様な文章を好んだ

其れを読む人間なんて
ほとんど居ない


誰かが僕に占いを信じますか 

そう聞いて来た

僕は即座に興味は無いとそう答えた


其処に並べられた 

とりあえずの道具に

特別な価値と力が
あるかの様に話は進んで行く

僕は周りに居る登場人物を

立体的に見通し観察をする

道具はただの道具でしない 

何の価値も力も見出せない事を

はっきりと認識した

僕はノーと答えた

色々なものを失って行く過程と 

色々なものを積み重ねて行く過程

どちらを見るかにより
全ては変わって行く


目に見える形は失われても

其処に想いは残る 

其れは愛なのかもしれない


待ちかねた夜に 
君の鳴らす鐘の音が聞こえる

蟻は蟻として生きて蟻として死ぬ

其処に理由や他の選択肢は無い


其れを誰かのせいにしたいのなら

全て太陽が悪いんだ 

そう答えるしか無い

Photo : Seiji Arita

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