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知らなきゃ損!大手企業が芸術系出身者を重用する本当の理由(vol.3)

先日このマガジンのvol.1で、

シリコンバレーの大手企業が

こぞって芸術系出身者を重用している

というお知らせをしました。

「でも、それってアメリカの話でしょ?」

「日本ではそんなことないんじゃない?」

と思いませんでしたか!?

ところが・・・

日本にも

来ているんです!

その波が!!!

しかも・・・

大手企業はもちろん

なんと

公務員にまでも!!!

今日はそれについて
ご紹介したいと思います。


たとえば

三井不動産、アクセンチュア、DeNA、
そして神戸市役所・・・。

芸術系出身者向けの就職サイトには
こうしたところが名を連ねています。

その背景には近年の社会の変化が。


従来の日本といえば、高度成長期の均質で従順で
言われたことをこなすことのできる人材が
求められていました。

でも、iPhoneや各種SNSのような革新的な
デザインや機能を持ったサービスが脚光を浴び、
AIやITの発展でビジネスの世界でも変化の速い
時代となった今、

従来型の人材ではとても世界に太刀打ちできない
状況になったのです。

そうして訪れた日本経済の不調をきっかけに、
日本企業にも変化の兆しが。

同じような人材ばかりでは、この状況を
打破するような斬新なアイディアは出てこない。

そんな考えから、芸術系出身者に目が向くように
なったのです。

欧米のイノベーティブなビジネスと
戦っていくには、
芸術系出身者の力が必要だ。
そう考える日本企業が増えてきました。


「え?でも、芸術系出身者に求められるのは
デザイン力だけじゃないの?」

そう思ったアナタ!

実は、それだけじゃないんです。

・デザイン力
・企画力

はもちろんなのですが

最も重視されているのが

主体性と実行力



芸術系の大学では

美術系でも音楽系でも

・鑑賞者のニーズを考えること
・伝えたいメッセージを分析的に見定める姿勢
・制作や演奏やプレゼンの際、審査員に効果的な訴求を行う手法

などを学びます。

また、美術系では

デザイン思考

つまり

制作を計画し実現するために自ら課題を
見つけ出し、その解決策を模索する思考

も習得していきます。

こうした思考法が美大・芸大生の強みなのです。


「これが絶対に正しい」

という答えのない時代。

そんな時代には

・課題を発見し解決する力
・新しいものを生み出す力

のある人が活躍します。


美大に行くとか行かないとかではなく

そんな考え方ができる人に育てる。

それがすなわち、

新しい時代を生き抜く力のある人

に育てるということなのです。


ちなみに、

冒頭でもお伝えしたように

とてもかっちりしたイメージのある

公務員の世界ですら、変わり始めています。


たとえば神戸市役所では、平成19年度から
「デザイン・クリエイティブ枠」
と銘打った採用枠を設け、芸術系の大学・
高専・短大の卒業生に門戸を広げています。

“住み続けたくなるまち、訪れたくなるまち、
変化し続けるまち”を目指し、
都市の価値を上げるプロジェクトを
手掛けている神戸市。

デザイン・クリエイティブ枠での
採用者に対しては

「芸術的なスキルではなく、作品制作を通して
培った創造性や実行力、デザイン的な思考力を
より広い領域で発揮してもらいたいという
思いがあります​​」

と話すのは人事担当者。


一見クリエイティブとは対局にあるような
イメージの公務員の世界ですが、

そこですら、求める人材像が大きく変化
してきている。

私たちはそうした変化をよく理解して
子育てをしていく必要がある。

そんな時代の真っ只中に生きているのです。


【参考URL】

・​​三井不動産、アクセンチュア、DeNA…「美大・芸大生」が超人気企業からバンバン内定を取れる本当の理由 求めるのは絵画や音楽の才能ではない…アート人材の凄い能力​​​​​​https://president.jp/articles/-/57079

・「美大生は就職できない」は勘違い。ムサビで聞いた、美大のキャリア最新事情
https://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/entry/inui15

・​​学部・学科別の就職対策 美大、芸大生の就職事情を解剖!大手から採用される理由
https://avalon-consulting.jp/blog/university-of-the-arts-employment


子育てにまつわるあれこれを綴っていきます。専門知識に基づいたことから日々の中で感じたことまで。保育系大学専任講師を経て、現在は、学童保育施設代表、子育て支援施設主宰、教育研究所所長、保育園理事。博士(教育学)。小学生の一男一女の子育て中。