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世界のシステムについて考えさせられた本【徒然読書④】

こんにちは、Yuriiiです。

今回の本は、タイトルに惹かれて購入した本です。

正直内容は難しい!!分からない概念が多すぎる!!って感じでしたが、こういう見方もあるんだ、こういう概念もあるんだとすごく勉強になりました。

さらに学びたいことも出てきたので、細かい部分は別の記事に書こうと思います。


この本の内容を、全体的に言いますと、「ブラックボックス」を軸にして、不可視化されている世界をみるという感じです。

ブラックボックスというのは、操作方法は分かるけれども、どうしてその操作でこうなるのかといった実際の仕組みが分からないという意味です。

プログラミング関連だと、ブラックボックステスト・ホワイトボックステストがあります。

以下引用部分は、すべて『書物と貨幣の五千年史』からになります。

文字は「文字以前にあった固有の存在がもつ多様性」を不可視化しています。

「本」という文字があるとすると、その「本」がマンガなのかどういうタイトルなのか、古本なのかといった情報は消されます。

固有ではなくて、共通部分のみが前面に押し出されるのです。

その文字で表されるまでに、どれだけの情報が取捨選択されて、背景が不可視されて、いるのでしょうか。

歴史を学んでいるときによく言われていたのが、「この史料が書かれた時代や作者の立場、背景を理解して、どこが使えるのかどこが歪曲されているのかを意識しなさい」ということでした。

作者が○○に賛成とか反対だったら、そのバイアスが史料に現れます。

また、○○が実際に行われた時代に作者が生きていたのか、後世で書かれたのか、によっても情報は変わります。

これが文字史料の怖さでもあり、面白さでもあるのかなと、引用箇所を読んで思いました。

人類の歴史は情報を不可視化して入れ子構造のブラックボックスにしていく過程としてみることができます。より多くの、より遠くからの情報を、より軽くして、より広く人々に伝えられるようにと発達してきた情報技術は、その発展の過程で様々な物事を不可視化してブラックボックスのなかへとたたみ込んできました。

言語や、貨幣、帳簿、仮想通貨、iPhone・・・身の回りのモノはブラックボックスとなっています。

本文では触れられていませんでしたが、NFTもブラックボックスの一種と言えるのではないでしょうか。

音声AIの登場、浸透によって、さらなるブラックボックスが訪れるとも書かれています。

誰が、何が、なぜ、どのように語りかけてくるのかが不可視化される、かつてないブラックボックス化の時代が遠からず訪れるでしょう。

そのとき私たちは、「目に見えるモノ」をすべて信じることができるのか、「自分がみたモノ」を信用できるのか、といった判断も求められそうです。

今私が読書日記として、書いていますが、あなたが実際にこの本を読んでみると、どれだけの情報が消されているのかがわかるでしょうし、意図の捉え違えも見つかるかもしれません。

何気なく目にしているモノでも、それを生み出すシステムを考えようとする姿勢を持ち続けたいものです。


以下初めて知った概念リストです。

わたしなりにまとめているので、原文通りでない箇所があります。
ご了承ください。

【ラカンのRSI】
ラカンは20世紀後半のフランスを代表する思想家、精神分析家。
人間の精神を「現実界、象徴界、想像界」からなるとし、人間が人間になっていく発育過程に適用して説明した。
【スティグレールの第三次過去把持】
スティグレールはデリダのもとで学んだ。
フッサールの第一次過去把持、第二次過去把持の概念を、拡張した。
・第一次過去把持→実際に見聞きしているときの知覚のなかに保存されているもの
・第二次過去把持→
記憶のなかで保存されている
・第三次過去把持→レコードみたいに自分の記憶ではなく外部記憶の機能
【ユク・ホイの「宇宙技芸」】
スティグレールのもとで学んだ香港の哲学者。
他者や他文明によってすでにブラックボックス化されてしまったものを「自分のものにするappropriate」ために行なう「操作」に自覚的になる。
ヨーロッパ的世界観を変えようとしている。

他にも、

・クロソウスキー『生きた貨幣』「基体」
・ホルヘ・ルイス・ボルヘス『バベルの図書館』

など出てきましたが、まとめきれないので、読み返したときにまとめれたらまとめてみます。


ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

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