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自選集:詩

35
密室で延焼する憎悪と、古戦場に揺れる花と。
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#日記

寂しいから余裕がなくなる。余裕がないから嫌われる。嫌われるから寂しくなる。

寂しいから余裕がなくなる。余裕がないから嫌われる。嫌われるから寂しくなる。

寂しいから弱くなる。寂しいから頑張れなくなる。寂しいから尊重できない。口だけになる。

寂しいからどこまでも譲歩してしまう。寂しいから都合のいい存在にしかなれない。つけあがらせる。どこかへ行ってしまうのを見送るだけ。

寂しいから自分の価値が下がる。寂しいから鍛えられない。寂しいから進めない。弱さで人を惹きつけられる存在に一番嫉妬してる。崩れていく。

寂しいから勝たないといけない。でも寂しいから

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皆、去っていった。僕だけが大人になれなかった。雨の日。

皆、去っていった。僕だけが大人になれなかった。雨の日。

本当はわかっていた。どうにもならないし、どうにもなっていなかったことに。

周りを見渡すと劣等感しかない。すげー優秀じゃん。この人らは日々鍛錬し、積み重ねてきた人なんだなということが見て取れる。

器用だなー、小気味よくテキパキこなしていくなー。安定感あるなー。それだけ繰り返してきたってことなんだろうなー。

自分はゴミだなー。少し仲良くしてくれる人がいるのは、僕が奇抜な行動に出て悪目立ちしている

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人と比べて自分に無いものを数えるより、まだ有るものを活かしていたい。どんな人間も最後には土へと還り、骨しか残らない。最期に向き合うのは、別れを告げる世間の目線ではなく、もう偽れない自分の本心。あの世にはどんな財産も持ってはいけない。精一杯やった満足感だけが、静かに瞳を閉じさせる。

物事の解釈は時と共に推移していく。熟考した岐路での決断についてさえ、後にならないと自分の心がはっきりしない事もある。壊さないと作り直せない。殻を破る時には痛みを伴う。馬鹿げた失敗だと思っていた行動が、後に強烈な存在感を放つ重要な布石として輝き出す。熟練の囲碁打ちの一手のように。

[日記2 3/24] 骨は捻じ曲がり、満足に立てない。心は奇妙なこだわりから自ら砕いた。血は青い。瞳は見当外れの怒りに燃えている。口角は道化師のように吊り上がる。そんなヒトモドキが見た幻覚を根拠に、正しき人々の異端審問が行われる。その幻覚は、ヒトモドキ自身の罪科を写しているのに。

[日記 3/24] ここは汚れ過ぎてる。もう壊れてる。あの雄々しさはもはや過去。期待するのはやめよう。大本営発表みたいな話を真に受けるなんて馬鹿げてる。自分だけでもうまくやる方法を考えないと。今は不正義でもいい。この場所が終わるとき、この場所のルールも同時に息を引き取るのだから。

街を歩く

街を歩く

どの大陸の海岸と繋がっているのか、溢れかえるような人の波

都会の中で「悪人」も一瞬だけ違う表情を見せることがある

僕は少しの戸惑いを覚える 抱える

君の苦労が報われていればそっちが表の顔だったのかな

誰も彼もが火の車 心が腹ペコ状態

他人をだましてでも今日の晩飯を手に入れていく

僕も例外じゃないけどね

「飾らない姿なんて見せられるわけないじゃない」と

手首に傷痕のある夜の蝶の声が聞

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「これが僕の欠点? 君の弱点の間違いじゃないか? 君にとっての不都合だから、そんなに大きな声を出しているんだね。だったら何度でも何度でもリピートしてあげるよ。核心突いてくよ。これは僕にとっての長所だ。黙らせたくてたまらないのなら、叫んであげるね。一人でも多くの人に届くようにね?」

全員が付いてこれるとは思っちゃいない。同じ地点に留まりたい人達は、僕らが危険を承知で向こう側に歩き出そうとしたり、真実を探し求めている姿を見るだけで強い劣等感を覚えていることも知っている。それでいい。ここから先は勇気のある者だけで進む。じきに冬が来る。早く不毛の大地を抜けないと。

いや綺麗事じゃなくてさ。現実にはそんな理屈なんかじゃとても捉えられない、うまく言葉にできなくて混沌としていて破壊的な体験がある。何も見えなくなってただ溺れて、それでも陸地を目指してあがくかのような。きっとそれこそが自分を自分たらしめる。書き残せるものがあるとしたらそういう話だ。

風静

午前1時

パソコンを消し テレビを消す

スマホを置き 心も置く

窓の外の声を聴く 自分の内なる声を聴く

疲れが渦巻く 喧噪も渦巻く

まだ残像がちらついてる まだ気配が息づいてる

小さじ一杯の孤独と 小さじ一杯の後悔が

でも
自分と信号機だけが呼吸するこの時間に
渇いた風が吹きぬければ

あとはもう 鈴虫の音だけ

noteはじめました。過去作のご案内。

今日からnoteはじめました。更新頻度はそれほど高くないかもしれませんが、続けていきたいと思っています。
まだ作品数が少ないので、ブログで書いた過去作も置いておきます。
ブログの方は、ゲーム系の内容が中心です。小説や音楽の感想・エッセイもいくつか書いています。

短編小説:『桜は、窓の外にだけ咲く』

詩1:「蜃気楼:棚から降ってきた非難の声と、一歩だけの歩行」
詩2:「灰色の小人たち」「朝の喫茶

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