Jリーグと東京五輪の取り組み事例|カーボンオフセットについて
SDGsは、あらゆる業界で取り組まれています。もちろん、スポーツの分野においても同様です。スポーツを通した、健康や地域活性化に貢献する活動が注目されますが、近年では環境保全活動に重きが置かれているようです。
キーワードとなるのが「カーボンゼロ」。
今回は、SDGsの内容と合わせて、Jリーグと東京五輪における取り組みをご紹介します。
SDGsの基本内容と17個ある目標をチェック
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、2015年に開催された国連サミットにて採択された『2030アジェンダ』を実現するための国際的な目標です。
主に、深刻的な社会問題の解消、そして、持続可能な社会の構築を目的として、2030年までと期限を設けて取り組まれています。
✅2030アジェンダ仮訳資料
我々の世界を変革する:持続可能な開発のための 2030 アジェンダ
SDGsを構成しているのは、17の目標です。それぞれの目標には、目標達成に必要なことがまとめられたターゲットが複数(合計169個)設定されており、千差万別な取り組みに統一性を持たせています。
以下に目標をまとめたのでご覧ください。
✅SDGsの目標一覧
・目標1「貧困をなくそう」
・目標2「飢餓をゼロに」
・目標3「すべての人に健康と福祉を」
・目標4「質の高い教育をみんなに 」
・目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
・目標6「安全な水とトイレを世界中に」
・目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
・目標8「働きがいも経済成長も」
・目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
・目標10「人や国の不平等をなくそう」
・目標11「住み続けられるまちづくりを」
・目標12「つくる責任 つかう責任」
・目標13「気候変動に具体的な対策を」
・目標14「海の豊かさを守ろう」
・目標15「陸の豊かさも守ろう」
・目標16「平和と公正をすべての人に」
・目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」
▼ターゲットはコチラ
それでは、取り組み事例を見ていきましょう。
Jリーグのクラブチーム「横浜FC」がカーボン・オフセット制度の活用をスタート!
日本の環境保全目標のひとつに「2050年までにカーボン実質ゼロ(カーボン・オフ・セット)」というものがあります。
✅カーボン・オフ・セットとは
経済活動において発生する、削減努力では対処しきれない温室効果ガス(主に二酸化炭素)排出量を、その他の場所での環境保全活動で埋め合わせをし、カーボン実質ゼロを目指す取り組みのこと。
Jリーグでは、1993年の創設時から、ホームとなる地域での社会貢献活動が義務付けられており、近年は、環境保全活動にまで発展。なかでも重視されているのが、カーボン・オフ・セットへの取り組みです。
カーボンオフセットのポイントは以下の通り。
・経済活動で排出される温室効果ガスの量を把握する
・カーボンゼロを目指し、温室効果ガスの削減に努める
・削減しきれない部分をその他の環境保全活動で補う
地域から日本全体に取り組みを拡大していく上で、地域に根付いたJリーグクラブチームの活動は重要な役割を担っています。
2020年10月18日、J1チームで初めてカーボン・オフ・セットを実現する試合を行ったのが横浜FC(対戦相手:FC東京)です。横浜FCのホームグラウンドである横浜市が実施する『横浜ブルーカーボン事業』を活用する形で試合が行われました。
✅横浜ブルーカーボン事業とは
海洋生物によって吸収・固定される炭素『ブルーカーボン』と、海を利用する省エネ・CO2削減活動『ブルーリソース』によって、地球温暖化対策をし、”親しみやすい海づくり”を進める活動のこと。
試合のオフセット対象は、来場者1人あたり1kg分のCO2。地球温暖化対策活動に多大な貢献をしました。
2019年から横浜市とECOパートナー協定を結び、カーボン・オフ・セットをはじめとする地域の環境保全活動に取り組んでいる横浜FCは、試合を通して、今後のJリーグにおける運営方法をステークホルダーに示しています。
東京オリンピックはカーボン・ゼロを目標に掲げた初めての大会
現在、開催されている東京オリンピックとパラリンピックは、「可能な限りの省エネ・再エネへの転換を軸としたマネジメントを実施することにより、世界に先駆けて脱炭素化への礎を全員参加で築く」と明言している通り、カーボン実質ゼロを目指す初めてのオリンピックです。
再生可能エネルギーを活用することでCO2を削減し、削減しきれない分は排出クレジットによってカーボンゼロを実現します。
✅東京オリンピックのカーボン・オフ・セット条件
・プロジェクトは「追加的」でなければならない。
・カーボンクレジットの二重カウントを避けなければならない。取引を記録し、客観的な検証を可能とする独立したシステム(登録簿や取引ログ)が必要。
・プロジェクトは、独立した監査機関によって、有効化および検証されなければならない。
・プロジェクトは、対象地域の社会・経済・環境に対して、悪影響を与えず、むしろ、便益をもたらすものでなければならない。具体的には、SDGsに対する貢献を説明できなければならない。
東京五輪のカーボン・オフ・セットが成功すれば、あらゆる分野において模範として扱われることになります。
最新のSDGs情報を知るのにおすすめのサイト3選
①FRaU
SDGsに特化した女性誌『FRaU SDGs』を発刊している講談社のSDGsサイト『FRaU』は、ファッションアイテムやスキンケア、食など、女性に特化したSDGs情報を厳選して届けています。
②2030SDGsで変える
朝日新聞の取材力を活かしてSDGsに関する内容のみをピックアップする『2030SDGsで変える』は、社会問題や政策といった内容から、ホビー・カルチャー・観光といった内容まで網羅。
SDGsのほか、サステナブルやエシカルについても知ることができます。独占情報も数多く掲載されているの点にも注目です。
③BIGLOBEニュース
地域の情報やアンケート調査結果、SDGs関連グッズの紹介など、SDGsに関することを幅広く知りたい方におすすめのサイトです。
1日に何本もの記事がアップされます。
日本各地の情報を知りたい方は是非チェックしてみてください。
まとめ
今回は、SDGsについて、そしてスポーツや街づくりに関連する取り組み事例をご紹介しました。
✅今回ご紹介した内容
・SDGsの基本内容
・横浜FCによるカーボン・オフ・セット活動
・東京オリンピックのカーボンゼロ
・SDGsの最新情報を知りたい方におすすめのサイト
SDGsに取り組み事例は、日々増えています。ご紹介したサイトやこちらのnoteと合わせて、ぜひSDGsの情報をチェックしてみてください。
▼参考サイト
・環境ビジネスオンライン|気候変動×スポーツ プロスポーツが脱炭素化に取り組む意義とは
・ノハム|SDGsに貢献するエコなアイディア商品を紹介します!
・ノハム|SDGsとは?わかりやすい本・書籍を紹介します
・毎日新聞|脱炭素化~2050年の社会像 脱炭素社会「地方にポテンシャル」 小泉環境相が描く“温室効果ガス50年ゼロ”の道
・System Forest|トップページ
・WWF JAPAN|1.東京大会「脱炭素の取り組み」の評価
・MIRAI PORT|SDGs未来都市の取り組みに迫る 岡山県真庭市、独自の発展モデルとは?
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