SDGsの目標5とは?意味や事例について解説します
SDGs目標5は、ジェンダーに関することを定めた目標です。
最近、日本でも男女平等の流れが進められているほか、多様性が受けられる社会にもなってきましたね♪
今回は、日本にも大きな影響を与えているSDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」について詳しくご紹介します。
■SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」が目指す社会とターゲット一覧
SDGs目標5は、”ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図る”ことを目指した目標です。
体格の違いや社会上の役割、また、国や地域の文化、宗教などから、「男の子だから」や「女の子だから」などの差別が生まれてしまいます。
目標5では、こういった男女差別を改善することが目的です。
ターゲットを見ると、ジェンダー平等のために必要なことが分かります♬
【目標5ターゲット一覧】
5.1)あらゆる場所におけるすべての女性および女子に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。
5.2)人身売買や性的、その他の種類の搾取など、すべての女性および女子に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する。
5.3)未成年者の結婚、早期結婚、強制結婚、および女性器切除など、あらゆる有害な慣行を撤廃する。
5.4)公共のサービス、インフラ、および社会保障政策の提供、ならびに各国の状況に応じた世帯・家族内における責任分担を通じて、無報酬の育児・介護や家事労働を認識・評価する。
5.5)政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参加および平等なリーダーシップの機会を確保する。
5.6)国際人口開発会議(ICPD)の行動計画および北京行動綱領、ならびにこれらの検討会議の成果文書に従い、性と生殖に関する健康および権利への普遍的アクセスを確保する。
5.a)女性に対し、経済的資源に対する同等の権利、ならびに各国法に従い、オーナーシップ、および土地その他の財産、金融サービス、相続財産、天然資源に対するアクセスを与えるための改革に着手する。
5.b)女性のエンパワーメント促進のため、ICTをはじめとする実現技術の活用を強化する。
5.c)ジェンダー平等の促進、ならびにすべての女性および女子のあらゆるレベルでのエンパワーメントのための適正な政策および拘束力のある法規を導入・強化する。
ターゲットをご覧いただくと、未成年の結婚や女性器の切断などの途上国における女性を差別する慣習を無くすこと、そして女性の地位を向上させることでジェンダー平等を実現しようとしていることが分かります。
次項では、世界の現状について見ていきましょう。
■目標5が必要とされる理由|世界と日本の現状
①児童婚
世界には女性よりも男性を優先させる文化があります。
例えば、兄妹を学校に通わせるのが経済的に困難な場合は、兄の方を優先させて学校へ通わせ、妹の方は家事を手伝わせるなど。
そのなかでも深刻化している問題が「児童婚」です。
世界では毎年約1,200万人、1日3万人の女の子が18歳未満での結婚を強いられているとの報告が公表されました。
ユニセフでは、2030年までに児童婚の慣習が無くならない場合、新たに1億5,000万人もの女の子が児童婚をすることになるとしています。
gooddoマガジンに掲載されている、国際開発センターと国連広報センターの情報をまとめた情報によると、全世界で15~49歳までの35%の女性が性的な暴力を受けていると解説。
性別が女性であるからという理由で心身に深刻なダメージを負っているという現実があります。
②日本の現状
世界経済フォーラムの年次総会「ダボス会議」では、毎年SDGsに取り組んでいる国を対象に、その達成度をランキング形式で発表しています。
▼SDGs達成度ランキングについて
ダボス会議では、ランキングのほかに国ごとの評価も発表。
それによると、目標5が日本にとって最大の課題であると評価されており、女性の社会進出や男女平等の推進が求められています。
日本政府が2016年に公表したSDGs実施指針も2019年にジェンダー平等の実現を追加される形で改定されました。
【SDGs実施指針改訂版8つの優先課題】
1. あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現
2. 健康・長寿の達成
3. 成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
4. 持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備
5. 省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会
6. 生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
7. 平和と安全・安心社会の実現
8. SDGs実施推進の体制と手段
男女平等の指標となる議員の女性比率も、世界平均が24.3%となっているところ、日本では10.2%と約半分になっています。
日本で暮らす私たちも意識の改革が必要なようです。
■企業による目標5取り組み事例①「JAL」
育児や介護といったライフスタイルの変化に伴ってキャリアを継続することが困難になってしまうケースが多々あります。
JALでは、2016年に自宅以外の場所でのテレワークを開始し、2019年度には年間36,000人を超える従業員が利用しました。
2017年からは休暇期間中にテレワークでの業務を認める「ワーケーション」を、そして2019年には出張先で休暇を取得できる「ブリージャー」を導入するなど、働き方改革や新たな休暇制度を次々と導入しています。
■企業による目標5取り組み事例②「ユニクロ」
ユニクロでは、LGBTQ+をはじめとする性的少数者への理解を深めると同時に、働きやすい環境を構築するための取り組みを実施。
そのうちのひとつが「パートナーシップ登録制度」。
パートナーシップ登録制度は、同性のパートナーがいる従業員がパートナーシップ登録をすることで、慶弔休暇や慶弔見舞金などの福利厚生を受けることが可能となる制度です。
SDGs目標5には、LGBTQ+に関するターゲットが盛り込まれていませんが、昨今増えているジェンダー平等とともに取り組む企業の代表例と言えます。
■企業による目標5取り組み事例③「佐川急便」
佐川急便は、女性の就業機会の拡大に貢献することを目指し、地域展開を含めたサービスセンターを全国に325カ所設置しました。
また、女性従業員の活躍を推進するために、産休・育休者座談会や女性キャリア支援フォーラムの実施しています。2014年には、厚生労働省から子育てサポート企業として認定する「くるみんマーク」を取得しました。
■SDGs目標5についてのまとめ
今回は目標5「ジェンダー平等を実現しよう」についてご紹介しました。
【今回ご紹介した内容】
・目標5「ジェンダー平等を実現しよう」ターゲット
・児童婚について
・ジェンダーに関する日本の現状
・企業の取り組み事例①「JAL」
・企業の取り組み事例②「ユニクロ」
・企業の取り組み事例③「佐川急便」
ジェンダーに関する問題は日本でも早急に改善すべきことであることが分かりましたが、そのためには私たちの意識改革も必要なようです。
女性の社会進出を含め、社会の在り方の変革期とも言えますね。
▼参考サイト
・FROGS|SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」とは?日本の現状やいかに!?
・SDGs one by one|05.ジェンダー平等を実現しよう
・厚生労働省|くるみんマーク・プラチナくるみんマークについて
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