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SDGsの目標16とは?意味や現状について解説します

SDGs目標16のタイトルは「平和と公正をすべての人に」。

世界が目指す「平和」と「公正」とはどのようなものなのでしょうか?目標が必要な理由と合わせてご紹介します★

■SDGs17の目標をチェック

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2000年に採択され、2015年まで国際目標として多くの成果を挙げたMDGs(ミレニアム開発目標)。

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、MDGsが期限を迎えたことを受け、2015年に開催された国連サミット「持続可能な開発サミット」にて採択された新たな国際目標です。

MDGsが主に途上国を中心としたものであったのに対し、SDGsは「地球上の誰一人取り残さない」を原則に、先進国に関連する目標も設定しています。

現代社会の問題を解消することを主な目的としているSDGsを構成するのは、17の目標と169のターゲット。

以下に目標をまとめたのでご覧ください★

目標1「貧困をなくそう
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

・目標2「飢餓をゼロに
飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

・目標3「
すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

・目標4「質の高い教育をみんなに 
すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

・目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図る

・目標6「安全な水とトイレを世界中に」 
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

・目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

・目標8「働きがいも経済成長も」
包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

・目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る

・目標10「人や国の不平等をなくそう」
各国内及び各国間の不平等を是正する

・目標11「住み続けられるまちづくりを」
包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する

・目標12「つくる責任 つかう責任
持続可能な生産消費形態を確保する

・目標13「気候変動に具体的な対策を」
気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

・目標14「海の豊かさを守ろう」
持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

・目標15「陸の豊かさも守ろう」
陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

・目標16「平和と公正をすべての人に」
持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

・目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

▼ターゲット一覧はこちら

■SDGs目標16「平和と公正をすべての人に」

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目標16のテーマは、”持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する”こと。

ちょっと難しいですよね・・・

具体的にどんなことが求められているのか、まずはターゲットを見ていきましょう。

【目標16のターゲット】
16.1) あらゆる場所において、全ての形態の暴力及び暴力に関連する死亡率を大幅に減少させる。

16.2) 子供に対する虐待、搾取、取引及びあらゆる形態の暴力及び拷問を撲滅する。

16.3) 国家及び国際的なレベルでの法の支配を促進し、全ての人々に司法への平等なアクセスを提供する。

16.4) 2030年までに、違法な資金及び武器の取引を大幅に減少させ、奪われた財産の回復及び返還を強化し、あらゆる形態の組織犯罪を根絶する。

16.5) あらゆる形態の汚職や贈賄を大幅に減少させる。

16.6) あらゆるレベルにおいて、有効で説明責任のある透明性の高い公共機関を発展させる。

16.7) あらゆるレベルにおいて、対応的、包摂的、参加型及び代表的な意思決定を確保する。

16.8) グローバル・ガバナンス機関への開発途上国の参加を拡大・強化する。

16.9) 2030年までに、全ての人々に出生登録を含む法的な身分証明を提供する。

16.10) 国内法規及び国際協定に従い、情報への公共アクセスを確保し、基本的自由を保障する。

16.a) 特に開発途上国において、暴力の防止とテロリズム・犯罪の撲滅に関するあらゆるレベルでの能力構築のため、国際協力などを通じて関連国家機関を強化する。

16.b) 持続可能な開発のための非差別的な法規及び政策を推進し、実施する。

ターゲットを見ると、目標16は、”世界中が平和であるために、司法に則った平等で暴力の無い社会にする”ことを目指していることが分かりますね♪

目標16が必要とされている理由はなんのか。
次項からは世界の現状を2つに分けて解説します。

■①「2秒に1人の難民が移動を強いられている」

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紛争などによって不安定な生活を強いられている難民は世界に約7,000万人。

難民が暮らす難民キャンプの多くは国際支援団体の支援によって成り立っており、最低限の生活を維持することができています。しかし、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は、「グローバル・トレンズ・レポート 2018」にて、世界では108人に1人、2秒に1人が故郷を追われている現状を報告。

内戦が続く国の難民が国外に避難するケースのデータと合わせて世界の現状を伝えています。

■②「紛争の影響を受ける子ども」

紛争の影響を受けている子どもは世界に約2臆4,000万人。毎年600万人以上の子どもたちが亡くなっているという報告も挙げられています。

こういった環境に暮らしている子どもは、家族や家を失うという悲しい経験していることも多いほか、学校に通えなかったり、権利を主張するために世界で認められている出生登録がされていなかったりすることも。

出生登録がされないケースは途上国に多く見られます。

教育を受けられずに親になった人が出生登録の存在をしらなかったり、登録をするための場所が家から離れすぎていたりといった理由が多いそう。

紛争を止め、全ての人が司法に守られる世界を目指さなければなりません。

■まとめ:標16と関係のあるSDGs目標

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ここまで、紛争地域を中心に目標16を必要とする現状をご紹介しました。紛争のある国や地域、途上国における子どもへの影響もありましたね。

改めて考えると、目標16は以下の目標に関連していることが分かります。

【目標16と関連の目標】
・目標1「貧困をなくそう」
目標2「飢餓をゼロに」
・目標3「すべての人に健康と福祉を」
・目標4「質の高い教育をみんなに 」

紛争を無くし司法によって保護されるという、日本では当たり前のことを世界全体で実現することで、多くの人々が安心して暮らせるようになるハズ!

▼参考サイト
Edu Town SDGs|16.平和で公正な社会
goddoマガジン|持続可能な開発目標・SDGsの目標16「平和と公正をすべての人に」のターゲットや現状は?
SDGs JOURNAL|SDGs|目標16 平和と公正をすべての人に|誰一人取り残さない

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