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SDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」|日本のODAランキングが低迷!?

SDGsは、今世界中で取り組まれている国際目標です。
最近メディアで耳にする機会も増えてきましたね♪

でも、「目標がたくさんあって分からない!」という方も多いハズ!

これまでもnoteにて、目標ごとにスポットを当ててご紹介してきましたが、今回はSDGs最後の目標、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」についてご紹介★

SDGs達成に最も重要な目標17とは、どのようなものなのでしょうか!

■SDGsとは?|基本内容と目標をチェック

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2015年に開催された国連サミットにて採択された「2030アジェンダ」。

SDGsは2030アジェンダの要となるもので、「地球上の誰一人取り残さない」という宣誓のもと定められた、17の目標と169のターゲットで構成されている国際目標です。

現代社会が抱える問題を解決し、期限となる2030年の世界を、地球環境・人・社会にとってより良いものにすることを主な目的として取り組まれています。

【SDGsに定められている17の目標】
目標1「貧困をなくそう」
目標2「飢餓をゼロに」
目標3「すべての人に健康と福祉を」
目標4「質の高い教育をみんなに 」
・目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
・目標6「安全な水とトイレを世界中に」
・目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
・目標8「働きがいも経済成長も」
・目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
・目標10「人や国の不平等をなくそう」
・目標11「住み続けられるまちづくりを」
目標12「つくる責任 つかう責任」
・目標13「気候変動に具体的な対策を」
・目標14「海の豊かさを守ろう」
・目標15「陸の豊かさも守ろう」
・目標16「平和と公正をすべての人に」
・目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」

ターゲットとは、目標ごとに設定されている項目のようなもの。
目標達成のために必要なことがまとめられています。
現代社会の問題点を知る資料として読むのにもオススメ★

▼ターゲット一覧はこちら

■SDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」ターゲット一覧

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SDGs目標17は、”持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する”ことを目指した目標です。

国はもちろん、企業をはじめとする団体や個人でも取り組まれているSDGsですが、多くの目標を達成し、現代よりも良い未来を築くためには国や属性を超えた団結力(グローバルパートナーシップ)が必要不可欠!

以下にターゲットをまとめたのでご覧ください★

【目標17のターゲット一覧】
17.1)課税及び徴税能力の向上のため、開発途上国への国際的な支援なども通じて、国内資源の動員を強化する。

17.2)先進国は、開発途上国に対するODAをGNI比0.7%に、後発開発途上国に対するODAをGNI比0.15~0.20%にするという目標を達成するとの多くの国によるコミットメントを含むODAに係るコミットメントを完全に実施する。ODA供与国が、少なくともGNI比0.20%のODAを後発開発途上国に供与するという目標の設定を検討することを奨励する。

17.3)複数の財源から、開発途上国のための追加的資金源を動員する。

17.4)必要に応じた負債による資金調達、債務救済及び債務再編の促進を目的とした協調的な政策により、開発途上国の長期的な債務の持続可能性の実現を支援し、重債務貧困国(HIPC)の対外債務への対応により債務リスクを軽減する。

17.5)後発開発途上国のための投資促進枠組みを導入及び実施する。

17.6)科学技術イノベーション(STI)及びこれらへのアクセスに関する南北協力、南南協力及び地域的・国際的な三角協力を向上させる。また、国連レベルをはじめとする既存のメカニズム間の調整改善や、全世界的な技術促進メカニズムなどを通じて、相互に合意した条件において知識共有を進める。

17.7)開発途上国に対し、譲許的・特恵的条件などの相互に合意した有利な条件の下で、環境に配慮した技術の開発、移転、普及及び拡散を促進する。

17.8)2017年までに、後発開発途上国のための技術バンク及び科学技術イノベーション能力構築メカニズムを完全運用させ、情報通信技術(ICT)をはじめとする実現技術の利用を強化する。

17.9)全ての持続可能な開発目標を実施するための国家計画を支援するべく、南北協力、南南協力及び三角協力などを通じて、開発途上国における効果的かつ的をしぼった能力構築の実施に対する国際的な支援を強化する。

17.10)ドーハ・ラウンド(DDA)交渉の受諾を含むWTOの下での普遍的でルールに基づいた、差別的でない、公平な多角的貿易体制を促進する。

17.11)開発途上国による輸出を大幅に増加させ、特に2020年までに世界の輸出に占める後発開発途上国のシェアを倍増させる。

17.12)後発開発途上国からの輸入に対する特恵的な原産地規則が透明で簡略的かつ市場アクセスの円滑化に寄与するものとなるようにすることを含む世界貿易機関(WTO)の決定に矛盾しない形で、全ての後発開発途上国に対し、永続的な無税・無枠の市場アクセスを適時実施する。

17.13) 政策協調や政策の首尾一貫性などを通じて、世界的なマクロ経済の安定を促進する。

17.14)持続可能な開発のための政策の一貫性を強化する。

17.15)貧困撲滅と持続可能な開発のための政策の確立・実施にあたっては、各国の政策空間及びリーダーシップを尊重する。

17.16)全ての国々、特に開発途上国での持続可能な開発目標の達成を支援すべく、知識、専門的知見、技術及び資金源を動員、共有するマルチステークホルダー・パートナーシップによって補完しつつ、持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップを強化する。

17.17)さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する。

17.18)2020年までに、後発開発途上国及び小島嶼開発途上国を含む開発途上国に対する能力構築支援を強化し、所得、性別、年齢、人種、民族、居住資格、障害、地理的位置及びその他各国事情に関連する特性別の質が高く、タイムリーかつ信頼性のある非集計型データの入手可能性を向上させる。

17.19)2030年までに、持続可能な開発の進捗状況を測るGDP以外の尺度を開発する既存の取組を更に前進させ、開発途上国における統計に関する能力構築を支援する。

ターゲットを見ると、なにやら分かりにくい文字が・・・

次項では、ターゲットのなかでも注目されるODAについて見ていきましょう!

■途上国の開発をサポートする「ODA」を簡単に解説!|日本の低迷?

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途上国が国民の平等や生活の質向上を実現し、SDGs目標達成に貢献するためには多額の資金が必要となるため、先進国からのサポートは欠かせません。

そこで登場するのがODA(Official Development Assistance:政府開発援助)

ODAは、途上国の開発を支援する公的資金のこと。
ODAをもとに資金や技術の提供を行っています。

日本は一時、「世界最大の援助国」と評されていたこともあるんですよ♪

しかし、日本は2001年からODA実績が下降しています。
GNI(国民総所得)比もSDGsが求めている0.7%を下回り、0.2%前後に位置。
「国の経済規模に見合った援助」をしているとは言い難いのが現状です。

■企業がSDGsに取り組むメリット!「ESG投資」

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目標17を達成するために重要とされているODAですが、2016年に過去最高額である1,450億ドルを達成するものの、SDGs目標達成には2兆5,000ドルの資金が不足しているとしており、ESG投資による資金調達にも期待を寄せています。

ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)から頭文字を取った言葉。

上記の3項目に対し積極的に取り組むことが、ESG評価を高め、優良な企業として投資家にアピールすることに繋がり、結果としてESG投資による資金の調達が有利になります。

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ESG投資は、2006年に国連が「責任投資原則(PRI)」を提唱したことで重要性が高まりました。

責任投資原則(PRI)
1.)投資分析と意思決定のプロセスにESG課題を組み込む
2.)活動的な所有者となり所有方針と所有習慣にESG問題を組み入れる
3.)投資対象の企業に対してESG課題についての適切な開示を求める
4.)資産運用業界において本原則が受け入れられ、実行に移されるように働きかけを行う
5.)本原則を実行する際の効果を高めるために協働する
6.)本原則の実行に関する活動状況や進捗状況に関して報告する

ESG評価が高い企業に投資家が投資することで、企業は資金調達が有利になり、SDGs活動の活発化が期待されるほか、SDGs達成、そして企業の利益を生みだすための連携が生まれる可能性も高まります。

■SDGs目標17取り組み事例①「ケイウノ」

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物理学博士の菊池伯夫氏が、ネパールの無電力化地域へ水力発電機を導入することを目的として、2018年に実施されたクラウドファンディングに賛同したケイウノ。

ケイウノでは、クラウドファンディングのリターン品として、スマートフォンの懐中電灯用ランプシェードとしても利用できるネックレス、「エネジュエリー・しずく」を開発し、多くの人々にアクセサリーを購入する感覚で社会問題に触れられる機会を創出しました。

▼「エネジュエリー・しずく」が可愛すぎる!

クラウドファンディングは、総額8,239,000円の支援を獲得!
小学校などに水力発電機が導入されました★

菊池伯夫氏は、クラウドファンディング結果報告にて、「教室の明かりをはじめ、Wi-Fiルーター、プロジェクター、プリンター、コピー機、ノートパソコンなどを使えるようにすることで、学習環境の向上と教育水準の底上げ」を目指していくとしています。

パートナーシップにより、ネパールにおける教育の質向上やインフラの整備に貢献した例としても知っておきたい取り組みですよね♪

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ケイウノでは、次世代クリエイターの育成にも力を注いでいます。

商品の研究開発のために購入した素材の端材を「文化服装学院」に無償提供。これにより、学生はメーカーが使用する素材を使い作品を生み出すという貴重な経験をすることができました。

▼SDGs×K.UNO


■SDGs目標17取り組み事例②「有限会社吉村設備工業」

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日本も近年では多くの外国人が来日しており、多様な文化を受け入れやコミュニケーションを取ることの大切さが重要視されるようになりましたね。

もちろん、仕事でも同じような変化が見られます♬

有限会社吉村設備工業は、同業種・異業種・異文化間の連携を強めることで、技術や考え方を新たな発想に変えていくことを目指し、外国人実習生の積極的な受け入れや異文化交流活動を実施。

「異なる背景を持つ人達が、多様なアイデアを持ち寄ることで事業の更なる可能性が広がる」ことに期待を寄せています。

▼有限会社吉村設備工業|SDGs(持続可能な開発目標)への取り組み

■SDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」まとめ

今回は、SDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」を、重要なポイントや企業の取り組み事例と合わせてご紹介しました。

【ご紹介した内容】
・SDGsの内容と17個の目標
・目標17に定められているターゲット一覧
・重要とされるODAとは?
・ESG投資を解説!
・ケイウノの取り組み事例
・有限会社吉村設備工業の取り組み事例

目標17は、SDGsの目標を国単位ではなく、全体で達成するために必要な目標であることが分かりました。グローバル・パートナーシップを強化していくことによって、SDGsが期限を迎える2030年はどのような世界になっているのか楽しみですね♪

▼参考サイト
外務省|JAPAN SDGs Action Platform|17: パートナーシップで目標を達成しよう
Manegy|企業ができる取り組みとは:SDGs目標17『パートナーシップで目標を達成しよう』
独立行政法人 国際協力機構|5.世界のODAについて

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