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ディーセントワークを推進するSDGs目標8「働きがいも経済成長も」取り組み事例

最近、日本の企業でも働き方改革が進められていますよね♪
女性の社会進出や同一労働同一賃金も話題に注目したい内容です。

今回は、私たちの生活の基盤を支える仕事について定められた目標8「働きがいも経済成長も」の意味と取り組み事例を見ていきましょう!
働く世代にとってチェックすべき内容となっています★

■ディーセントワークがポイント!SDGs目標8「働きがいも経済成長も」の内容とキーワード一覧

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”包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する”ことを目指したSDGs目標8「働きがいも経済成長も」。

目標8に取り組むにあたり、まず覚えておきたいのがディーセントワーク。

【ディーセント・ワークとは】
1. 安定して働く機会がある。

2. 収入は十分(生活し、今後に備えて貯蓄ができる賃金)である。

3. 仕事とプライベート(家庭生活)のバランスが取れている(長時間労働に苦しんでいない)。

4. 雇用保険、医療・年金制度に加入している。

5. 仕事で性別 (女性だから、男性だから)、性的指向・性自認による不当な扱いを感じることはない。

6. 仕事で身体的、精神的危険を感じることはない。

7. 働く人の権利が保障されていて(組合に入れる、作れる、会社と交渉できる)、職場での相談先がある。

8. 自己の成長、働きがいを感じることができる。

(参照:日本労働組合総連合会|ディーセント・ワークの実現

イメージとしては優良企業。
しかし、ディーセントワークは働く人々が望むものですよね。

ディーセントワークを実現し、経済成長に繋げるという目標8を達成するためには、どのようなことが求められているのでしょうか?
ターゲットをご覧ください★

【目標8達成に向けた12個のターゲット一覧】
8.1) 各国の状況に応じて、一人当たり経済成長率を持続させる。特に後発開発途上国は少なくとも年率7%の成長率を保つ。

8.2) 高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する。

8.3) 生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性及びイノベーションを支援する開発重視型の政策を促進するとともに、金融サービスへのアクセス改善などを通じて中小零細企業の設立や成長を奨励する。

8.4) 2030年までに、世界の消費と生産における資源効率を漸進的に改善させ、先進国主導の下、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組みに従い、経済成長と環境悪化の分断を図る。

8.5) 2030年までに、若者や障害者を含む全ての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する。

8.6) 2020年までに、就労、就学及び職業訓練のいずれも行っていない若者の割合を大幅に減らす。

8.7) 強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終らせるための緊急かつ効果的な措置の実施、最悪な形態の児童労働の禁止及び撲滅を確保する。2025年までに児童兵士の募集と使用を含むあらゆる形態の児童労働を撲滅する。

8.8) 移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、全ての労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境を促進する。

8.9) 2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。

8.10) 国内の金融機関の能力を強化し、全ての人々の銀行取引、保険及び金融サービスへのアクセスを促進・拡大する。

8.a) 後発開発途上国への貿易関連技術支援のための拡大統合フレームワーク(EIF)などを通じた支援を含む、開発途上国、特に後発開発途上国に対する貿易のための援助を拡大する。

8.b) 2020年までに、若年雇用のための世界的戦略及び国際労働機関(ILO)の仕事に関する世界協定の実施を展開・運用化する。

SDGsは国際目標のため、ターゲットをご覧いただくと、先進国だけでなく途上国のことも含まれているほか、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」にも通じる内容となっていることが分かります。

■SDGs目標8が必要な理由

①ワーキングプア
ワーキングプアとは、仕事をしているのにも関わらず貧困状態にあること。
1日3.2ドル(=約320円)未満での生活を強いられており、「働く貧困者」とも呼ばれています。

ILOの年次報告書「世界の雇用および社会の見通し(World Employment and Social Outlook)」によると、ワーキングプアは世界に7億人いるそう。

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日本でも貧困問題は深刻化しています。

非正規の職員・従業員の割合は37.2%(2093万人)。
ワーキングマザーがワーキングプアになりやすいとの報告も!
アルバイトや派遣が一般化したことも要因となっています。

②4臆7000万人分以上の雇用が足りていない
現在の人口は約77億人ですが、増加し続けており2050年には97億人に達するとの予測が公表されています。

人口増加に伴い、比例して増加しているのが15~64歳を対象とした生産年齢で、1950年の15.3億人が2000年には45.2億人と約3倍に!
生産年齢人口に対する雇用が4臆7000万人分以上足りていないのが現状です。

▼内閣府「世界の労働市場」

■企業によるSDGs目標8取り組み事例|女性の社会進出と多様性への理解を深める

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①日本郵政株式会社
日本郵政では、”従業員一人ひとりがいきいきと能力を十分に発揮し活躍できる”という目標を独自に設定し、以下の取り組みを実施しています。

・キャリアパスに応じた研修(階層別、フロントラインリーダー研修等)
・グループ合同研修(総合職転換者研修、新任役員研修等)
・女性活躍推進(女性の役職者登用等)
・障がい者雇用の推進
・性の多様性(LGBT)の理解促進
・育児休業・介護休業取得推進
・働き方改革(労働時間削減等)
・従業員の健康保持・増進

(引用:日本郵政株式会社|国際社会の枠組みと日本郵政グループのサステナビリティ

育児・介護休暇の推進や障がい者雇用などは、多くの企業が取り組んでいる内容ですよね。

ここで注目したいのが、LGBTに関することが定められているところ。

LGBTはSDGsの目標やターゲットに定められていません。
つまり、これは日本郵政が働きやすさを考えて設定した独自のプラン。
目標8への貢献から多様性にもアプローチしている取り組みと言えますね♪

②ユニクロ
ユニクロでも、日本郵政と同様に多様性を尊重する取り組みとして「パートナーシップ登録制度」を導入しました。

この制度は、同性パートナーがいる従業員がパートナーシップ登録をすることで、慶弔休暇や慶弔見舞金などの福利厚生を受けることができる制度。
LGBTQ+の理解を深める啓発活動などと合わせて実施されています。

■SDGs目標8によって私たちの仕事に変化が生まれる!

目標8は、先進国と途上国の両方に関係する目標でしたね。

SDGsへの取り組みから多くの企業が働き方改革を推進しています。
この記事を読んで下さっているみなさんの中には、職場の改革が進んで働きやすくなったと感じている方がいるかもしれませんね♪

▼参考サイト
目標8すべての人々のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワークを推進する(グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン)
持続可能な開発目標・SDGsの目標8「働きがいも経済成長も」のターゲットや現状は?(gooddo マガジン | 社会課題やSDGsに特化した情報メディア)
SDGs|目標8 働きがいも経済成長も|年間失業者数340万人以上!(SDGsジャーナル)

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