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吃音暇人(きつおんかじん)の歌もどき

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毎週金曜日更新の『トイレで読み飛ばせる程度の文章量』で綴る、「映画駄話」や「音楽駄話」、TBSラジオ「アフター6ジャンクション2(アトロク2)」についての駄話等々に加えて、私のハ…
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#映画感想文

Vol.63 業のバトンリレー。

Vol.63 業のバトンリレー。

「圧倒された」と感じたのは、映画「若き見知らぬ者たち」を鑑賞した時の話。

※こんなあらすじの映画です。
亡き父親が遺したカラオケバー「花火」を、借金の返済をしつつ、切り盛りする風間彩人。
亡き父親から受けた特訓をきっかけに総合格闘技選手の道を歩む、弟の荘平。
心を病んでしまった、母の麻美。
そんな風間親子に寄り添う、彩人の恋人 日向。
借金返済に介護、近隣トラブルと、心身共にギリギリの生活を送る

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Vol.62 恐怖の没入感。

Vol.62 恐怖の没入感。

「銃声が怖い!」
そう感じたのは、映画「シビル・ウォー アメリカ最後の日」を鑑賞した時の話。
ちなみに「シビル・ウォー アメリカ最後の日」とはどんな話かと言いますと…

連邦政府から離脱する州が相次ぎ、内戦状態にあるアメリカ。
ニューヨークに滞在中の戦場カメラマン ” リー ” は、相棒のジャーナリスト ” ジョエル ” と共に、ワシントンD.C.に籠っている大統領への取材を考える。
途中まで同行

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Vol.60 映画「ぼくのお日さま」の話を、もう少し(※ネタバレ含む)

Vol.60 映画「ぼくのお日さま」の話を、もう少し(※ネタバレ含む)

気づけば5回も劇場鑑賞した、映画「ぼくのお日さま」。
前回(Vol.59)に引き続き今回も感想(という名の駄話)を少々。

※「ぼくのお日さま」の、ざっとしたあらすじは…
時は2000年(注1)、場所は北海道の「三ツ風町」(注2)。
吃音(注3)のために、しゃべる事に難がある少年 多田拓也は、アイスホッケーの練習の為に訪れたスケートリンクで、フィギュアスケートを滑る少女 三上さくらの姿に目を奪われ

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Vol.51 登場人物の ” 心の軌跡 ” が見えない!

Vol.51 登場人物の ” 心の軌跡 ” が見えない!

『「登場人物の ” 心の軌跡 ” が見えない映画」には乗れないなぁ』…と感じたのは、先日のこと。
映画「あのコはだぁれ?」を見た時の話です。
(※ちなみに、今回は「ネガティブ寄りの感想」なので、その点ご注意!?の程を…)

どんな物語なのかと言うと、あらすじは…
『 ” 君島ほのか ” は臨時教員として、とある学校の ” 夏休みの補習授業 ” を受け持つことになるが、それは奇妙な体験の幕開けであっ

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Vol.49 最悪な状況で、人生最良の”気づき”を得る瞬間。

Vol.49 最悪な状況で、人生最良の”気づき”を得る瞬間。

「え~!まだ前日譚を作るの?」と思ったのは、映画「クワイエット・プレイス DAY1」の予告編を観た時の話。

過去に2作品が作られている、映画「 ” クワイエット・プレイス ” シリーズ」を、両作品とも劇場公開時に鑑賞した私の偽らざる感慨でした。

ちなみに、
『1作目の「クワイエット・プレイス」のあらすじ』は…
アメリカの田舎町で、音を立てない事に注意を払いながら、自給自足の生活を送っているアボ

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Vol.48 2024年上半期の映画鑑賞(a.k.a.現実逃避)のまとめ。

Vol.48 2024年上半期の映画鑑賞(a.k.a.現実逃避)のまとめ。

酒には弱くて嗜めず、運動が苦手なのでスポーツする気にもならない…そんな私にとって、数少ない趣味(≒現実逃避)の一つが「劇場での映画鑑賞」。
…ということで!?、今回は「2024年上半期の映画鑑賞にまつわる ” 覚え書き ” 」です。
{なお作品の良否にまつわる「ベスト」とか「ランキング」は、年末(もしくは年始)に、一年間分まとめて行います…誰も興味無いと思いますが(笑)}

【最多鑑賞映画】

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Vol.46 映画化にあたってのチューニング。

Vol.46 映画化にあたってのチューニング。

先日、「これは凄い!」と唸ったのが、ヤマシタトモコさんのコミック「違国日記」(注1)の1~2巻を読んだ時のこと。

前回(Vol.45)取り上げた ” 実写映画版 ” をリピート鑑賞してから、後追いで原作コミックを読んだのですが、前述の「これは凄い!」という感想には二つの意味がありまして、一つは「コミック自体が良かったという事」そして、もう一つが「映画化するにあたっての再構築」。

実写映画化する

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Vol.45 作品を体現する、たたずまい。

Vol.45 作品を体現する、たたずまい。

『「あの役者は良かったね」というのは「映画評論」ではない』…という論説を耳にしたことがありまして、確かにその通りだと思う一方で、役者の佇まいが、その作品を体現することもある訳でして…。
{ちなみに、私が書き散らかすのは、あくまでも「映画感想」です(笑)}

先日、そういった「役者が作品を体現している!」と感じたのが映画『違国日記』を鑑賞した時のこと。

※下記は予告編です(1分間)↓

同名コミッ

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Vol.44 「エピソード・ゼロ問題」を越えろ!

Vol.44 「エピソード・ゼロ問題」を越えろ!

小説に漫画、映画といった「物語」を紡ぐ作品では、魅力的な傑作が生まれると、後から『前日譚』もしくは『エピソード・ゼロ』と呼ばれる作品が作られる事がありまして…。

ただ!ここで難しいのが、『エピソード・ゼロ』で「大きすぎる事件や事象が発生」したり、それらを収めるような「思い切った解決方法」を描いてしまうと、先に存在していた『その後のお話』の魅力や価値が目減りしてしまうし、かといって「起きる事件や事

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Vol.43 「あの人の 為に世界が 滅んでも いいと誓った 君に惹かれて」

Vol.43 「あの人の 為に世界が 滅んでも いいと誓った 君に惹かれて」

「おおっ、今回は冒頭から短歌っぽい」…という伝わりにくいボケ!?はさておき、映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章」を観てきた…というお話です。
※ちなみに「~前章」については、この連載で以前(Vol.34)取り上げたことがあります。

ざっとしたあらすじは…
『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』
突如として東京上空に現れた謎の大型宇宙船に、攻撃を加える米軍

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Vol.42 厳しくも優しい眼差し。

Vol.42 厳しくも優しい眼差し。

「石原さとみの演技が凄い!」…という誉め言葉が常套句と化しているのが、映画「ミッシング」に関する反響。
ちなみに、映画「ミッシング」は吉田恵輔監督作品で、幼児失踪事件の当事者家族や、その家族を報道するTVマン達が織りなす群像劇です。

※下記、予告編(約30秒)↓

確かに、「本人自ら吉田恵輔監督作品への出演を熱望していた」というだけあって、石原さとみさんの演技には鬼気迫るものがありました。

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Vol.41 予告編とはイメージが違う!

Vol.41 予告編とはイメージが違う!

私にとって「映画館で映画を観る醍醐味」の一つは、本編上映前の「上映予定作品の予告編」なのですが、ブロックバスター大作の予告編を2~3か月かけて、何度も繰り返し観てしまうと「はいはい、だいたいどんな感じの作品か分かったよ!」と思うのも、これまた事実で(笑)

しかし、あくまでも予告編は予告編なので、時には ” 本編で使われていない場面 ” が挿入されていたり、別の場面と場面をシームレスに繋いで、観客

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Vol.38 拝啓、宇多丸さま2(あるいは、映画『デューン 砂の惑星 PART2』若干ネタバレ感想)

Vol.38 拝啓、宇多丸さま2(あるいは、映画『デューン 砂の惑星 PART2』若干ネタバレ感想)

先日、遠出した際に まだ一部の映画館で上映中だった『デューン 砂の惑星 PART2』(注1)を鑑賞。
4回目の鑑賞でしたが、なかなか語りがいのある作品だと改めて思いましたので、TBSラジオ『アフター6ジャンクション2』(注2)の人気コーナー「週刊映画時評ムービーウォッチメン」(注3)の同作品の評論回(2024.03.28放送回)』に送った、私の感想メール(※番組内で触れられる事が無かった、不採用メ

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Vol.36 右手の過去と左手の現在が交錯する時。

Vol.36 右手の過去と左手の現在が交錯する時。

「怖い映画」が苦手で、「痛そうな描写」も苦手な私。
そんな私が公開日に劇場で観てきた映画が『毒娘』。

どんなあらすじかと言いますと…
『元・衣装デザイナーで専業主婦の萩乃は、夫の篤紘、夫の連れ子である萌花と、とある一戸建てに引っ越ししてくる。
穏やかな生活を送っていたが、ある日 赤い装束に身を包み、ハサミを握りしめた不気味な少女 ” ちーちゃん ” が現れる…』

※下記は予告編(1分24秒)で

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