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エジプトで観たミッション・インポッシブル/デッドレコニング PART ONE

日本では7/21から公開される「インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」は先々週からいくつかの国ですでに公開されている。映画鑑賞のお国柄の違いを、エジプトで観たときの感想と共に紹介する。

出張で何度か来ているエジプトで、封切りされたばかりの「インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」を観た。チケットはウェブで予約できるし、映画館も新しくて、ここまではニューヨークや日本と変わりない。

ただ観客がみんな遅れてやってくるそのスケールに驚いた。映画が始まって会場が暗くなった時には、客席にはまばらにしか客がなく、封切りになったばかりの映画にしては客入りが少ないなあと思っていたら、ところがどっこい。映画が始まっているのに、どんどん客が入ってくる。

アッシャーたちは慣れたもので、ペンライトで照らしながら遅れた客を次から次へと誘導する。おりしも映画スクリーンでは、セヴァストポリというロシアの実験的潜水艦が最新技術の実験を行っていたところ、突如現れた敵艦から魚雷攻撃を受けている。混乱のなか、セヴァストポリのキャプテンも攻撃を命じるが、敵潜水艦はレーダー上から消え、魚雷も姿を消す。

この白熱した伏線となる冒頭部分を見逃して、映画が楽しめるのだろうかと疑問に思う。上映から30分ほどして、上映ルームは満席となる

そうしたら今度は、隣同士で話す私語がやたら多く聞こえてくる。映画のシーンにのめり込んで「行けーっ!」とか言ってる。声をひそめているつもりだろうが、エジプト人は普段から声が大きいので、会場のあちこちに声が飛び交っている。

それでみんな楽しんでるようなので、ここで「し〜っ」とか言うとかえって顰蹙(ひんしゅく)を買いそうだ。黙ってがまんする。

映画の中半で、突然会場に灯りがついて、映画が中断される。何事かと思ったら中間休憩なようだ。映画『風と共に去りぬ』じゃあるまいし、今時中間休憩とは何事か。

客はぞろぞろと会場を出て追加のポップコーンを抱えて戻ってくる。そして何事もなかったように映画が再び始められる。映画鑑賞に見られる文化の違いは言わずもがな興味深い。

映画のハイライトとなるのは、イタリアでのカーレースと、ヨーロッパの美しい景観を走る列車上のアクションだ。劇場の大画面で観る価値はある。

この蒸気機関車は石炭で走る。そして石炭をボイラーにくべる乗組員が殺されてしまっているのに、汽車はスピードを落とすことなく延々と走り続けるのを不思議に思う人はいないのか。

それはさておき、この映画はコロナの影響で撮影が大幅に遅れ、その制作費はこれまでのどのミッション・インポッシブルよりも大きく膨れ上がったという。

PART ONEと題名にあるからにはパート2がまた制作されるのだろう。ミッションの相手となる「エンティティ」は電波の中を漂っている実体を持たない存在なので、今後AI技術がさらに進んでいく中で、続編が楽しみというところ。ミッション・インポッシブルは劇場の大スクリーンで観たい映画だ。




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