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ゲノム編集と遺伝子組み換え

毒芽のないジャガイモ、皮を向いても涙の出ないタマネギ、収穫量の多いトマトなど、ゲノム編集食品が増えている。食用部分のみが多い、ゲノム編集マダイの開発で注目されたスタートアップ、「リージョナルフィッシュ」は昨年クラウドファンディングで約320万円を調達。

今年になって、さらなる事業拡大に向けて、NTTファイナンスやマ丸井グループなど、様々な投資起業から約20.4億円の資金調達を実施した。

ゲノム編集と遺伝子組み換え

遺伝子組換えとは、異なる生物の遺伝子を入れることで新しい生物を創る技術のこと。一方でリージョナルフィッシュが開発するゲノム編集技術(欠失型)は狙った遺伝子をピンポイントで切ることによって、その機能を失わせる。ゲノム編集では外来(別の生物)の遺伝子を導入するわけではない。

遺伝子組換えとは、異なる生物の遺伝子を入れることで新しい生物を創る技術のこと。一方でリージョナルフィッシュが開発するゲノム編集技術(欠失型)は狙った遺伝子をピンポイントで切ることによって、その機能を失わせる。ゲノム編集では外来(別の生物)の遺伝子を導入するわけではないため、生まれた品種は本来自然界に生まれる品種だ。。。とDIAMOND SIGNALの記事では、遺伝子組み換え技術とは異種の技術として、その安全性を示唆するような書き方がされているのが気になる。

確かに、従来の品種改良手法ではランダムに起こる変異を待つ必要があったが、ゲノム編集は狙ったところだけを切ることができる。そのため既存の手法では30年かかっていたことが2〜3年でできる可能性があるという、という点については理解できる。

この技術を用いることで、たとえば食欲を抑制する遺伝子を壊して成長を促進させたり、筋肉の発達を抑える遺伝子を壊すことで可食部を増やしたりもできるようになる、ということも、大手のファイナンス会社が率先して投資していることに合わせて納得できる。

実際に2021年に「リージョナルフィッシュ」が販売を開始したマダイの「22世紀鯛」は、可食部が1.2倍に増えた一方で飼料は2割減った。第二弾製品のトラフグ「22世紀ふぐ」の場合は成長性が1.9倍になり、飼料は4割程度削減されている。

成長性が増すと、出荷までの期間が短縮されるため、生きるために必要なエネルギー自体も少なく済む。結果として必要な餌の量も減るというわけだ。

22世紀鯛と22世紀ふぐに関してはゲノム編集動物食品であることを表示した上でクラウドファンディングを実施し、ともに完売した。

「リージョナルフィッシュ」は自社ECなどに加えて、マルイでのイベントやシーフードショーなどでも製品を届けてきた。販売してみるとゲノム編集ということに良くも悪くも関心がない人も多く、表示や説明はするものの「価格と味のほうがはるかに重要視されていることに気づいた」そうだ。

しかしながら、ゲノム編集された食品の安全性を問う声も多い。

このnote記事では次のように述べている。

・遺伝子編集食品は長期的な安全性が分かっていません。
・安全審査が行われていません
・表示義務がありません

安全審査が行われなかったり、表示義務がないのは、この遺伝子編集が品種改良と同じだという論法だからです。

さらに「ゲノム編集食品」に壊される日本の未来、という記事では、ゲノム編集食品は新たな遺伝子組み換えであると主張している。

つまり「遺伝子操作していることに変わりはない。実際に挿入した外来遺伝子がゲノム編集食品に含まれていないという保証はない」ということだ。

米国の大豆はほとんど全てが遺伝子組み換えで、そこから作られる豆腐も同様。これを森永乳業が箱詰めのパックで販売している。

現地在住日本人としてはそれ以外にほとんど選択肢がないので、遺伝子組み換え大豆についても妥協せざるを得ない状況にある。

低迷するゲノム編集食品市場で突出する日本

日本ではすでにゲノム編集ジャガイモは9月に2回目の野外栽培実験が始まっており、11月には茨城県と岡山県でゲノム編集小麦の栽培実験も始まっている。日本では次から次へとゲノム編集食品が出てくる可能性がある。

引用:www.chosyu-journal.jp

有機農業への弊害

すでにこの20年間で世界の有機農家の数は15倍以上に拡大し、ここ近年、日本でも有機農業への取り組みが始まっている。

一方、この有機農業の発展を脅かすのがこのゲノム編集種苗だと、長州新聞の印鑰智哉氏は述べている。日本政府はゲノム編集種苗にも表示義務を課していない。そのため、知らないうちにゲノム編集種苗を育ててしまう可能性があるというのだ。当然、遺伝子操作種苗を使ったらそれは有機食品とはみなされなくなる。ゲノム編集食品はこの有機農業を危機に陥れてしまう可能性があると述べている。

筆者はバイオケミカルの専門ではないし、実際のところゲノム編集がどれくらい危険なのか、または安全なのか、述べることができない。様々なデータを見ても操作されているようであり、しかも長期的な人間の身体への影響は未だ定かではない。

ただわたしたち消費者が、意識をしてその食材がどこからどうやって運ばれてくるのかを考えられるようでありたい。味がよいとか、栄養価が高いとか、製造側の文言を鵜呑みにしてしまうのではなく、自分なりに勉強して判断することはとても大切なことだと考える。


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