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あたらしいまいにちノート

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まいにちのあんなこと、こんなこと。
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#エッセイ

いのちをだいじに

久しぶりです。毎日ノートが不定期になるとお伝えしてから不定期どころか完全停止していました。3月には再始動の見込みです。しばし。 大丈夫?という心配いただく声が多く、言えることは「超大丈夫」の一言でございます。ご心配おかけしました。僕には何もなく家族が体調を崩し、家事の方でドタバタしていたのと、同時に仕事の方でも色々ラッシュが重なったという背景です。今、家族は無事に体調も戻り、息つく間も無く仕事の方が佳境という状況。 僕は仕事より家族が何より大切なので、ちょっと狼狽するくら

はじまりのコミュニケーション

体重計に乗ってギョッとする。みるみる体重が増えているのだ。 流石にこれは危ない。ランニングでもしようと思いNike Running Clubだったかアプリを立ち上げる。ログインするとなんと10年前のログイン履歴が…すごいなぁアプリで10年続いてる。 マイコーチのような機能が新設され、コーチの最初のミッションは「10分走ろう」だった。これをみて「あ。すごいなこれ。」と思った。なんというか入口のコミュニケーションがとてもいい。 ○○km走りましょうとか言われるのかなと思ってい

真摯なBボーイ

東京へ弾丸出張に行った際に東京砂漠なはずなのに 素敵な紳士に出会った話をしよう。 地方都市から東京へ出ると「人多いなー」の一言がまず出るんだけど、相変わらずの人混みで混み合う山手線。品川から目黒へちょろっと出るだけなんだけど、もうパンパンなのだ。 なぜか凄いラッキーで僕の前の席があいた。隣にはゴリゴリのBボーイ。 指にはごつい指輪とタトゥーがチラ見えしている。イカツイなーと思いながら隣に座る。品川を出た電車は五反田で人をたくさん吐き出し、また人を吸い込む。 ブブっと携帯

人生は予期せぬことの集合体

人生は予期せぬ出来事に対応できるようにできてはいない。 一つの都市のような巨大な病院がまるで空港のようで見上げてしまう。 この風景にいる人たちのほとんどの人が何か体に予期せぬことがおきているのだ。人間の健康というのは物凄い絶妙なバランスで正常を保っている。 おでこの傷を摩りながら、ハイテクな人間の体と浜松の夜に泥酔して目覚めるとオデコを怪我していた己のポンコツさを不思議に思ってしまう。こんなよくできてるのにすぐバグる。いや、俺が悪いんだけどね。ちなみにこの傷で病院来たわけで

みんな、しっかりそこで生きてる

のそのそと起き上がり、子供達のいってきますを見送る。 入れ違いで子供達の準備をした妻は猫と一緒に布団に戻る。大きな猫みたいな妻。リビングの窓から子供達が楽しげに登校する後ろ姿を眺めて、「息子の寝癖すげぇなぁ」と一人事を呟く。 足元で黒猫ベルカが朝の挨拶でスリスリしてくる。 鳴き声で「お腹すいた!」は、なんとなくわかる。 はい、おはよう。と頭を撫でると眼を細める。 朝の静かなリビングで出張の準備をする。 移動中にアイデアを考えて欲しいと依頼が飛び込む。 出張帰りでビデオ会議

考え事は風船

「思考と行動を整理する日」、それが今日。不定期なのが問題だけど、ワタワタしてると月1回しか用意できない。何かと落ち着かなかったり、寝る前に不安になることがあるときは、整理する日が少ないってことだと思っている。ちょっと最近、バタバタしすぎた。今日は整理。 「考え事=風船」とイメージしている。 これを払拭するには考え尽くして、パン!と割れるまで考えつくすこと。 基本、考え事風船は頭にくくりつけられていて、日々は淡々とすぎていくので目の前のやるべきことをやっている間も、ふわふわと

料理の不思議

最近、あまり飲みに出れないのでザワつかれている。最近、松倉こねーぞと。 まぁ、そういう時もある。今、主夫モードで慣れない家事をしつつも仕事をしている。今日はビーフシチューなんかを作っている。結構時間かかるんだね。 結構、大変ではあるが、それなりに楽しんでいる。慣れない家事も楽しい。ビーフを赤ワインで煮込むと肉が柔らかくなるってのがイマイチ理解できない。その差分を確かめてないからだと気付く。では、この赤ワインを飲み干してやろうかとも思うが、それも違う。だまって煮込んでみる。

ヘビースモーカーが、多分禁煙できた簡単な方法

仕事と暮らしの方で慌ただしく1週間が過ぎた。出社できたのが金曜日のみで基本的には家で缶詰状態。その間、思い立って禁煙が急にスタートした。勢いで買ったニコレットを噛み続けて、気がつけば禁煙8日を迎えた。不思議とたった1週間だけの違いなのに、かつて当たり前だった喫煙が無くて良いものに変わった。 以前にも一度、禁煙を試みたことがある。アイコスがでて、ひとまずこれでいけんじゃないか?と思ったが電池が切れる。僕は重度のヘビースモーカーだ。充電器持ち歩くのも面倒で結局数日で喫煙者に戻っ

いつもと違う街、いつもと同じ街

京都でどうやってこの高層ビルを作ったのか不思議な場所で飯を食う。あまりにお利口さんな空気でいつもワイワイガヤガヤ下ネタの殴り合いな面々も翼をもがれたように静か。 静香は静かなりの笑いがあって、結果たくさん笑った。眼下に広がるのは、いつも歩く街。この高さで見ると全く違う街に見える。あの通りなんすかね?と言いながら、おじさんたち8人で夜景を眺める。 この愉快なおじさんずの秘密の会合は毎度面白く、年齢もそれなりに離れてはいるものの高校の同級生や大学時代の誰かの部屋で麻雀やら目的

たった一音だけの音楽

「“シ”の音だけでも、一つの音楽が奏でられます」 小ぶりな体育館のステージで子供達がリコーダーを吹く。 一音の強弱だけで小学三年生が音楽を奏でる。 「あ、ほんとうだ」 授業参観に参加していた僕は思わず感心して声が出ていた。 1音で音楽を奏でるなんて、そんなこと考えたこともなかった。 元気な感じや、少ししっとりした感じ、いろんな色を感じる。 パチパチと拍手。息子と目が合う。全開の笑顔。 多分僕も同じ笑顔だったのだろう。 家で適当にピーヒョロやってるかと思いきや、本番はち

優しく、強い、野生を。

なんて何もできない存在なのかと思う時がある。 仕事ではプランナー、家では父という存在だ。 誰でもそれぞれの背景がある。その背景にあった役割があり、それを全うしている。まるで人生は配役された舞台のようだ。 今まではそう思っていた。 求められるからこそ行動ができるし、判断ができる。 しかし、生きていると役割を超えた一人の人間として突きつけられることがある。本当にたまに。人生の予期せぬ瞬間に。 ほとんど僕は油断して生きているのかもしれない。 お膳立てされた役割をこなすだけで褒めら

トマトソースパスタとあくび猫

踏み台に乗った娘とキッチンでトントン材料を切る。 たまに作る大量のトマトソース。パスタにもリゾットにもなるので週末の気まぐれに作り始める。まだ包丁が不慣れた娘を教えながら。 オリーブオイルにニンニクを大目に突っ込む。不思議そうに眺める娘。もう少ししたらパチパチ跳ねるから離れろ!!と、ここはまるで戦場。蓋を盾にニンニクの散弾を防ぎながら、細かく切った玉ねぎを投入。猫が不思議そうに覗き込もうとするも僕に抱きかかえられて下される。たぶん、その匂い嫌いやで。 きつね色に変わる少し

喫茶店の二時間半

二時間半。駅前の喫茶店で時間を潰す。 何も考えずに出てきてしまったので駅前で紙とペンを買う。ホットコーヒーを頼んで一息ついたら頭に貯めてる情報を紙に書きなぐっておく。 愛想のいい店員に無愛想な対応で隣の女がオーダーをかける。しばらくして出されたコーヒーにありがとうの一言も言わず黙って飲み出した。たくさんの砂糖を入れてコーヒー牛乳みたいだ。 街の風位を眺めて考え事をする。 アジア人の旅行客が歩いている。見た目は僕らと同じだけど少しだけまとう気配が違う。歩き方とか、風の切り方

汚い言葉と空虚な言葉

そうだ、昨日の日記書いてないと思い出して今日2個目の日記。昨日は日帰りで福井の高浜町へ。日本海とは思えない美しいビーチがあり、スーパーには魚1匹まるまんま売っている。小さな町だが、この名前を伝えると誰もが「原発の…」と言葉を濁す。 僕も最初、話がきた時に同じことを思い浮かんだ。食わず嫌いはこの仕事で一番よくないので昨年末ぶらっと車で1時間半。いろんな会話をしながら遊びに行った。ひとまず見に行こう。それが僕らのポリシーだ。 ネガティブなイメージが先行すると自分の目や耳、体や