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優しく、強い、野生を。

なんて何もできない存在なのかと思う時がある。
仕事ではプランナー、家では父という存在だ。
誰でもそれぞれの背景がある。その背景にあった役割があり、それを全うしている。まるで人生は配役された舞台のようだ。
今まではそう思っていた。

求められるからこそ行動ができるし、判断ができる。
しかし、生きていると役割を超えた一人の人間として突きつけられることがある。本当にたまに。人生の予期せぬ瞬間に。
ほとんど僕は油断して生きているのかもしれない。
お膳立てされた役割をこなすだけで褒められる、割とイージーなゲームを生きていたのだろうと思う。

役割をすっ飛ばして、一人間として問われると急に思考停止し、あれだけ回っていた頭もしゅんと音を立ててフリーズする。
丸裸の自分自身の強さも弱さも全てむき出しにされて強い無力感を味わう。でも、それが僕そのものなのだと今回強く感じさせられた。

小手先で生きてきたのかもしれない。
言い方が悪いが、ただ他の人より「生きるのが上手な人」だったのかと思う。今回の一件で強く在りたいと心の底から思う次第だ。

家では父を、会社では社長を。
なんかボスっぽいことだらけだからこそ、その服を脱いだ自分自身も強く在り続けたい。なんというか、獣みたいに生きる強さの意味が改めて大切だと思う今日この頃である。

そんな慌ただしく荒れる心の中、鼻歌歌ってリビングで学校の宿題をやる娘が瞬間に電池切れで寝静まっているのを見て、これも野生だなぁと思うのだ。強さって、命に正直であることだなと思う。
優しく強い野生を僕も宿したい。

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。