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左右社
2022年2月8日 10:21
セルビア、ベオグラード在住の詩人・翻訳家、山崎佳代子さんの連載。歴史や詩、そして山崎さんの出会う人々とともに、ドナウの支流をたどる小さな旅。今回の舞台は2つの世界大戦で傷をおった土地ニーシュめぐるエッセイの後篇です。****小さな空、弱い光 ニシャバ川は、ニーシュの中央を流れていく。川の北にチェガルの丘が町を見下ろし、町は南へ広がる。ニシャバ川 ニーシュについて書きたいと、詩人
2022年1月25日 22:05
セルビア、ベオグラード在住の詩人・翻訳家、山崎佳代子さんの連載。歴史や詩、そして山崎さんの出会う人々とともに、ドナウの支流をたどる小さな旅。今回の舞台は2つの世界大戦で傷をおった土地ニーシュです。**** ニーシュはセルビアの南の町、人口は26万人。ローマ帝国のコンスタンティヌス大帝の生地で、古代はナイススと呼ばれ、2世紀にプトレマイオスが著わした地図『ゲオグラフィア』にも登場する。町を流れ
2021年8月13日 11:13
セルビア、ベオグラード在住の詩人・翻訳家、山崎佳代子さんの連載。歴史や詩、そして山崎さんの出会う人々とともに、ドナウの支流をたどる小さな旅。今回の舞台は水の出会う町ヴァリェヴォからはじまります。*** 6月の初め、ターラ山へ旅に出る。コロナ禍の感染者の数が減少し、規制が緩和され、移動が楽になった。まずヴァリェヴォを訪ねた。ベオグラードから92キロ、車で約一時間半かかる。町に入ると、白い壁の
2021年2月1日 18:46
セルビア、ベオグラード在住の詩人・翻訳家、山崎佳代子さんの連載。歴史や詩、そして山崎さんの出会う人々とともに、ドナウの支流をたどる小さな旅。今回の舞台は山崎さんの住むサバ川の岸辺のノビベオグラード区の第45団地です。山崎さんの胸に大切な言葉を刻んだお隣さんのはなしです。*** コロナ禍が地球を包む。昨春から旅もせず、ノビベオグラード区の第45団地、サバ川の岸辺の我が家で時を過ごしている。朝
2020年12月2日 11:26
セルビア、ベオグラード在住の詩人・翻訳家、山崎佳代子さんの連載。歴史や詩、そして山崎さんの出会う人々とともに、ドナウの支流をたどる小さな旅。今回は石器時代の遺跡レペンスキー・ヴィルを訪ね、石の彫像「水の妖精」に会いに行きます。 *** 秋が深まり、9月21日の生神女誕生祭も過ぎた。だが、今日の陽光は激しい。涼を求めて、ベオグラードの旧市街からブランコ橋を渡り、ゼムンに出た。ドナ
2019年10月16日 17:16
セルビア在住の詩人、山崎佳代子さん連載『ドナウ 小さな水の旅』。歴史の荒波の中で17回破壊され、そのたび復興した平地の大聖堂、ジチャ修道院へ向かいます。***「午后四時、晩祷。午后五時、小食堂にて、一人の夕食。人参サラダ、ビーツサラダ、野菜スープ、パン。まろやかな味。その後、夕暮れの果樹園にむかう。帰り路は闇に沈み、果樹が影を大地に伸ばす。あぜ道をライカとミルカが駆けていく。午后七時時半、
2019年6月19日 19:14
セルビア在住の詩人、山崎佳代子さん連載『ドナウ 小さな水の旅』更新しました。今回は、ノーベル賞作家イヴォ・アンドリッチの小説『ドリナの橋』の町であるヴィシェグラードへ船に乗って向かいます。陽気なガイド役のゾラン氏、水の流れとともにセルビアの自然と歴史をたどる旅。 ***「橋は、アンドリッチ文学の核を成す。世界の無秩序、死、無意味を克服し、希望の「彼岸」へ橋を架け
2019年1月29日 17:17
セルビア在住の詩人、山崎佳代子さん連載『ドナウ 小さな水の旅』更新しました。今回は、第二次大戦時に虐殺の舞台ともなったノビサドに向かいます。シナゴーグ近くのカフェで、友人とシュタルクさんとのひと時。ノビサド、寒い日々 ノビサドは、ドナウ河の水源より一二五二キロメートルから一二六二キロメートルの地点に位置し、人口は三八万人ほど。ボイボディナ自治州の州都で、セルビアでは第二の都市である。ベオグ
2018年12月6日 14:48
セルビア、ベオグラード在住の詩人・翻訳家、山崎佳代子さんの新連載。歴史や詩、そして山崎さんの出会う人々とともに、ドナウの支流をたどる小さな旅。各地の写真を添えて、お送りします。 セルビア、ベオグラード在住の詩人・翻訳家、山崎佳代子さんのエッセイ。ドナウへ流れる「水」をたどって、信仰につづく道へ。 ***「やがて薄闇に、青く視界が開け、遥か下にドリナ川
2018年12月4日 14:01
セルビア、ベオグラード在住の詩人・翻訳家、山崎佳代子さんの新連載。歴史や詩、そして山崎さんの出会う人々とともに、ドナウの支流をたどる小さな旅。各地の写真を添えて、お送りします。ヨーロッパを代表するドナウ川を巡る「水」にのって、とおくセルビアへ。「それぞれの土地が、セルビアに生きる人々の記憶をドナウに繋がる水面に、映しはじめる。」ドナウにそそぐ水たち セルビアの小さな旅 水のある情景