[小児科医ママが解説] だらだらつづく「咳」。受診の目安は?ホームケアは?
お子さんの風邪。
熱は下がったけど、その後にずっと咳がつづく...
というケース、かなりよくご相談いただきます。
実はふつうの風邪でも、咳は「3〜4週間」でるものなんですね。
子どもが風邪を引いてから、どれくらいで症状が治まるかを調べた研究では、咳は「25日目くらい」にやっと治まるという報告があります。
(BMJ 2013;347:f7027)
とはいえ、受診すべきサインや、自宅でできるケアないか。
気になりますよね。
受診の目安:咳で「寝る・食べる」がどれくらい障害されているか。
元気なら3〜4週間つづいても、治療の必要はありません。
これは風邪の後の「感染後咳嗽(かんせんごがいそう)」という概念で、
日本小児呼吸器学会「小児の咳嗽診療ガイドライン2020」でも、
特別な治療や検査は必要ない、としています。
ただし以下の場合は、受診を検討してください。
ホームケア(1) 電動鼻吸い
咳でしんどそうなお子さんに、医学的にできるホームケアをご紹介します。
まずは、鼻吸い。
咳なのに、鼻?と思うかもしれませんが、
「鼻水が奥にたれこんで、咳が出てしまう」というケースが非常に多いです。
咳というと、気管や肺のことを気にする親御さんも多いのですが、
まずは鼻、ここも大事です。
吸引力が強い、親御さんにうつりにくい、という意味でも、
手動ではなく「電動」鼻吸い器がおすすめです。
ホームケア(2) 1歳以上ならハチミツ
1歳未満ではボツリヌス症の危険があるため、絶対に与えないでください。
ただし1歳をすぎたお子さんであれば、
「寝る前に、ティースプーン1杯くらいのハチミツをあげる」のは効果的です。
お子さんの咳にたいして、咳のお薬に劣らない効果がある、
場合によっては咳のお薬よりも効果がある。
これは医学的な研究結果もでています。
(Cochrane Database Syst Rev. 2014 Dec 23;(12):CD007094.)
ホームケア(3) 加湿で60%を目指す
乾燥によっても咳が出やすかったり、
また乾燥のせいで痰が出しにくかったり。
こういった原因でも、咳が出やすくなります。
湿度は絶対に○%!という絶対的な基準はありません。
一つの参考として、厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン」では、「湿度60%」を目安としています。
ぬれたタオルを部屋に干すなどでも良いでしょう。
ただしこれは、確実に湿度をあげられる方法ではないので、
できれば加湿器があると良いですね。
もっと詳しく知りたい方は、毎日新聞「医療プレミア」で解説しています。
ご覧ください。
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