Sayo

noteは主に自分のアウトプットの場として利用していきます。

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マガジン

  • 創作物感想録

    小説や映画等の創作物の感想を記録する行為を通じて、自己理解を深める。 他の視点からの感想などありましたら、コメントで教えていただきたいです!

  • キャラクター分解録

    自分の創作活動の一環として、名キャラクターの魅力を掘り下げ、要素分解する試みを行っています。

最近の記事

読書感想文①:この社会の歪みと希望

上記の本を読んで感じたことは、大きく2つ。 1つは自分が「コロナによって苦しんだ人達」について、あまりに無知であったということ。 もう1つは「社会の価値観を変えるためにはどうしたらいいか」というテーマについて深めていきたいと思ったこと。 コロナで苦しんだ人達にとってあまりに無知だった自分「コロナになって良かった面もある」と思ったことが何度かある。 会社がテレワーク制度が根付いたおかげで通勤せずに済むようになったり、コロナ前はやたらと開催されていた飲み会の頻度が減ったりなど、

    • 創作物感想録⑦:『Coda コーダ あいのうた』

      総評家庭の事情で、思うような青春を送れない主人公にとても感情移入してしまった。主人公の境遇が、私の親と境遇が似ていることもあってのことだとは思う。 それはさておき、物語内の対立構造としては、主人公 VS 主人公の家族(聴覚障害者)だ。主人公の家族は、唯一の聴覚者である主人公を「通訳」として頼らなければ生計を立てることもままならない。一方、主人公には自身の夢がある。「家族だから」という理由だけで自分の全てを犠牲してまで、家族に尽くさねばならないのであろうか。これがこの物語で提

      • 創作物感想録⑥:マチネの終わりに

        40代にならんとする美しい男女の物語だと思って、読み始めた「マチネの終わりに」。二人の恋慕がどのような帰結を迎えるのかが気になり、淡々と読み進めていたが、物語の中盤からその様子は一変する。 物語の中盤で起こるある出来事は、二人の運命を大きく捻じ曲げる。 その辺りの描写は、胸が苦しくて、まともに読むことができず、飛ばし読みしてしまうほどだった。 この物語は、焦らして、焦らして、焦らして、もうそろそろからなという所で事件が起きる。結果、報われない主役二人に、どうにかして報われ

        • 創作物感想録⑤:モンスターズ・インク

          見終わった後には自然と拍手をしてしまう。モンスターズ・インクはそれくらいの名作だと感じた。 世界観の説明が丁寧で分かりやすい物語の舞台は、モンスターの世界で、その世界のエネルギー源は人間の子供の悲鳴であるー。という世界観をまず説明する必要があるのだが、その説明の仕方がとても分かりやすい。ナレーション等で説明するのではなく、 ・モンスタズー・インクの新入社員への研修 ・モンスターズ・インクのCM を通して世界観を説明している。双方のシーンで、色々なモンスターが出てくるので、飽

        読書感想文①:この社会の歪みと希望

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        • 創作物感想録
          5本
        • キャラクター分解録
          5本

        記事

          創作物感想録④:運び屋

          クリント・イーストウッドの最高傑作は何か?とふと思いネットで調べたところ2018年公開の「運び屋」だという情報を目にした。イーストウッドの映画を視聴するのはこれが初めてであったが、非常に楽しむことができたので、面白かった部分をメモ。 緊張感のあるプロットあまり波のない物語であった。 主人公がトラックを運転するシーンを中心とした物語であるから。 だけど、同時に緊張感もある。 いつか主人公が警察に捕まるorマフィアに殺されるのではないかという緊張感を以下のプロットで作り出すこと

          創作物感想録④:運び屋

          自戒:瞬時に全てを見透かす人になれるのか?

          創作物や偉人の伝記などを読んでいると、初見で他人の本質を見抜くキャラクターやエピソードに遭遇することがあります。一流の人間ならばそれが可能という思い込んでいるのか、ついつい三流の私も同様に振舞ってしまいます。「この人はこういう人だから…」と他人の評価を軽々しく語ってしまったり、ちょっとした発言や行動で「この人は信頼できないな」とジャッジしてまう等々です。 タイトルにある「全てを見透かす人になれるのか?」という問いに対する現段階での答えはNoです。少なくとも三流の私にとっては

          自戒:瞬時に全てを見透かす人になれるのか?

          創作物感想録④:ルックバック

          好きな漫画は何ですかー。 そう問われたら、私は藤本タツキ先生の読み切り「ルックバック」と回答するだろう。このルックバックは2024年の6月に劇場アニメ化するとのことだが、ぜひ原作も読んで欲しい。読後には、静かな感動で胸が熱くなる。 ストーリは短いので、ストーリを詳らかにしながら感想を整理すると、盛大なネタバレになってしまうので、ここでは個人的な「好き」の整理にとどめる。 まず、私は努力している人が報われるストーリーが好きだ。お約束通り報われるというストーリーではなく、焦燥や

          創作物感想録④:ルックバック

          創作物感想録③:ホームアローン

          クリスマスの夜に一人家に取り残された主人公・ケビンが、様々なギミックで泥棒の2人組を退治するというお話。シリーズ化されているが、ここでは初代ホームアローンの感想について整理していく。 子供をメインターゲットに制作された映画まずは作品全体に対しては、上記のような印象を受けた。子供向けのためか、筋書きはシンプルで、コメディの要素が強く、適役も含め皆愛らしいキャラクターとなっている。 ただ子供を有する大人も楽しめる映画になっていると思う。 それは、登場人物達の成長がたしかに描か

          創作物感想録③:ホームアローン

          創作物感想録②:同士少女よ、敵を撃て

          第二次世界大戦中のロシアで、狙撃兵として生きた一人の少女・セラフィマの物語を描いた本作は、本当に大好きな作品であり、多くの人に読んで欲しい。読んでみたいと思わせる文章を書くことはできないが、想いを綴っていく。 戦争小説としての魅力:リアルな描写この作品は、女性狙撃兵への賛歌のために書かれた作品ではない。戦争の凄惨を伝えるために書かれた作品だと思っている。そして、それを伝えるための描写や物語の運びが圧巻である。 物語は主人公の日常から始まり、その日常が突然、他国の軍隊の襲撃

          創作物感想録②:同士少女よ、敵を撃て

          創作物感想録①:マトリックス

          人類が現実だと思っている世界は、実はAIが作り出した仮想空間(マトリックス)でしかなく、現実世界での人類はAIのエネルギー源として管理されている。そのことを知らされた主人公・ネオは、人類をAIの支配から解放する戦いに身を投じていく。 上記がマトリックスのあらすじだ。 改めてこの大ヒット作品の第一部を視聴したが、個人的にはあまり面白いと思えなかった。当然面白いと感じる点もあったので、双方についての整理していく。 各プロットの説得力不足感?物語全体を通じて感じたことは、全体的

          創作物感想録①:マトリックス

          同窓会って難しい(ノウハウを教えて下さい)

          3月末に同窓会を控えている。旧交を温めることは素晴らしいことだと、頭では分かっているが、まだ出欠の回答をしていない。要はあまり乗り気ではないのだ。誘ってくれる友人もいる。しかし、行きたくない。その理由を整理してみる。もしそれぞれの理由に対し、何かアドバイスがあればご意見いただきたい。 理由①:友人が少なく、立ち往生する未来が見えるまず、シンプルに友人と呼べる人の数が多くない。 仮に誘われた友人と同窓会に出向いても、その友人は私が友人と呼べない別の友人との会話も楽しみたいだろ

          同窓会って難しい(ノウハウを教えて下さい)

          キャラクター分解録⑥:「初恋、ざらり」の有紗の”必要とされたい気持ち”について

          はじめに伝えたいことを他人に伝える手段は様々ある。 それぞれに一長一短があるが、物語という手段はかなり強力だと思う。 まず、物語を通して伝えるメッセージは、自分事として受け取ってもらいやすい。自分事して獲得したメッセージは、右から左には流れず、その場に残り続ける。 自分事として獲得しやすいのは、優れた物語の中では、登場人物と感情的に同化してしまうからだ。そうすると、物語は「誰かの物語」から「わたしの物語」へと変化していく。登場人物が体験する感情に自分の感情が共鳴する。これが

          キャラクター分解録⑥:「初恋、ざらり」の有紗の”必要とされたい気持ち”について

          キャラクター分解録⑤:宮部久蔵という男

          百田尚樹氏のデビュー作である「永遠の0」の主たる登場人物・宮部久蔵。 この人は物語の序盤では「臆病者」というレッテルを貼られて登場しますが、物語が進むに連れて彼ほど「勇敢」な人はいないとその認識が変化していきます。 物語は、宮部を知る人が章ごとに登場し、彼らがそれぞれの思い出を語る。その中で、宮部の真実が徐々に徐々に明かされていくという構成ですが、最後まで読むと、いや途中の段階で宮部のことを好きになってしまっています。その理由について整理していきたいと思います。 ※ネタバレ

          キャラクター分解録⑤:宮部久蔵という男

          キャラクター分解録④:インクレディブルファミリーのリアリティ

          小さい頃大好きだった映画「Mr.インクレディブル」 これは、普通の人ではない超人(スーパーヒーロー)の家族を主人公としたディズニー映画です。 当時は主人公たちがスーパーパワーを用いて敵を圧倒する痛快なアクションシーンが大のお気に入りでしたが、大人になってから見返すと社会のリアルを反映したプロットになっていることに気が付いたので、その辺りを整理していきます。 ※ネタバレを含みます リアル①:社会的地位の高い人を引きずり下ろす民衆映画は、スーパーヒーロとして一世を風靡したで主人

          キャラクター分解録④:インクレディブルファミリーのリアリティ

          キャラクター分解録③:ナルトの持つ人間観こそ彼の魅力

          NARUTOの主人公、うずまきナルトの最大の魅力の多い人間ですが、彼の持つ人間観こそ大きな魅力だと個人的には思っています。 ナルトの人間観ナルトの人間観は「人間には善の心も、悪の心も備わっている。そして縁次第で悪から善、善から悪への変化が可能である」といったものではないかと私は考えます。 当たり前のことのように思えますが、意外と現実世界でこの人間観は根差していないように感じます。すなわち、この人は「善人」、あの人は「悪人」といった態度で他者を評価し、決別することが一般的では

          キャラクター分解録③:ナルトの持つ人間観こそ彼の魅力

          キャラクター分解録②:燕人張飛の魅力

          上述の決まり文句と共に張飛が登場すると、心が躍ります。 強烈な個性を放つ三国志の英雄たちには「憧れ」の感情を抱くことが多くありますが、張飛に対しては憧れの感情だけでなく「共感」の感情も強く持てます。そこが張飛の唯一無二の魅力だと思っていますので、そこを分解していきます。 共感できるポイント1:剥き出しの感情群雄割拠の三国志の世界においては、味方と敵が一日で入れ替わる。そのため、人と人は常に肚を探り合うー。そのような登場人物同士の会話や立ち居振る舞いに、時にもどかしさを覚える

          キャラクター分解録②:燕人張飛の魅力