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創作物感想録⑥:マチネの終わりに

40代にならんとする美しい男女の物語だと思って、読み始めた「マチネの終わりに」。二人の恋慕がどのような帰結を迎えるのかが気になり、淡々と読み進めていたが、物語の中盤からその様子は一変する。

物語の中盤で起こるある出来事は、二人の運命を大きく捻じ曲げる。
その辺りの描写は、胸が苦しくて、まともに読むことができず、飛ばし読みしてしまうほどだった。

この物語は、焦らして、焦らして、焦らして、もうそろそろからなという所で事件が起きる。結果、報われない主役二人に、どうにかして報われて欲しいと強く願いながら読むようになる。その願いは、なかなか叶わない。苦境の連続で、読むのを辞めてしまおうとさえ思う。だが諦めずに最後の最後まで読むと、最高に感動するラストが待っている。

登場人物の心情の描写も解像度が高い所も、この作品の魅力だと感じた。
本当に読み応えのある作品で、平野さんの他の作品も読んでみたいと思いました。

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