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創作物感想録③:ホームアローン

クリスマスの夜に一人家に取り残された主人公・ケビンが、様々なギミックで泥棒の2人組を退治するというお話。シリーズ化されているが、ここでは初代ホームアローンの感想について整理していく。

子供をメインターゲットに制作された映画

まずは作品全体に対しては、上記のような印象を受けた。子供向けのためか、筋書きはシンプルで、コメディの要素が強く、適役も含め皆愛らしいキャラクターとなっている。

ただ子供を有する大人も楽しめる映画になっていると思う。
それは、登場人物達の成長がたしかに描かれているからだ。

子供(ケビン)の成長

家族への思いの変化

家族内で除け者にされるケビンは、家族なんか要らない!と願う。その結果、家族全員がパリ旅行に向かう中、ケビンだけ家に取り残されてしまう。(家族全員寝坊し、焦っていたため誰も気づかなったという設定)

これが物語の起こりだが、この時点で私は目を覚ましたケビンは泣くか怒るだろう、そう思って映画を見ていた。しかし、ケビンは「やったー!」と大喜びする。これには予想を裏切られたので、驚いた。

その後1人を満喫するのだが、やっぱり心なしか寂しいような様子も伺える。そして最終的には、皆に戻ってきて欲しいと願う。

勇気を出す経験を通しての成長

家に取り残されたケビンは、1人で洗濯や買い物をこなせるようになる。また、人殺しと噂されていた近所の老紳士や、泥棒達など、様々な大人との交流を経験する。勇気を要したこれらの経験を通じて、ケビンは大人へと成長していく。

その成長が現れていたのは、最後のシーン。帰ってきた家族に買い物をしたことを告げるケビン。皆が驚き「一人の間、他に何をしていた?」と問う。
ケビンは笑顔で「just hung around」とだけ答える。

なぜ、自分の功を誇らなかったのか。
自信が芽生えたからなのではないかと私は思う。
自信がない時ほど、他人に認めてもらいたくなる。
ケビンは自分の中に確固たる自信が芽生えたので、伝える必要がなかったのだと思う。

大人たちの成長

ケビンだけでなく、大人も成長するのがこの映画の特徴であるとも言える。
ケビンを家に取り残してしまったことを悔いる母親。
また、ケビンの純粋な気持ちに触れ、一歩心の壁を決意する老紳士。
色んな人のストーリーが含まれていることも、この映画の面白さかもしれない。

まとめ

他にもまだまだ魅力はある。
まずケビンが普通に愛らしい。
そのケビンが泥棒を撃退するために仕掛けるギミックなど、見ていてくすりと笑える。

なお、子供が大人を倒すというストーリは、子供に好まれる気がする。現実世界の中で、子供たちは大人たちに支配されていると感じているからこそ、大人を倒す物語は、彼らにとって痛快なのかもしれない。

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