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短編小説

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#noteの書き方

『桜子さん ~ジャズ研 恋物語~ 1』

『桜子さん ~ジャズ研 恋物語~ 1』

 ジャズ研の先輩、藤川桜子(現E年)。容姿端麗、色白の黒髪ロング。おまけに美人。だがそんな彼女は粗暴な性格と言動だが、人に慕われていた。
 トランペットの腕は抜群、そして練習の鬼。学業も手を抜かない。
 そんな彼女に恋した、後輩の篠崎優斗(現D年)の物語。

 ※ジャズ系の部活だと、学年の呼称を1年ならC年、2年ならD年、3年ならE年、4年ならF年といいます。

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『ふたりの勿忘草』

『ふたりの勿忘草』

 「これとこれ、まとめて梱包しとこうか?」
 声が届いたとみえて、隣の部屋で荷物をまとめていた彼女が、少し振り向いて言う。
 「ありがとう。頼むわ、そうしといて」
 僕の抑揚のない呼びかけに、彼女が少し湿り気のある穏やかなアルトの声で応える。ダイニングに散らばっていた彼女の荷物を、各梱包に重量のバラつきが出ないように気を遣いながら手早くまとめて、ひとつひとつ段ボールに包んでは、手にしたガムテープで

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『フォステリアナ』

『フォステリアナ』

これは、大学生の頃にとある文芸サークルに寄稿したものです。いわゆる戦争モノですが、そこを底辺とした人間模様をご覧ください。

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「当方303-001、管制、着陸許可求ム」

 滑走路を目指す夕日に溶けてしまいそうな橙色の翼がなだらかに

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『ファインダー越しの君』

『ファインダー越しの君』

 これもまた短編小説です。以前に書いていたものをupしてみます。本編がきちんとあって、その後日譚なのですが、順番前後しても大丈夫だと思います。ぜひお立ち読みください♪

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 最近、俺はカメラが趣味になりつつある。
 就職して二度目にも

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『冬の憧憬』

『冬の憧憬』

 以前に書き溜めた短編小説です。ぜひご一読いただければ、と。

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 メトロの駅の階段を登り切った先には、既に夜の景色に雪が舞い始めていた。今日の寒波は一段と厳しい…天気予報の言うとおりだな、と見上げる夜空に吐息が白く溶ける。
 後から

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