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部屋と包丁と私(第5話)

SNSで大反響だった実話
小5と余命宣告」続編(第5話)です。

父ひとり、子ひとりの家庭で育った娘が
小5の時に、その父の余命宣告を受け
その後の覚悟と成長を描いた実話。

脚色は一切なし。
むしろ、各方面に配慮し
わざわざ抑えて書いているくらいです(笑)

ということで、
これは長~く続く連載ものです。

初めての方は、1話からどうぞ。



学校に行けば
友達と笑い合いながら、
勉強と部活動に励む
ごくごくフツーの中学生。

生意気オーラが放たれ過ぎていたようで
上級生たちには
かなり嫌われていたようだったが…


勉強の成績も、
そこそこ良いほうだった。

のは、中学1年生まで。


中2になってからは、
環境も、気持ちも、性格も
凄まじく変わっていった。


まず、親子ゲンカが半端ない!!

ナニがどう?という訳ではなく

とにかくもう全てが腹立たしかった。


話すだけでムカついた。

だから話さないようにしていた。

けど、話しかけてくる。

ケンカになる。


このループが
ほぼ毎日繰り返された。。。


娘「うっせー!クソジジイ!
  黙れ!話しかけんな!」


父「親に向かって生意気な口聞いて!
  誰が育ててやったと思ってるんだ!」


娘「誰が育ててくれ!って頼んだんだよ!
  イヤなら、どこかに捨てれば良かっただろ?
  そもそもアンタ、親らしいこと、してんのかよ!!」

父「だったら出ていけーー!」

娘「お前が出てけーーー!」


はい。

コレ、いつものお決まりパターン。。。


怒鳴り合いだけで済めばいいけど
ここに包丁まで出てくることも。

なんども。

「だったら、殺せよーーー!」

って。


親子ゲンカで包丁が
頻繁に出てくるようになるほど

どうしてそこまで
関係が悪化していったのか。。。




まず前提として、

私は常にイライラしていた。

これが大きい。

思春期特有のものがあったり

お金の心配があったり

将来の不安や寂しさ

親というものへの期待と失望

色んな気持ちが入り混じっていて
家も心もカオスな状態。。。


そして、

ただでさえ、
イライラしているのに
警察や病院から
よく電話が掛かってくる。


「酔っぱらって、道で寝ていたので
 引き取りにきてください。」

という日もあれば

「道で倒れていたので、
 救急搬送されました。
 病院に来てください。」

という場合も。



このまま死んじゃうのかな。

これで最後かも・・・


心配で、悲しくて

切なくて、せつなくて。

目に涙を浮かべながら

頭の中をそれいっぱいにしながら

病院に駆け付ける。


そして、いざ病院に着くと

当の本人は、
ベッドの上で、上機嫌。

若い看護師のお姉さんたちと
談笑しながら、ご機嫌な笑顔で
私を呼びつける。

「遅いなぁ~」

「着替え、持ってきたか?」

なんて、小間使い扱い。



そんなことが
何度も何度も繰り返されると

「はぁ、またか。。。

 疲れる。。。」


もう うんざりだった。


年に1~2回は
入退院を繰り返していた。

本当に病状が悪化して入院するので、
心配していない訳でもない。


でも、本人は、
悪化してもいいと思って飲み歩いて、
私に迷惑と心配をかけるわけでしょ?


この身勝手な生き方が
本当に腹立たしくて

病気を治そうという意思もなく
開き直って残された人生を謳歌している。

ように、私には見えていた。


そのくせ

私の行動には、
いちいち難癖を付けてくる。

というか、

ほぼ文句だ。。。

もう八つ当たりに近い。


自立と自我はセットだ

自立を要求するくせに
自我は許さない。


なんなんだ!

この理不尽さ。

こいつ絶対、おかしい!


最も居心地が悪い場所 = 自分の家


この家では

あいつの前では

いつもイライラしていた。





関係悪化の理由(第6話)




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