心のゆとり。バスで出会った物語
とある休日。私は、セミナーのイベント会場へ向かうため、バスで移動していた。やってしまった。まさかの朝寝坊。
このまま向かえば、ぎりぎり開始時間には間に合うかもという状況。
前々から楽しみにしていたし、代金も払っているし、できれば遅れたくないと、気持ちは焦っていた。
赤信号でバスが停車する度に苛立ってきて、携帯画面の時刻を何度も確認していた。
バスが途中の駅で停車して、乗客が乗ってきたときのこと。
「運転手さん、すみません。今、杖がないことに気付いたの!」
おばあちゃんの大き