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捨てられないTシャツ【読書感想】

捨てられないTシャツ/都築響一(編)

僕に本を読むことの
面白さを教えてくれた先輩が
読書会でこの本を紹介していたので
読んでみました。

雑誌『POPEYE』『BRUTUS』などに携わった編集者・ライターの都築響一氏による週刊メールマガジンにて連載されていた「捨てられないTシャツ」の総集編。

 

本書では捨てられないTシャツに関するエピソードが紹介されており、70名以上からのエピソードが詰まった一冊となっています。

 

・バンドを組んでいた頃に…

・当時付き合っていた彼氏が…

・海外で働いていた時期の…

 

捨てられないTシャツとのエピソードは本当に様々です。

良い思い出だけではなく、中には辛い思い出を持つ内容もありました。

 

皆さんも捨てられないTシャツってあるのではないでしょうか。

僕にはあります。

大学1年生の頃に古着屋で買った、いや、そんな古着屋だなんてオシャレなお店ではなく、リサイクルセンターで買った黒地に緑色で何やら英字が書かれたTシャツです。

今もそうですが、当時からファッションには疎くて、その他数枚のTシャツを着まわして大学に通っていました。仕入れ先は全てリサイクルセンター笑

その代わりにバイト代を何に使っていたかと言えば、プロ野球選手のブロマイドカードを買っていたりしてました笑 

今となっては着ることもありませんが、見るたびに決して明るいとは言えない当時の日常に思いを馳せてしまうので、幾度となく不定期に行われる「断捨離」を逃れ続けてきたTシャツです。

 

不思議ですね。Tシャツの話を始めたはずなのに当時の自分がどんな人間だったのかを語り始めていました。これがこの企画のみそなのだと思います。

 

エッセイやコラムの執筆を生業とするライターではなく、素人から送られてきた文章をほぼ手を加えることなく連載しているそうですが、本書の冒頭で編者がコメントしているように、素人が書いたとは思えないくらい読みごたえのある文章になっています。

 

今年に入ってnoteを始めた自分の文章が恥ずかしくなるほどに、読者を夢中にさせる表現、展開となっていて、素人でもこれほど人を惹き付ける文章が書けるということに希望を感じました。

しかし、こんなに面白い企画をよく思いつくものです。

捨てられないTシャツから蘇る70人を超える方々の人生論!

是非、ご覧いただきたい一冊です。

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