新しい里づくり研究室

現場と研究と政策のあいだを編むようにこれからの里づくりについて考えています。風土に根ざ…

新しい里づくり研究室

現場と研究と政策のあいだを編むようにこれからの里づくりについて考えています。風土に根ざした豊かさを次世代へつなぐため理論と実践が出会うきっかけをつくれたらという想いからはじめました。※しばらく更新できてませんが戻ってきます…!

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地域に関わりたいけど何からはじめたらいいかわからない学生へ

全国各地のおもしろそうな地域に関わりたい。 まちづくりや地域活性化といわれるような活動をやってみたい。 そう思っていても何からはじめたらいいかわからない方へ、とくに学生に向けて、地域の入り口となるような情報をお届けします。 人脈もお金も情報もない大学1年生の夏、私は「大学だけにいては腐る!!」と悟って、地域の実践現場に近づこうと必死でした。 地域系の無料イベントを見つけては参加していたのだけど、たまにハズレがあって、よくわからない黒スーツのおじさまたちと循環型農業の説明

    • 研究迷子にならないようにシナリオを描こう(ダウンロード可)

      ある日、研究室の後輩から相談がありました。 「研究テーマは決まっていて、先行研究を整理したりと、なんとなく作業は進めているんですが、どこへ向かっているのかわからなくなってきました…問題意識ってなんですか??」 うんうん、研究迷子になるよね。 いろいろと話を聞いていても、 研究テーマに対して どういう背景があって 何が課題となっていて どういうアプローチから 何を明らかにしようとしているのか 全体像がなかなか見えてきません。 そこで、研究シナリオシートをつくりました。

      • 高齢化率62%!天龍村に移住した20代お母さん3人組に村暮らしのあれこれを聞いてみた

        「田舎で子育て」「限界集落」「新卒移住」のキーワードにピンときた方は読んでいただけると発見があるかも。 先日のこと、天龍村に新卒移住されて子育てまっ最中の20代3人組をゲストに移住のその先を語り合うゆる会をしました。 内容がほんとうに濃ゆくて、お三方のピュアな言葉の一つひとつから今の日本の山村のリアルがひしひしと伝わってくるような時間でした。 なるべく言葉の表情もそのままにブログにまとめています↓ 個人的に意外だな~と感じたこと  ・村の子と都会の子の遊び方がほぼ同じ

        • 長野まちある記:辰野→諏訪→富士見→小諸

          8月第1週。長野県に4泊5日でいってきました。 辰野町(ゲストハウス宿泊)→ 下諏訪町(さんぽ)→ 富士見町(ハイキング)→ 小諸市(ドカンショ祭り、イベント参加)というルート。 どの街もすごくおもしろかった!歩いてみるとわかるのだけど、歩きやすさが違う。安全を感じるのは辰野と下諏訪。富士見と小諸は車道と歩道がわかれてなくて、裏道までも交通量多めで怖かった。 ぶらりと楽しい下諏訪町楽しさを感じるのは個人的に下諏訪がダントツ。諏訪大社は春宮と秋宮があって、駅と線をむすんだエ

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        • 研究ノート
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        • 政策ノート
          3本
        • フィールドノート
          6本

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          「何にもしない」から何かが生まれる ~静岡県裾野市の地域づくり~

          先日のこと、「何にもしない合宿」へ行ってきました。 え?「何にもしない」って文字通り何もしないってこと? 私の頭のなかには坐禅を組む人たちの姿がうかんでいました。今流行りのリトリートかな?と思ったりしたのですが・・・ 全然ちがったー(笑) 小学校の体育館に続々とやってくる子どもたち。受付を済ませるなり縦横無尽に走り出す。あふれんばかりのエネルギー。どうして子どもってこんなに元気なんでしょう。まぶしいぜ。 小学生があそんでると思ったら あれ?中高生が混じっているぞ? お

          「何にもしない」から何かが生まれる ~静岡県裾野市の地域づくり~

          学問には感動があることを思い出した話

          こんにちは。7月になりました。今年は意外と涼しくてまだ生きていけるなーという感じです。 さて、6月最終週は、妹の高校の恩師といっしょに飲む機会があったのですが(なかなかないシチュエーション笑)、まさかの北海道浦幌町の話で盛り上がりました。うれしかったです。また行きたいな~。 3年ほど前におとずれたときのブログがあるので載せちゃいます。 今週はやっと光がみえたなーという感覚があって、やっと、やっと、論文の筆がすすむようになってきました。 1週間くらい前までは、論文のWo

          学問には感動があることを思い出した話

          梅もぎしながら遊休資源の活用を考えた話

          蒸し暑い季節になってきました。台風が来るといよいよ夏が近づいてきているなと感じます。 体もなんとなく夏の準備をしはじめたようで、ちょっと重だるかったり、気合が入りづらかったり。 そんなときは梅シロップを炭酸で割ってシュワッと爽快に夏を乗り越えていきたいところです。 てなわけで梅もぎへ行ってきました! 耕作放棄地が交流の場に今回お世話になったのは神奈川県の秦野市、鶴巻温泉のあたりに小さく残っている里山です。鶴巻温泉駅から車で10分、徒歩で30分ほど坂をあがったところにあ

          梅もぎしながら遊休資源の活用を考えた話

          農村型地域運営組織(農村RMO)とは ~地域の「共」を考える#3~

          地域のつながりが弱くなっているといわれるなかで、公(行政、公助)と私(個人、自助)のあいだにある「共」をどう育んでいったらよいのだろう? この問いに向き合う<地域の「共」を考えるシリーズ>です。 前回は、公助のパートナーとして地域の多様な主体が協働し地域課題を解決する「地域運営組織」についてまとめました。 今回は、地域運営組織の一形態として、とくに人口減少や高齢化が深刻化する中山間地域での形成が推進されている「農村型地域運営組織(以下、農村RMO)」を取り上げます。 農

          農村型地域運営組織(農村RMO)とは ~地域の「共」を考える#3~

          タケノコを掘りながら120年と2億5千万人に想いをはせた話

          竹って1日に1メートルくらいのびるらしい。脅威の繁殖力にびっくりです。 タケノコ掘りをした日はちょうど雨が降った次の日で、それはもう、にょきにょきと、そこらじゅうに黒い影が立ち昇っておりました。 タケノコのまわりをぐさぐさと掘っていくと、岩⁉︎と思うほど、めっちゃくちゃ固いモノにぶちあたります。 そう、この地下茎で全員つながっているんですよね。クローンだと思うと黒い影がより恐ろしく見える。。 竹ってすごく不思議な生きものだなぁ。 草なのか木なのかすら意見が分かれてい

          タケノコを掘りながら120年と2億5千万人に想いをはせた話

          地域運営組織とは ~地域の「共」を考える#2~

          人口減少や高齢化、ライフスタイルの変化などにより地域コミュニティが弱体化しています。一方で、独居老人の孤立、買い物難民の増加、子どもの貧困、耕作放棄地の増加、獣害など積み重なっていく地域課題・・・ こうしたなかで、公(行政、公助)と私(個人、自助)のあいだにある「共」をどうやって育んでいけるだろう? この問いに向き合う<地域の「共」を考えるシリーズ>です。 前回は「新しい農山村コミュニティ」についてまとめました。 今回は「新しい農山村コミュニティ」の発展系ともいえる「地

          地域運営組織とは ~地域の「共」を考える#2~

          新しい農山村コミュニティとは ~地域の「共」を考える#1~

          人口減少や高齢化、ライフスタイルの変化などにより地域コミュニティが弱体化している・・・政策文書からも現場からもよく見聞きする話です。 昔ながらの地縁組織によって集落活動を継続することが難しくなっている農村部 急速に高齢化が進む団地など社会的孤立が問題となっている都市部 社会的動物たるや、我々つながらなければ生きていけないわけですが、農村でも都市でも、あらためて公共私の「共」の部分をどう(再)構築していけるかが課題になっていると思います。 でも、地域ごとに状況が異なるな

          新しい農山村コミュニティとは ~地域の「共」を考える#1~

          地域に根ざした教育は子どもの定住志向に影響を及ぼすのか

          地域の歴史や文化、産業などを学ぶ授業を受けたことはありますか?私は地元農家さんの芋掘りの手伝いや職場体験などをしたおぼえがあります。 こうした「ふるさと学習」や「地域に根ざした教育」を行う意図として、子どもたちに地域のことを知ってもらって、できたら愛着を感じてほしい、その上で将来的には地元で生きていくという選択肢も持ってもらえたら…という地域側の願いがあると思います。 しかし、実際これらの教育を通して子どもたちの定住志向は高まるのでしょうか? 今回は、地域に根ざした教育

          地域に根ざした教育は子どもの定住志向に影響を及ぼすのか

          空師 ナウシカみたいな人に出会った話

          先日のこと「空師」をご職業とされる方に出会いました。その方の佇まいや自然に対する謙虚さにとても心動かされて、自然を観る目が変わりそうです。 今回は、空師の方と一緒に里山を歩きながらお話したことや、感じたことを綴りたいと思います。 空師とは空師とは「狭い敷地にある巨木を周りに迷惑をかけずに伐採する技術を持った人のこと」 神社、急傾斜地、商業施設などの重機が入れない場所で植栽の伐採や剪定、保存樹木を保護する為の作業等を行うスペシャリストです。 日本には30人ほどしかいない

          空師 ナウシカみたいな人に出会った話

          農村計画学とは 地域実践科学である 研究者は理論に基づく貢献を

          農村計画学は「農山漁村の問題の解決を目指す実践的な問題解決学」とされてきました。しかし、VUCAの時代といわれるなかで、何が「問題」であるかを定めること自体が難しくなってきています。あらためて、現代に求められる農村計画学と研究者のあり方とはいかなるものか、摸索していかなければなりません。そのためにも、これまで農村計画学を築き上げてこられた研究者の方々から学ぶことは多いです。 今回は私の恩師が20年前に農村計画学会へ寄稿された総説を紹介します。 問い農村計画学を地域実践科学

          農村計画学とは 地域実践科学である 研究者は理論に基づく貢献を

          地域おこし協力隊 思ったのと違った!リアリティショックにどう対応するか

          みなさんの周りには地域おこし協力隊の方はいらっしゃいますか? 2009年に制度化され、初年度31自治体89名でスタートしてから2021年度では1,085自治体6,015人まで広まっています。政府は2026年度までに10,000人に増やすという目標を掲げ、さらに事業を拡充していく方針です[1]。 任期修了後、そのまま活動していた地域または近隣市町村に定住する隊員は約65%と報告されていますが、一方で、地域おこし協力隊になったにもかかわらず途中で地域を離れてしまう人もいます。

          地域おこし協力隊 思ったのと違った!リアリティショックにどう対応するか

          はじめまして

          新しい里づくり研究室をのぞいてくださりありがとうございます。 都会と田舎、山と海、自然と人間のあいだにある「里」 里地・里山・里海といわれるように 人間が昔から手入れし利用してきた雑木林や田畑、ため池、牧草地などの二次的自然と それとともにある人びとの暮らしの文化や景観、生き方や思想なども含まれるエコシステムのようなものを「里」とよびたいと思います。 このnoteでは「里」に光をあてた研究や事例を新聞の切り抜きみたいにまとめたり これまで里がどのように形成されてき