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あの日の猫背 | 珈琲&文学note
2024年10月20日 09:48
トマトの裏側に夢を描いてヨーロッパの家具の上に置いた昔の映画のような日々を送りたかったと思う銀色の自転車で川沿いを走りながら時々海を思う今日も頭痛がしてる同じ猫を見つけた気がして尻尾についていった午後呼び鈴のような鳴き声と空色の空が竜巻に消える瞬間ステンドグラスのカケラと真昼に見える惑星の液体を冷えた指で混ぜ合わせたら海が見える、と思った誰にもわからない言葉を
2024年8月26日 02:59
園田駅を過ぎた頃に雨足は強まって蒸した車内にリズムが鳴った大きな川こえて いつだったか君に会ったことを懐かしんだ競馬場はがらんとしてて、寒気がこっちまで来たようだよ弱冷車のくせして 鳥肌が立った腕をさすってスマホをいじりながら人気のアイドルが恋愛してたって知った興味ないなぁ、ああ、思い出話のほうが面白いのは年を食ったせいかしら汗ばんだジーパンの内腿が気持ち悪いから銭湯で熱
2024年7月29日 19:01
金魚のようなスカートスーパーマーケットを泳ぐ息継ぎもせずに 僕をわらうたくさんの光が町に溢れるスマホの中で手を繋いであの子の放ったパントマイムをよく見た残像に目を凝らせば気持ち良くなれそうな眩暈の香りがしたていねいなくらしの中で雑な自慰をしているそれはいわゆる二律背反的なものではなく正しい音色だと彼女はいうその爆音に気がつく頃にはあの子の髪は少し伸びているだろう裸
2024年7月1日 14:29
夢、見てた気がするけど、忘れちゃって、下着姿のまま、ベランダ立って、ぬるい風、崩れた日和、過ぎる時間、気付けば午後ね、うだるよな夏、あたしは部屋の中フラペチーノの氷に、溶ける、噂、興味がないから、あたしは制服脱いで、扇風機の前、寝そべって、パーフリ聞いて、時代を上る女の子はいつだって、可愛くて、未来も昔も、今も、いつだって、真っ青って言葉はあんまり似合わないから、青い
2024年6月19日 04:24
ガラガラに澄んだその声で朝の日差しを掻き消した白いシャツが乾いてないから黒いセーターを羽織った気怠さでカムフラージュした願いを閉めたカーテンの内で育てた新時代の風が吹き抜ける街のどこかで彼女の髪だけが 靡かないとっ散らかったかなしみよネバつく空気の中で 凝縮されてダルい角度で寝そべった、僕の腹の上に落ちてくる白い肩に光が跳ねて彼女はミルクのアイスを舐める休日の自転車
2024年6月10日 01:29
夏休みみたいな冬がすぎて、たそがれ、窓開けて空隠す、高層雲うそ泣きの向こうの向こうにほんとのきもち飛んでゆけたなら、今すぐゆくよそれはちょっと、かなしい言葉僕ならこうやって、頭の中の地面を歩いてゆくのに微睡み、オレンジ、染められて窓際、やわらか、綴じた日々海眺む、随想、読了、山の上時折、指折り、数えた、記号の渦寝返り、返る、時の波生き死に、ほとぼり、まだ此処にあ
2024年6月1日 17:08
冬枯れの田園に果て無く続く送電鉄塔の群れを眺めて 眺める 鈍行列車の午後わかんない言葉も いつの間にか揺れて 軋んで 床に落ち曖昧になる曖昧になってしまうこともくすぐられたなら小さなカーブで 大袈裟に笑おうよ上手く言えないけど僕が会社を休んだ日はたくさんの人の顔が立派に見える駄々をこねるように大人になってポテチのカスのような感性が世界に散っていったふらりとつむった眼の
2024年5月28日 21:37
僕は凍りつくように流れてた冬が明ける頃の明け方に薄青い光と 雑踏が重なりあえば流れ続けて 腹が減る汚れたニューバランスで階段を降りる喉を潤すために飲んだリポDの空き瓶を捨てたホームのゴミ箱から友人のような言葉が溢れてたごうごう号号空空からからりららるるららる暗暗くらり暮らしは続く頭の中で ねじまきの音どうしていつも、どうしてと、考える。歯切れの悪い ねじま
2024年5月20日 23:46
春、風のない朝を横切って旅の途中の猫に噂された陽射しの香りにじゃれあって君の行方を尋ねたら空っぽの空を 指差した想像の果ては広がってこの街の彼方を見つけるためのスニーカーが擦り切れていくのも 止められない桜の花びらが ひとつ落ちたらそこが新しい季節の 始発駅君と僕の影が 気難しい顔して傾いたなら、うたかたを纏った風に 縛られて生きよう着崩れた体温を感じながらいつまでも
2024年5月14日 16:05
まだ、隠れたままだよ軽はずみな早起きでジオラマみたいな街を行く朝未だきの空、星ひとつ一日の手前は静かに横たわり100円のコーヒー値上がりの煙草湯気と煙ゆらゆらと外気の中寂しい味を、味わった君の好きな店の前に立ってガラスに映る顔を見つめたらアーバンな生活が不意をつく後ろめたい気持ちも歌にすればどうにかなると思ってたすれ違う時ほど我慢してそれが正義と思ってた“う
2024年5月5日 22:24
だるい花粉の嵐に四月がくしゃみで消え飛んだ遠くで聞こえる踏み切りの音汗ばむ街の匂いを連れた西陽が黄ばんだカーテンの裾から滲み出る風に吠える若い犬と冷たい春時代のコントラストはやさしさと傷痕で成されて同じ顔した人は 同じ血を巡らし濡れた体を遊ばせる路面に咲く季節を蹴飛ばして、往く毎日早起きしても僕は朝日を知らず黴臭い畳の上で体液を零すだけ宇宙を作ってはこわす この腕
2024年5月1日 14:59
チェーン店のファミレスで胸の小さなウエイトレスが僕に寄るしばらく僕は、目を逸らしながら考え込みドリンクバーを頼んだ冷たい言葉をたくさん選んでも心の中までは冷やせなかったそびえ立つ妥協の壁に安くて苦くて熱いコーヒーをぶちまけた泥水みたいねえねえと甘ったるい声で彼女ねえ、ねえ、湿っぽい関係を続けられるなら誰かの尺度で生きるのも楽しいのかもねしがない日々にロマンスは要らなかった
2024年4月24日 18:48
街角の低気圧と鉢合わせて今日の私は アルマジロのんべんだらりと 生きていたらバス停のとこに 君を見た気がするよあれって夢だったのかなそんな時でも君は 後ろ姿なのね人が死んだニュースを見たとき安吾の文庫を手にとって新しい気持ちに堕落したXの中に 埋もれた自由を真っ当してるだけで、可笑しいかしら新月と三日月の間の頃にセーラー服を翻し、スニーカーの踵を踏んだら無灯火で自転