佐々木俊尚

作家・ジャーナリスト。近代の終焉と情報通信テクノロジーの進化が社会をどう変容させるのか…

佐々木俊尚

作家・ジャーナリスト。近代の終焉と情報通信テクノロジーの進化が社会をどう変容させるのかをライフワークとしています。

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  • 佐々木俊尚の未来地図レポート

    社会はこれからどうなっていくのか? テクノロジーは社会をどう変えるのか? わたしたちの関係性はどこに向かうのか? 佐々木俊尚が独自の視点で切り取った、世界の見方をお伝えします。

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    日経COMEMOは、様々な分野から厳選した新しい時代のリーダーたちが、社会に思うこと、専門領域の知見などを投稿するサービスです。 【noteで投稿されている方へ】 #COMEMOがついた投稿を日々COMEMOスタッフが巡回し、COMEMOマガジンや日経電子版でご紹介させていただきます。「書けば、つながる」をスローガンに、より多くのビジネスパーソンが発信し、つながり、ビジネスシーンを活性化する世界を創っていきたいと思います。 https://bit.ly/2EbuxaF

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    山頂を目指す登山ではなく、都会の気軽な散歩ではなく、長大なロングトレイルでもない。歩く楽しみだけを追求する、気軽な「登らない登山」。それがフラット登山です。

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「反知性主義」を知性のない人の代名詞に使いたがる人こそが頭が悪い 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.825

特集1 「反知性主義」を知性のない人の代名詞に使いたがる人こそが頭が悪い〜〜〜アメリカにおける本当の反知性主義について学ぶ 反知性主義という、やたらと誤用されていることばについて今回は考えてみましょう。反知性主義については、最良のテキストがすでに出版されています。神学者森本あんりさんの2015年の著書『反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体』です。 この本はアメリカの政治史家リチャード・ホフスタッターの「アメリカの反知性主義」(1963年、邦訳はみすず書房2003年)

    • SNSで極端な政治的意見を言ってる人は、社会全体の1割ぐらい  佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.824

      特集1 SNSで極端な政治的意見を言ってる人は、社会全体の1割ぐらい〜〜〜大声でだれかを攻撃してる人が多数派に見えるバイアス 先日、知人のメディア業界人と話していて「日本には極端なほうの右派左派ってどのぐらいいるんだろう?」という話になりました。インターネット、特にTwitter(X)を見ていると、そういう極端派は非常に多く感じます。彼らの意見とちょっとでも異なることを書くと、たちどころにやってきて攻撃し始める。おかげで中道的な良識のある人たちは怖くて政治的なことを何も投稿

      • 歩くという行為は移動のためか、それとも楽しみのためなのか問題 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.823

        特集 歩くという行為は移動のためか、それとも楽しみのためなのか問題〜〜〜50年後の未来を想像するためのレッスン(6) 完全な自動運転が普及した未来には、近距離のモビリティもすべて安価な無人タクシーに集約されていくでしょう。そうなると「歩く」という行為をどう再定義するかが重要なテーマとなっていくはずです。「歩く」は単に移動するだけでなく、健康維持のために重要な行為でもあります。自宅から駅まで歩くのは雨の日や猛暑の日には面倒な移動ですが、そうやって毎日歩いているから都市住民は健

        • 公衆道徳に頼るのではなく、アーキテクチャや市場によって社会が動いていく未来 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.822

          特集 公衆道徳に頼るのではなく、アーキテクチャや市場によって社会が動いていく未来〜〜〜50年後の未来を想像するためのレッスン(5) 国土交通省はしばらく前から「ウォーカブルシティ(歩ける街)」という新しい都市のありかたを提唱しています。歩くことが健康につながり、高齢化社会における医療費削減の一助となるという期待もあります。しかし現実には、歩かない生活が以前よりも増えている印象が私にはあります。 前号でも述べたように、地方生活では「歩かない」は顕著です。クルマが日常の足にな

        「反知性主義」を知性のない人の代名詞に使いたがる人こそが頭が悪い 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.825

        • SNSで極端な政治的意見を言ってる人は、社会全体の1割ぐらい  佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.824

        • 歩くという行為は移動のためか、それとも楽しみのためなのか問題 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.823

        • 公衆道徳に頼るのではなく、アーキテクチャや市場によって社会が動いていく未来 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.822

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        記事

          エアコンじゃない本物の霧ヶ峰、あまりに爽快すぎる開放感〜フラット登山という提案⑧

          霧ヶ峰(きりがみね)というと、三菱電機のエアコンの名前としか知らない人も多いのでは。でも架空の山の名前ではありません。長野県に、実際に霧ヶ峰という山岳地帯があるのです。 とにかくだだっ広い草原の世界霧ヶ峰の最大の特徴は、とにかく草原!とにかく広大!とにかく気持ちいい! それに尽きます。霧ヶ峰の正体は実は火山なのですが、典型的な山のかたちはしていません。おそらく数十万年前に噴火して山体が吹き飛び、いまのように平たいかたちになったのでしょう。山というよりは、丘の上に高原が連なっ

          エアコンじゃない本物の霧ヶ峰、あまりに爽快すぎる開放感〜フラット登山という提案⑧

          完全自動運転は「歩く」という行為を未来に終わらせる? 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.821

          特集 完全自動運転は「歩く」という行為を未来に終わらせる?〜〜〜50年後の未来を想像するためのレッスン(4) 完全な自動運転が普及すると、社会はどう変わるのでしょうか。 運転手が不要である完全な自動運転であれば、運転免許返納を求められている後期高齢者の買い物難民問題が解決します。また自動運転車はすなわちEVなので、これは現在地方都市で深刻になっているガソリンスタンドの減少にも対応できます。地方生活は多くが戸建て住宅で、EVを自宅で充電するハードルも低いからです。さらにEV

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          いま地方の「交通の便」はどういう状況になっているのだろうか  佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.820

          特集 いま地方の「交通の便」はどういう状況になっているのだろうか〜〜〜50年後の未来を想像するためのレッスン(3) 2000年代に入ってからのこの四半世紀は、テクノロジーの進化の観点から見ると、19世紀終わりに非常に似ていると言われています。 19世紀末、特に1860〜80年代ごろにテクノロジーの急速な変化が起きました。電気を使った電信機や電話機、電球が発明され、自動車が発明されました。さらに上水道、映画、蓄音機など、現代の生活を彩るさまざまな技術はこの時期に生まれてきた

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          「聖地」感があまりにも深すぎる戸隠奥社の森をさまよう〜フラット登山という提案⑦

          長野市にある戸隠(とがくし)神社は、日本でも最も古い神社のひとつと言われています。奥社・中社・宝光社・九頭龍社・火之御子社という五つの社からなりたっていて、中でもいちばん奥にある奥社は、信じられないぐらい巨大な杉並木のあいだの参道の奥深くにあります。 戸隠神社を中腹に抱える戸隠山や、怖いぐらいにギザギザした山並みが特徴。ちょっと足を滑らせればまたたく間に滑落してしまうナイフエッジの稜線「蟻の戸渡り」なんていうところもあり、難易度の高い登山道としても有名です。 難易度の高い

          「聖地」感があまりにも深すぎる戸隠奥社の森をさまよう〜フラット登山という提案⑦

          暑夏には標高2000mの高層湿原を歩くのが最高〜フラット登山という提案⑥

          日本の夏はほんとうに暑くなりました。東京の最高気温36度とかはもはや論外ですが、これだけ暑いと登山に出かけても暑い。朝晩は涼しくなると言っても、行動するのは昼間です。やっぱり暑いのです。 こういう季節には、標高の高いところに逃げるに限ります。とはいえ標高の高い山は峨々とした名峰が多く、気軽に登れるわけではありません。高ければ登るのにも時間がかかり、日帰りでは難しいことも多い。そこで今回お勧めするのは、長野群馬国境の名峰・浅間山の直下にある高層湿原です。標高2000メートルに

          暑夏には標高2000mの高層湿原を歩くのが最高〜フラット登山という提案⑥

          未来の技術は想像できるが、イノベーションの想像は難しい 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.819

          特集 未来の技術は想像できるが、イノベーションの想像は難しい〜〜〜50年後の未来を想像するためのレッスン(2) イノベーションという言葉について、日本では「技術革新」と訳されてきたのが大間違いだと思います。この訳のせいで、技術が進化することをイノベーションだと誤解されがちになったからです。しかしイノベーションは、単なる技術革新ではありません。イノベーションの本来の意味は「技術の進化によって新たな価値が生み出され、社会に大きな変化がもたらされること」なのです。 この観点から

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          いま注目の手法「SFプロトタイピング」の歴史を学ぼう 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.818

          特集 いま注目の手法「SFプロトタイピング」の歴史を学ぼう〜〜〜50年後の未来を想像するためのレッスン(1) SFプロトタイピングは、SF作家の想像力を活用し、未来の事業や製品などのアイデアを考えようというコンサルティングの手法です。プロトタイピングは「試作する」という英単語で、つまり「SFでビジネスを試作する」という意味になります。日本ではまだあまり知られていないコンサルティング手法ですが、アメリカではすでに10年以上の歴史があります。 SFプロトタイピングの先駆けとさ

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          自分の仕事に「セルフコントロール権」を取り戻そう 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.817

          特集 自分の仕事に「セルフコントロール権」を取り戻そう〜〜〜令和時代は「時短料理」から「気持ちいい料理」へ(4) 「仕事と生活とのあいだのバランスをとりましょう」というワークライフバランスは、仕事と生活が相反するものであるという概念がベースにあります。しかし仕事と生活はもっと融合していいのではないかという考えかたもでてきていて、ワークライフバランスに対してワークライフインテグレーション(仕事と生活の統合)やワークインライフ(生活の中に仕事があると捉える)という用語も出てきて

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          ワーク・クッキング・インテグレーションという新たなライフスタイル 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.816

          特集 ワーク・クッキング・インテグレーションという新たなライフスタイ〜〜〜令和時代は「時短料理」から「気持ちいい料理」へ(3) 2010年代は、「ていねいな暮らし」という流行語に象徴される新しい生活文化と、平成ブラック時代の末期に男女ともにクタクタになるまで働き家庭料理には「時短」を求めるという、二律背反した方向に引き裂かれていた時代でした。 2000年代が「投資で一発逆転しよう」という楽天的な投機ブームに彩られ、高級な美食や輸入車が持てはやされていたのに対し、2008年

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          「ていねいな暮らし」と「時短料理」の矛盾に彩られていた2015年 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.815

          特集 「ていねいな暮らし」と「時短料理」の矛盾に彩られていた2015年〜〜〜令和時代は「時短料理」から「気持ちいい料理」へ(2) 1986年の男女雇用機会均等法を経て、1990年代になると女性の社会進出が本格的に始まり、これにともなって家庭料理の世界にも変化が現れます。それまでの「家庭料理の継承」「おふくろの味を夫に作ってあげる」といった伝統的な内容から、電子レンジを駆使するなど「時短」に重きを置く方向へと舵が切られていったのです。 とはいえ、1990年代ごろはまだ「男も

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          音楽と家庭料理の変遷から、時代の空気の変化を学ぶ 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.814

          特集 音楽と家庭料理の変遷から、時代の空気の変化を学ぶ 〜〜〜令和時代は「時短料理」から「気持ちいい料理」へ(1) 甲南大教授で社会学者の阿部真大さんに『地方にこもる若者たち 都会と田舎の間に出現した新しい社会』(朝日新書、2013年)という著書があります。 中央メディアではあまり取りあげられない地方の若者の実態や価値観を描きだした好著なのですが、特に面白いのが1980年代から2010年代にかけて、音楽を題材として若者たちがどう変容したかを解き明かした章。「Jポップを通し

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          クソリプの存在を無視せず、かといって言いなりにもならない良き議論とは 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.813

          特集 クソリプの存在を無視せず、かといって言いなりにもならない良き議論とは〜〜〜マスコミとネットと政治の関係の未来を考える(5) クソリプの構造を解析していくという壮大な目標の本シリーズ。いよいよ最終回です。これまで以下のマトリクスでクソリプの構造を見てきました。クソリプを送る人は以下のDに当てはまっている人たちです。 A)マクロの視点/解像度が高い B)ミクロの視点/解像度が高い C)マクロの視点/解像度が低い D)ミクロの視点/解像度が低い 一般社会の人々の視

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          クソリプの存在を無視せず、かといって言いなりにもならない良き議論とは 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.813

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