佐々木俊尚

作家・ジャーナリスト。近代の終焉と情報通信テクノロジーの進化が社会をどう変容させるのか…

佐々木俊尚

作家・ジャーナリスト。近代の終焉と情報通信テクノロジーの進化が社会をどう変容させるのかをライフワークとしています。

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  • 佐々木俊尚の未来地図レポート

    社会はこれからどうなっていくのか? テクノロジーは社会をどう変えるのか? わたしたちの関係性はどこに向かうのか? 佐々木俊尚が独自の視点で切り取った、世界の見方をお伝えします。

  • 日経COMEMO

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    日経COMEMOは、様々な分野から厳選した新しい時代のリーダーたちが、社会に思うこと、専門領域の知見などを投稿するサービスです。 【noteで投稿されている方へ】 #COMEMOがついた投稿を日々COMEMOスタッフが巡回し、COMEMOマガジンや日経電子版でご紹介させていただきます。「書けば、つながる」をスローガンに、より多くのビジネスパーソンが発信し、つながり、ビジネスシーンを活性化する世界を創っていきたいと思います。 https://bit.ly/2EbuxaF

  • フラット登山のススメ

    山頂を目指す登山ではなく、都会の気軽な散歩ではなく、長大なロングトレイルでもない。歩く楽しみだけを追求する、気軽な「登らない登山」。それがフラット登山です。

  • 「時間とテクノロジー」

最近の記事

いま地方の「交通の便」はどういう状況になっているのだろうか  佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.820

特集 いま地方の「交通の便」はどういう状況になっているのだろうか〜〜〜50年後の未来を想像するためのレッスン(3) 2000年代に入ってからのこの四半世紀は、テクノロジーの進化の観点から見ると、19世紀終わりに非常に似ていると言われています。 19世紀末、特に1860〜80年代ごろにテクノロジーの急速な変化が起きました。電気を使った電信機や電話機、電球が発明され、自動車が発明されました。さらに上水道、映画、蓄音機など、現代の生活を彩るさまざまな技術はこの時期に生まれてきた

    • 「聖地」感があまりにも深すぎる戸隠奥社の森をさまよう〜フラット登山という提案⑦

      長野市にある戸隠(とがくし)神社は、日本でも最も古い神社のひとつと言われています。奥社・中社・宝光社・九頭龍社・火之御子社という五つの社からなりたっていて、中でもいちばん奥にある奥社は、信じられないぐらい巨大な杉並木のあいだの参道の奥深くにあります。 戸隠神社を中腹に抱える戸隠山や、怖いぐらいにギザギザした山並みが特徴。ちょっと足を滑らせればまたたく間に滑落してしまうナイフエッジの稜線「蟻の戸渡り」なんていうところもあり、難易度の高い登山道としても有名です。 難易度の高い

      • 暑夏には標高2000mの高層湿原を歩くのが最高〜フラット登山という提案⑥

        日本の夏はほんとうに暑くなりました。東京の最高気温36度とかはもはや論外ですが、これだけ暑いと登山に出かけても暑い。朝晩は涼しくなると言っても、行動するのは昼間です。やっぱり暑いのです。 こういう季節には、標高の高いところに逃げるに限ります。とはいえ標高の高い山は峨々とした名峰が多く、気軽に登れるわけではありません。高ければ登るのにも時間がかかり、日帰りでは難しいことも多い。そこで今回お勧めするのは、長野群馬国境の名峰・浅間山の直下にある高層湿原です。標高2000メートルに

        • 未来の技術は想像できるが、イノベーションの想像は難しい 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.819

          特集 未来の技術は想像できるが、イノベーションの想像は難しい〜〜〜50年後の未来を想像するためのレッスン(2) イノベーションという言葉について、日本では「技術革新」と訳されてきたのが大間違いだと思います。この訳のせいで、技術が進化することをイノベーションだと誤解されがちになったからです。しかしイノベーションは、単なる技術革新ではありません。イノベーションの本来の意味は「技術の進化によって新たな価値が生み出され、社会に大きな変化がもたらされること」なのです。 この観点から

        いま地方の「交通の便」はどういう状況になっているのだろうか  佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.820

        • 「聖地」感があまりにも深すぎる戸隠奥社の森をさまよう〜フラット登山という提案⑦

        • 暑夏には標高2000mの高層湿原を歩くのが最高〜フラット登山という提案⑥

        • 未来の技術は想像できるが、イノベーションの想像は難しい 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.819

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          いま注目の手法「SFプロトタイピング」の歴史を学ぼう 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.818

          特集 いま注目の手法「SFプロトタイピング」の歴史を学ぼう〜〜〜50年後の未来を想像するためのレッスン(1) SFプロトタイピングは、SF作家の想像力を活用し、未来の事業や製品などのアイデアを考えようというコンサルティングの手法です。プロトタイピングは「試作する」という英単語で、つまり「SFでビジネスを試作する」という意味になります。日本ではまだあまり知られていないコンサルティング手法ですが、アメリカではすでに10年以上の歴史があります。 SFプロトタイピングの先駆けとさ

          いま注目の手法「SFプロトタイピング」の歴史を学ぼう 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.818

          自分の仕事に「セルフコントロール権」を取り戻そう 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.817

          特集 自分の仕事に「セルフコントロール権」を取り戻そう〜〜〜令和時代は「時短料理」から「気持ちいい料理」へ(4) 「仕事と生活とのあいだのバランスをとりましょう」というワークライフバランスは、仕事と生活が相反するものであるという概念がベースにあります。しかし仕事と生活はもっと融合していいのではないかという考えかたもでてきていて、ワークライフバランスに対してワークライフインテグレーション(仕事と生活の統合)やワークインライフ(生活の中に仕事があると捉える)という用語も出てきて

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          ワーク・クッキング・インテグレーションという新たなライフスタイル 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.816

          特集 ワーク・クッキング・インテグレーションという新たなライフスタイ〜〜〜令和時代は「時短料理」から「気持ちいい料理」へ(3) 2010年代は、「ていねいな暮らし」という流行語に象徴される新しい生活文化と、平成ブラック時代の末期に男女ともにクタクタになるまで働き家庭料理には「時短」を求めるという、二律背反した方向に引き裂かれていた時代でした。 2000年代が「投資で一発逆転しよう」という楽天的な投機ブームに彩られ、高級な美食や輸入車が持てはやされていたのに対し、2008年

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          ワーク・クッキング・インテグレーションという新たなライフスタイル 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.816

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          「ていねいな暮らし」と「時短料理」の矛盾に彩られていた2015年 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.815

          特集 「ていねいな暮らし」と「時短料理」の矛盾に彩られていた2015年〜〜〜令和時代は「時短料理」から「気持ちいい料理」へ(2) 1986年の男女雇用機会均等法を経て、1990年代になると女性の社会進出が本格的に始まり、これにともなって家庭料理の世界にも変化が現れます。それまでの「家庭料理の継承」「おふくろの味を夫に作ってあげる」といった伝統的な内容から、電子レンジを駆使するなど「時短」に重きを置く方向へと舵が切られていったのです。 とはいえ、1990年代ごろはまだ「男も

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          音楽と家庭料理の変遷から、時代の空気の変化を学ぶ 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.814

          特集 音楽と家庭料理の変遷から、時代の空気の変化を学ぶ 〜〜〜令和時代は「時短料理」から「気持ちいい料理」へ(1) 甲南大教授で社会学者の阿部真大さんに『地方にこもる若者たち 都会と田舎の間に出現した新しい社会』(朝日新書、2013年)という著書があります。 中央メディアではあまり取りあげられない地方の若者の実態や価値観を描きだした好著なのですが、特に面白いのが1980年代から2010年代にかけて、音楽を題材として若者たちがどう変容したかを解き明かした章。「Jポップを通し

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          クソリプの存在を無視せず、かといって言いなりにもならない良き議論とは 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.813

          特集 クソリプの存在を無視せず、かといって言いなりにもならない良き議論とは〜〜〜マスコミとネットと政治の関係の未来を考える(5) クソリプの構造を解析していくという壮大な目標の本シリーズ。いよいよ最終回です。これまで以下のマトリクスでクソリプの構造を見てきました。クソリプを送る人は以下のDに当てはまっている人たちです。 A)マクロの視点/解像度が高い B)ミクロの視点/解像度が高い C)マクロの視点/解像度が低い D)ミクロの視点/解像度が低い 一般社会の人々の視

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          うっかりクソリプ投稿をしてしまわないための視点とは 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.812

          特集 うっかりクソリプ投稿をしてしまわないための視点とは〜〜〜マスコミとネットと政治の関係の未来を考える(4) クソリプの構造を解析していくという壮大な目標の本シリーズ。前回は、何かの発言をする際に、その発言の考察の解像度が高いか/低いか、視点がマクロ(鳥の視点)か/ミクロ(虫の視点)かという二つの軸でマトリクスを描くということを解説しました。 A)マクロの視点/解像度が高い B)ミクロの視点/解像度が高い C)マクロの視点/解像度が低い D)ミクロの視点/解像度が

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          登山の魅力を「官能的」ということばで再定義する〜フラット登山という提案⑤

          登山で「登りたい山ランキング」などを見ると、上位にはそりゃそうだろうなあ〜という山々が並んでいます。富士山、槍ヶ岳、奥穂高岳、剱岳、北岳、白馬岳……。たしかにこれらの山は魅力的だしカッコいいし、とくだん異論があるわけではありません。しかしわたしがこういうランキングを見るといつも微妙な気持ちになってしまうのは、毎年リクルートがやってる「住みたい街ランキング」と同じにおいを感じるからかもしれません。 「登りたい山」と「住みたい街」は似ているたとえば2024年版の「住みたい街ラン

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          クソリプの構造をマトリックスを描いて解き明かす 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.811

          特集 クソリプの構造をマトリックスを描いて解き明かす〜〜〜マスコミとネットと政治の関係の未来を考える(3) 現代のSNS社会は、だれもが専門家であるのと同時に、だれもがクソリパー(クソリプを送ってしまう人、つまり頓珍漢な見解を堂々と発表してしまう人)になりうるのだということを前回は解説いたしました。 これは一般人に限らず、研究者や弁護士、会計士など専門職とみられ世間から尊敬されている人も同じです。専門分野では素晴らしい知見を発表している人が、専門外のことに口を出したとたん

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          なぜワイドショーのコメンテーターはクソリプみたいな発言をするのか 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.810

          特集 なぜワイドショーのコメンテーターはクソリプみたいな発言をするのか〜〜〜マスコミとネットと政治の関係の未来を考える(2) テレビのワイドショーに出てくるコメンテーターとは、いったいどのような存在なのでしょうか。そもそもコメンテーターは必要なのでしょうか。 ワイドショーをときどき目にすることがあるのですが、コメンテーターの人の発言を見ていると奇妙な感慨が湧いてくることがあります。どのようなものかというと「ツイッターでこういうクソリプよく来るなあ」という感慨です。ワイドシ

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          広大で歩きやすく、心も晴れる日光戦場ヶ原〜フラット登山という提案④

          日本の誇る巨大観光地・日光。東照宮に華厳の滝、中禅寺湖、戦場ヶ原、そして男体山や女峰山などの峰々と、日本の素晴らしい自然景観を圧縮して一か所にまとめたテーマパークのようなところです。東京からも近く、新宿から東武線直通の特急も出ています。座ったままで新宿から2時間で東武日光に着いてしまうのは本当に楽。 オーバーツーリズム気味な観光地としての日光とはいえ、日光ならではの面倒くささもあります。まず日光の中枢に行くのに、東武日光駅あたりからだとけっこう遠い。あのクネクネが延々と続く

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          インターネット世論は政治をどう動かしていくのか? 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.809

          特集 インターネット世論は政治をどう動かしていくのか?〜〜〜マスコミとネットと政治の関係の未来を考える(1) 新聞が販売部数を激減させ、近い将来には消滅に向かうことがほぼ確定しつつあります。一部の新聞は生き残るでしょうが、かつてのような「新聞が世論を作る」というパラダイムが消滅しつつあるのは間違いありません。 現状では、全体の部数が半減したとは新聞はまだ影響力を保っています。この背景には、高齢の政治家や経営者、さらにはテレビ業界の人たちなど、ネット世論の存在やその力学など

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