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ダイエット論5:1日に摂取すべき糖の量とは?

この記事では「ダイエットを成功させるための考え方」の中でも、特に『1日に摂取すべき「糖の量」』についてまとめています。

尚、この記事は前回書いた『ダイエット論4:1日に摂取すべき蛋白質の量とは?』の続きになっています。まずはそちらを先にお読み下さい。


量が適切であれば、糖は決して悪いものではない

「糖質制限ダイエット」に代表されるように、最近では「糖=悪いもの」というイメージが強く、「糖をなるべく制限する事こそ、健康に繋がる」とすら考えられています。

しかし「糖=悪いもの」となってしまうのは、

・自分にとっての「適切な糖の量」を知らない

・自分にとっての「適切な摂取タイミング」を知らない

・「どのような食品に糖が含まれているか」を知らない

・どの食品に「どのぐらいの量の糖が含まれているか」を知らない

・糖を制限せずに体型を維持、あるいは心身の健康を維持していく方法を知らない

などが主な原因です。

つまり糖を摂取する事そのものが悪いのではなく、「摂取の仕方が間違っている」のです。

であるならば、糖が多く含まれている食品や、その食品に含まれている糖の量を知り、自分にとって適切となる糖の量を調べ、それを下回るような食事をしていけば良いだけの話です。


1日に摂取すべき糖の量とは?

前回の記事で蛋白質の必要量を計算しました。

これはおさらいになりますが、1日に必要な蛋白質の量は、心身の健康を維持したい場合、「体重1kg当たり1g」、筋肉を大きくしたい場合、「体重1kg当たり2g」が必要になります。

一方、1日に必要な糖の量ですが、これは、

「1日に必要な糖の量(g)」=「1日に必要な蛋白質の量(g)」×「1~3」

という感じになっています。

つまり単純に、1日に必要な蛋白質の量を1~3倍(基本は2~3倍、1倍は後述のように例外の時のみ)するだけで、1日に必要な糖の量は簡単に分かります。

例えば体重が60kgの場合、1日に必要な蛋白質の量は60gです。1日に必要な糖の量はその2~3倍ですから、120~180gという事になります。

また体重が80kgの場合、蛋白質は80gになりますから、糖はその2~3倍なので、160~240gという事になります。

ここから「何をどのぐらい食べたら良いか?」を決めていく事になる訳です。


総エネルギーに合わせ、糖の量を調節しよう

蛋白質は「1g当たり4kcal」のエネルギーがあります。また糖も同じように、「1g当たり4kcal」のエネルギーがあります。これを踏まえ、糖と蛋白質のエネルギーについて考えてみましょう。

例えば体重が60kgある場合、1日に必要な蛋白質の量は60gなので、それに4をかけて240kcalと分かります。また糖の量は蛋白質の量の2~3倍なので、120~180gです。これに4をかけると480~720kcalと分かります。

この蛋白質のエネルギーである240kcalと、蛋白質のエネルギーである480~720kcalを合計すると、720~960kcalになります。

しかし人によっては、この時点で既に『「1日に必要な総エネルギー」をオーバーしてしまう』可能性があります。

特にそうして「糖と蛋白質のエネルギー」だけで、総エネルギーが全て埋まってしまう場合、「必須脂肪酸分のエネルギー」を摂取する余裕がなくなってしまいます。これは心身の健康を維持する上で大きな問題になります。

そこで糖の量を、

「1日に必要な糖の量(g)」=「1日に必要な蛋白質の量(g)」×「1~2」

というように、蛋白質の量の「1~2倍の間」で調節していく必要があります。そうして最低でも「必須脂肪酸分のエネルギー」を摂取できるように余裕を持たせる事が重要です。


実際に調節してみましょう。

例えば糖の量を「蛋白質の量の1.5倍」として考える場合、体重60kgの場合だと、蛋白質60g(240kcal)、糖90g(360kcal)、エネルギーの合計は700kcalです。1日に必要な総エネルギーが1000kcalの場合、これで300kcal分の余裕ができます。

特に脂肪は「1g当たり9kcal」あるので、その300を9で割る事で、摂取できる脂肪の量がわかります。計算してみると脂肪の量は約33gになります。

また糖の量を「蛋白質の量の1倍」として考える場合、体重60kgの場合だと、蛋白質60g(240kcal)、糖60g(240kcal)、エネルギーの合計は480kcalです。総エネルギーが1000kcalの場合、520kcal分の余裕があり、それを9で割ると脂肪の量は約58gになります。

こうする事で必須脂肪酸分のエネルギーを摂取しても、カロリーオーバーを防ぐ事ができます。


筋肉を大きくしたい場合、むしろカロリーオーバーしても良い

前述のように筋肉を大きくしたい場合、蛋白質の量は体重1kg当たり2g必要です。

しかしそのまま「糖の量は蛋白質の2~3倍」としてしまうと、人によっては、糖の量がとんでもなく多くなってしまいます。またやはり「総エネルギー」も超えてしまいます。

例えば体重が80kgの場合、蛋白質は160gです。糖はその2~3倍だと320~480gになり、エネルギーを合計すると1920~2560kcalです。

総エネルギーが3000kcalあるなら、これでも必須脂肪酸を摂取できるので問題ないのですが、1920kcalを下回る場合、必須脂肪酸を摂取する余裕はありません。

一方、筋肉を大きくするためには「摂取エネルギーが消費エネルギーを上回り、その状態が維持されている」という条件があります。

つまりこの場合、カロリーオーバーしても何の問題もないので、総エネルギーは「上回るための基準」として考える事になります。蛋白質を体重1kg当たり2g、糖の量は蛋白質の量の2~3倍としてそのまま考え、後は脂肪によってカロリーを調節していくと良いでしょう。

もちろんいくら筋肉を大きくしたいからと言って、いきなりそのような食習慣にする訳ではありません。そこを目指して、少しずつ糖や蛋白質の量を増やしていくという事です。


マルトデキストリンなどの糖も計算に入れる

人によっては運動中のカーボドリンクに「マルトデキストリン」などの糖を混ぜて利用していると思います。

1日に必要な糖の量には、このマルトデキストリンも含めて計算する必要があります。

もちろん前述のように筋肉を大きくしたい場合、むしろカロリーオーバーするぐらいでないと、筋肉は効率良く大きくなっていきません。なので、マルトデキストリンを計算に入れなくても、大抵は問題ありません。

一方、筋肉をそこまで大きくしたいとは考えていない場合に、運動中の栄養補給としてマルトデキストリンなどを利用しているという人も中にはいると思います。

その場合、マルトデキストリンを含めない事で、カロリーオーバーの可能性が出てくるので、必ず計算に入れましょう。


実際に何をどのぐらい食べるべきか?

「糖」と言えば、代表的なのが「お米」ですね。

特に白米は「炊飯前の状態」で、「100g当たり70~80g」の糖が含まれています。よって1日に糖が80g必要な場合、1日100gの白米を食べれば良いという事になります。単純で分かりやすいですね。

一方、1日に例えば60g必要だったり、90g必要だったりする場合、ちょっと計算が面倒に感じてしまうと思います。その場合、

「1日に食べる量」=「100g」÷「その食品の100g中に含まれている糖の量」×「1日に必要な糖の量」

を計算すれば分かります。

例えば1日に60gの糖が必要で、白米を食べる場合、100÷80×60で「75」と出ます。つまり白米(炊飯前)を1日75g食べれば良いという事が分かります。

白米以外にも糖を豊富に含む食品はたくさんありますが、同じ方法で計算できます。その食べ物の「100g当たりの糖の量」をまず調べて、自分にとって必要な量に合わせて食べれば良いだけです。


ちなみに白米は、炊飯すると水を吸って重さが変わります。炊飯前の白米100gは、炊飯すると2.3倍ぐらいになり、だいたい230gとなります。

この230gはご飯茶碗に入れると大盛り一杯ぐらいです。1日80gの糖が必要な場合、ご飯茶碗に「115gぐらい」になるように盛り付ければ、ちょうど1日2杯食べれば良いという事になります。

これが食品によっては面倒で、既に調理済みの加工食品の場合、食材の重さは大きく異なる場合があります。当たり前の事ですが、小麦粉とパンでは全然重さが違うという事です。

まぁ加工食品は大抵パッケージに書いてあると思いますが、書いていない商品もあると思います。特に脂肪が豊富な食品ではカロリーオーバーしやすいですから、その場合には注意が必要です。



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尚、次回は「脂肪の必要量」について解説していきます→『ダイエット論6:1日に摂取すべき脂肪の量とは?

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