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ダイエット論6:1日に摂取すべき脂肪の量とは?

この記事では「ダイエットを成功させるための考え方」の中でも、特に『1日に摂取すべき「脂肪の量」』についてまとめています。

尚、前回からかなり期間が空いてしまいましたが、この記事は『ダイエット論5:1日に摂取すべき糖の量とは?』の続きになっています。まずはそちらを先にお読み下さい。


1日に必要な脂肪の量を求めるには?

今回解説する「1日に必要な脂肪の量」ですが、この計算には前回までの記事で解説した「1日に必要な総エネルギー」、「蛋白質のエネルギー」、「糖のエネルギー」を全てフル動員させて計算します。

で、実際の計算式なのですが、

「残りのエネルギー」=「総エネルギー」-「蛋白質のエネルギー+糖のエネルギー」

「脂肪の量(g)」=「残りのエネルギー」÷「9」

このような感じになっています。

つまり「糖のエネルギーと蛋白質のエネルギーを合計」して、その合計したものを「総エネルギー」から引き、そうして「残ったエネルギーを9で割る」という事です。それによって「1日に必要な脂肪の量」が分かります。

例えば体重が60kg、総エネルギーが1500kcalあり、心身の健康を維持していく場合、蛋白質の量は60gです。また糖の量は通常はその2~3倍なので、120~180gになります。

更に糖も蛋白質も「1g当たり4kcal」あるので、蛋白質のエネルギーは240kcal、糖のエネルギーは480~720kcalです。これらを合計すると720~960kcalになります。

この720~960kcalを「総エネルギー」である1500kcalから引くと、残ったエネルギーは540~780kcalです。そしてこれを9で割ると、60~87となります。つまりこの場合の「1日に必要な脂肪の量は60~87g(糖120gなら脂肪87g、糖180gなら脂肪60g)」と分かります。


総エネルギーが多い場合、蛋白質の量を増やして調節

前述のように脂肪の量は「総エネルギー」を元にして計算しています。そのため、総エネルギーが多ければ多いほど、脂肪の量がどんどん増えていってしまいます。人によっては100gを大きく超えてしまう場合もあります。

その場合、まずは「蛋白質の量を増やす」という事を考えましょう。

特に心身の健康を維持していく場合、1日に必要な蛋白質の量は「体重1kg当たり1g」です。それを「体重1kg当たり2g」程度まで増やしてみます。

例えば体重が80kgで、総エネルギーが3000kcalもある場合、蛋白質を体重1kg当たり1gのままで計算すると・・・蛋白質80g(320kcal)、糖160~240g(640~960kcal)となります。また合計960~1280kcalであり、これを3000から引くと1720~2040kcalです。更にそれを9で割ると191~227となります。

つまりこの場合、1日に191~多くて227gもの脂肪を摂取しなければなりません。これはいくら何でも多すぎます。

そこで、蛋白質の量を「体重1kg当たり2g」として計算してみると・・・蛋白質160g(640kcal)、糖320~480g(1280~1920kcal)、合計1920~2560kcalです。3000からそれを引くと440~1080kcalとなり、更にそれを9で割ると49~120と出ます。

つまりこの場合、1日に必要な脂肪は49~120g(糖320gなら脂肪120g、糖480gなら脂肪49g)となります。このぐらいの量なら摂取できそうです。またこれなら脂肪の必要量が少なくなりすぎず、「必須脂肪酸を摂取できるだけの余裕」も確保できています。

このように蛋白質の量を増やせば、糖の量も自動的に増えるので、総エネルギーがかなり多い人でも、脂肪の量を適切に保つ事ができます。まぁ人によっては1日4000kcalとかそれ以上必要な人もいるので、そういう場合にはまた勝手が変わってきますが・・・。


総エネルギーが少なくても、脂肪の量は「ゼロ」にはできない

逆に総エネルギーが少ない場合、「糖+蛋白質のエネルギー」だけで、総エネルギーをオーバーしてしまう事があります。

しかしやはり「必須脂肪酸は最低限摂取」しなければなりません。そのため総エネルギーをオーバーしてしまう場合、脂肪の量を「ゼロ」にするのではなく、むしろ脂肪がゼロにならないようにして、糖または蛋白質の量を減らす必要があります。

ただ、蛋白質は「体重1kg当たり1g必要」です。これは「心身の健康を維持する上で最低のライン」なので、それを下回る事はできません。

よって前回の記事にもあるように、やはり「糖の量を、蛋白質の量の1~2倍の間で調節する」ようにすると良いでしょう。それで大抵はバランスを取る事ができます。

例えば体重が60kgで、基礎代謝が1000kcalしかない場合、蛋白質60g(240kcal)、糖をその3倍として計算すると180g(720kcal)となり、合計で960kcalです。これを1000から引くと、たった40kcal(脂肪4g)しか余裕がありません。

一方、蛋白質60g(240kcal)、糖をその2倍として計算すれば、120g(480kcal)となり、合計で720kcalです。これを1000kcalから引いても280kcal分の余裕があり、更に280kcalを9で割ると、脂肪は約31gになります。これで必須脂肪酸を摂取してもカロリーオーバーしにくくなります。


糖や蛋白質が豊富な食べ物にも、脂肪は含まれている

前述のように、体重が60kgで、総エネルギーが1500kcalあり、心身の健康を維持していく場合、蛋白質60g(240kcal)、糖はその3倍の180g(720kcal)、脂肪60g(540kcal)となっています。

例えばオリーブオイルなどの「油」は「脂肪そのもの」なので、1g当たり9kcalとして計算できます。すなわちこの場合、1日に60gの油を摂取すれば良いという事になります。

ただし厄介な事に、「脂肪だけが豊富に含まれている食べ物」というのは、アボカドのような例外を除くと、オリーブオイルのような調味油ぐらいで、実はかなり種類が少ないのです。

これは別の言い方をすると、「蛋白質が豊富に含まれている食べ物」にも、脂肪が含まれており、「糖が豊富に含まれている食べ物」にも、脂肪が含まれている・・・という事です。このため油をそのまま60gも利用してしまうと、簡単にカロリーオーバーしてしまいます。

よって「脂肪を豊富に含む食べ物」の量を決める場合、前回までの記事で決めた『蛋白質が豊富な食べ物に含まれている「脂肪の量」』と、『糖が豊富な食べ物に含まれている「脂肪の量」』を考慮する必要があります。

例えば肉、魚、納豆などを食べ、既に30gの脂肪を摂取していた場合、その30gを「1日に必要な脂肪の量」から減らして、その後で「脂肪を豊富に含む食べ物」の量を決めていく事になります。

この例だと実際に利用するオリーブオイルなどの油の量は「30g」にまで減りますね。まぁもちろん油である必要はありません。アボカドでも良いですし、ナッツ類でも良いです。あくまでそういうイメージという事です。

それによってカロリーオーバーを防ぐと良いでしょう。



以上です。お役に立てれば幸いです。よろしければ「スキ」「フォロー」をお願いします。尚、次回からは「ダイエット全般に対する考え方」について解説していきます。

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