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『キャプテン翼』とゴールドに輝く夢をみつけたGOLDENVALOR代表 諸江健太さんにインタビュー≪6/4-10開催!ヨコハマ・フットボール映画祭2022≫

『キャプテン翼』×ユネスコ無形文化遺産/縁付金箔との絢爛豪華なコラボレーションを実現させた、元Jリーガーの諸江健太(もろえけんた)さんが代表を務めるゴールデンバロールについてお話しを伺いました。

みなさん、こんにちは。ヨコハマ・フットボール映画祭note公式マガジン第58回を担当しますスタッフのSallyです。よろしくお願いします。

ヨコハマ・フットボール映画祭 2022の会場内ギャラリーにて、フットボールカルチャーを愛する皆さんとの交流の場、フットボールエキスポが開催。ギャラリーは入場無料なので、映画鑑賞やイベント参加と併せてお楽しみください!

ヨコハマ・フットボール映画祭note公式マガジンではフットボールエキスポへ出展される方へ特別インタビューを実施。読者の皆さまへお届けします。

『キャプテン翼』アート/『夢のはじまり1981』

当時は珍しい大学生Jリーガー。のちに地元チームで感じた感情はサッカー人生の源に

ーー元Jリーガーであり、伝統工芸の稼業であり、起業家の諸江さん。まずサッカーのご経歴について教えてください

諸江 地元金沢で小学校2年生からサッカーをはじめて、中学校を卒業後は名古屋グランパスユースに入団しました。その後、グランパスのトップチームに昇格すると同時に、"人としての幅を広げたい”という想いで中京大学に入学しました。
 現在はオンライン講義を受けられる授業も増えていますが、当時はオフラインだけ。練習と必修科目との時間のやりくりが難しく、自分は単位取得に非常に苦労しました。2年間で取得できたのが20単位ほど!卒業はどうにかできましたね。

名古屋グランパス/(上段左)諸江さん

 卒業後はFC刈谷を経て、地元金沢にあるツエーゲン金沢に入団しました。ツエーゲン金沢はその年、北信越リーグからJFLに昇格。そのかつてない盛り上がりの中、初めての感情が自分の中に湧き上がってくるのを感じました。
 それまで”自分のためにサッカーをして、自分が満足できればいい”と思っていた自分に、チームがJFLに昇格できたこと、かつ、自分が大好きなサッカーを通じて”地元である金沢の人たちが喜んでくれていること”に何とも言えない大きな喜びを感じました。

ツエーゲン金沢主将/諸江さん

なぜ金箔屋?自分だから表現できる『金沢箔』の魅力

ーー次に、金箔屋を始めようと思われたのは何故でしょうか?

諸江 2019年に創業150年を迎えた金沢箔卸を営む祖父の元に生まれ、金箔は身近な存在でしたが、正直古臭く感じていてあまり興味はありませんでした。でもツエーゲンでプレーをしていた時に、地元に貢献したいという気持ちから金沢を見つめ直し、気がついたことがあります。
金沢は、日本の金箔の生産量99%のシェア”
つまり金箔=金沢と言っても過言ではない程、金箔は歴史的にも生産量としても、地元の代表的な商品となっているということです。
 しかし金沢箔の職人は高齢化が進み、後継者問題を抱えています。金沢箔はそう遠くない未来、その技術は途絶える可能性がある危機的状況です。

職人の手作業で打ち延ばした「縁付(えんつけ)金箔」

 金沢に400年以上続く、世界に誇る美しい金箔の伝統技術を継承し、魅力を伝えたいという想いから、2014年に株式会社GOLDEN VALOR(ゴールデンバロール)を創業しました。現代のライフスタイルに生きる金箔の需要を作り出していきたいと思っています。
(※金沢箔=金沢で生産される金箔、銀箔、プラチナ箔などを含む箔の総称)

SHCは人生のターニングポイント。セカンドキャリアの金箔屋を唯一無二の存在に押し上げたい

ーーセカンドキャリアの金箔屋、ゴールデンバロールの立ち上げ当初、経営に戸惑いはなかったのでしょうか?

諸江 しばらくは金箔の仕事はなく、ツエーゲンで営業の仕事をしていました。前述のような大きなやりがいを感じて以降、街ごとサッカーを知らない人までも巻き込んで金沢という地で貢献できれば、という強い想いがあった。そのためにマネージメントを学ぶ必要性を感じました。そこで公益財団法人スポーツヒューマンキャピタル (Sports Human Capital: SHC)に通うことにしました。

ーーSHCでの学びはビジネスに役立っていますか?

諸江 サッカーも金箔も、ビジネスとしては共通項が多いと思いますね。
 何より人とのつながりは大きい。SHCはサッカー業界以外の方がたくさんいます。当たり前に話していたことが伝わらない場面もありました。自分は言語化が苦手という課題に直面し、話し方や言葉の選択も変えました。
様々な業界から吸収することも多かった。自分の業界だけの思考でいたらダメだ!と本当に強く感じましたね。

運命の出会い。それは夢のはじまり

諸江 SHCをきっかけに参加した「Jリーグをつかおう」というワークショップで、株式会社TSUBASA代表取締役の岩本義弘さんに出会いました。
 サッカー漫画『キャプテン翼』は世界中で知られています。コラボレーションできたら世界中に自分の仕事である「金箔」を届けられるのではないか、これはサッカーを培ってきた自分にしかできない!絶対に実現させたい!と、何度もアプローチしました。

 商品は今の時代誰でも作れます。あらためてゴールデンバロールの未来を考えたとき、自分の強みであるプロサッカー選手だったことと、自分のルーツであり、地元金沢が世界に誇るユネスコの無形文化遺産に登録された「縁付金箔」とのかけ合わせで、唯一無二のビジネスにしていきたいと思いました。そして『キャプテン翼』とのコラボレーションすることで、世界に羽ばたかせる『夢のはじまり1981』というシリーズが完成しました。

(右)『キャプテン翼』の作者 高橋陽一先生

小学校の金箔教室では地元の子供たちと一緒に考える

諸江 地元への貢献の1つとして、年2回程度金沢の小学校で金箔教室を行っています。日本一のシェアを誇る金箔に直に触れてもらい、究極の薄さや輝きを、心に残る思い出にしてもらいたい。入り口は何でもいいです。難しく考えずに小学生にも知られている『キャプテン翼』から、少しづつ金箔に興味を持ってもらえれば嬉しいです。

 サッカー選手だった自分にとっても、大空翼は特別な存在。苦しい状況を好転させられる永遠の憧れです。世界中のサッカー好きが知っていて、色々な世代に認知のある大空翼を使ったアートを通じ、金箔文化や魅力を、未来ある小学生のみんなと一緒に考えたいと思っています。

金沢の小学校で行っている金箔教室の様子

 ちょうど嬉しいニュースがあったんですよ。ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インクが、ワールド・モニュメント財団(WMF)とともに、日本初の「縁付(えんつけ)金箔製造」職人育成プログラムの発足を発表したんです。自分の方向性とリンクしていて胸が熱くなりました。自分もいつかティファニーのようなブランドと一緒に語り、事業ができたらとポジティブに考えています。

夢をもつこと、恥じることなく語りたい。


ーー最後にフットボールエキスポに期待することについて教えてください

諸江 来場する皆さんと、とにかくたくさん会話をし、少しでも金箔のことを知っていただきたいです。興味を持っていただくことからが始まりだと思います。

 あとは、『キャプテン翼』の好きなシーンも教えて欲しいかな。今回の『夢のはじまり1981』は実は作者の高橋陽一先生が1番思い入れのあるシーンなんです。

 自分もあらためて「夢」について思うのは、心に夢を持っていれば、どんなに不安な状況の中でも心に希望を持つことができ、自分を奮い立たせてくれるものだということ。

金のかがやきは、人を幸せにする
金沢にしかない伝統の金箔を絶やすことなく未来につなげたい 

この夢をこれからも信じて、世界中に届けていきたいと思います。


 今回SHC同期の諸江さんにインタビューさせていただき、あらためて太陽のような人!と感じました。熱と明るい強さがある。世界を見据え地元金沢に軸を置きながら、最近はホテルやbarで金箔を使ったイベントを行い、世界に誇る金のかがやきを発信しているそうです。
  フットボールエキスポでも、爽やかな笑顔で『夢のはじまり1981』と「夢」について熱く語ってくれると思います!


フットボールエキスポ は6/4(土)-5(日) 12:30-18:00 、かなっくホール 3階 ギャラリーにて《入場無料》

ヨコハマ・フットボール映画祭 2022は6/4(土)-5(日)にかなっくホール(東神奈川)、6/6(月)-10(金)シネマ・ジャック&ベティにて開催します。

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